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福田 周平(25歳・NTT東日本)遊撃手の寸評へ








福田 周平(24歳・NTT東日本)遊撃 169/69 右/左 (広陵-明治大出身) 
 




                       「実戦力NO.1遊撃手」





 今年の大学・社会人の中でも、こと一年目から活躍できるという意味では、この 福田 周平 が、一番ではないかと思っている。広陵高校時代から野球センスの高さには定評があったが、センスが勝ったタイプでドラフト候補という感じはしなかった。明大時代も同様で、素材としての凄みは感じられなかった。そんな彼だからこそ高い志しを持ち、意識を高め、強いスイングを身につけようと人並み以上の努力を重ねてきたのだろう。そしていま、最もプロに近いアマチュアプレーヤーという領域まで、自らを引き上げてきている。


(ここに注目!)

 技術やセンスにかまけることなく、肉体を磨き、気合満点のプレーで挑むガッツマン。そういった精神的な部分に、ぜひ注目して彼をみて欲しい。

走塁面:
☆☆☆☆ 4.0

 一塁までの到達タイムは、早い時で3.9~4.15秒ぐらいで走り抜けて来る。プロで足を売りにするほど絶対的なスピードがあるのかは微妙だが、充分にプロレベルでも俊足だと言えるだろう。昨年も98打席で9盗塁を決めており、プロのレギュラー選手並の500打席で換算すれば、45盗塁に匹敵する。プロと社会人のレベル差はあるだろうが、全く走れないということは考えづらい。

守備面:
☆☆☆★ 3.5

 打球への一歩目が早いのが特徴で、打球勘が好い。キャッチング・フットワーク・スローイングなどの動きもまずまずで、遊撃手としても基準レベル以上。地肩が圧倒的に強いわけではないので、細かい動きもできるしレギュラーとなるとセカンドあたりの方が向いているかもしれない。いずれにしてもプロでもニ遊間の選手として、やって行ける守備力はある。





(打撃内容)

 相当バットを振り込んだらしく、アマ仕様だったスイングもだいぶ強さ・鋭さを増してきた。好打者だったイメージも、今は強打者という感じに変わりつつある。

<構え> 
☆☆☆ 3.0

 前足を軽く引いて、カカトを浮かし後ろ足に体重をかけて構えている。グリップは高めに添えられていて、腰の据わり具合、全体のバランス、両眼で前を見据える姿勢などは平均的ぐらいだろうか。

<仕掛け> 早めの仕掛け

 投手の重心が下るときに動き出す、「早めの仕掛け」を採用。早めに動き出すことで、速球でも変化球でも幅広く対応できる、アベレージ打者・確実性を重視する打者に多く観られる仕掛けなのだ。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を引き上げ回し込み、少しベース側に踏み込んで来る。始動~着地までの「間」は充分あり、変化に応じて踏み込むタイミングを図っているので、スピードの変化には対応しやすい。少しベース側踏み込んで来るように、外角寄りの球への意識が強い。踏み込んだ足元はブレないので、外角の厳しい球や低めの球にも壁を崩さずに食らいつくことができる。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 早めにバットを引いて、打撃の準備である「トップ」の形を作れている。速い球に立ち遅れる心配はないが、あらかじめグリップを捕手側に引いていると力みやすく、柔らかいリストワークの使い方に影響しやすい。そのため打てる球が、限られやすい弊害はある。

 バットの振り出しは、インサイド・アウトではない。外の球を叩くことに優れているが、インステップ相まって内角の捌きにバットが出にくい。そのため右投手の内角に食い込んでくる球筋に差し込まれやすく、最初の一歩目も遅れがちになりやすい。左の好打者タイプならば、アウトステップとは言わないまでも、真っ直ぐ踏み出すぐらいが打率を残すと言う意味では好いだろう。その辺の修正は、プロ入り後いくらでもできる。

 けして物凄くヘッドスピードが鋭いとか遠くに飛ばせるわけではないが、最後まで振りきれる強さは出てきている。以前はプロという感じは全然しなかったが、この辺は振り込んできた成果が、形となって実を結びつきつつあるのではないのだろうか。

<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げはあるものの、実に降ろすのも静かで目線の上下動は少なめ。そのためボールを、狂いなく追うことができている。足のつま先も閉じられ、開きを最後まで我慢。軸足にも粘りが感じられ、しぶとい打撃も期待できる。

(打撃のまとめ)

 物凄くスイングが鋭いわけでも、ボールを飛ばすパワーがあるわけでもない。まして眼が凄く好いとか、リストワークの使い方が非凡だとか、素材としての凄みは感じられない。

 しかし叩き上げてここまできた選手で、自らの努力で今の位置まで昇りつめた。非常にそういった貪欲さや気持ちの強さを、プレーの端々から感じられ、それが打撃にも現れている。


(最後に)

 素材としての奥深さ、華のあるプレーということでは、吉川 尚輝(中京学院大)にはかなわない。しかし即プロの一軍レベルで対応できるという意味では、この 福田 周平 が一番ではないのだろうか。

 特に二遊間のポジションが定まっていないチームならば、ぜひ加えてみたい1人。1年目から、一気にレギュラーを獲得してしまう、そんな可能性も否定できない。高校生や大学生には感じられない、生命力溢れるプレーヤー、それがこの 福田 周平 なのだ。


蔵の評価:
☆☆ (中位指名級)


(2016年 都市対抗)