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大城 卓三(24歳・NTT西日本)捕手の最終寸評へ







 大城 卓三(23歳・NTT西日本)捕手 187/86 右/左 (東海大相模-東海大出身)
 




                      「今年は難しいかな」





 東海大3年生の時から、条件さえ出さなければ指名されるのではないかと言ってきた 大城 卓三。大学4年時には、春・秋のリーグ戦でも首位打者に輝き、捕手としても大きな欠点のない選手だった。果たしてあれから2年、今度こそ大城はプロ入りを実現できるのだろうか?


(ここに注目!)

 打てる捕手としての魅力と、社会人2年間の経験でプロでも即戦力になり得る選手なのかどうか見極めて欲しい。


(ディフェンス面)

 捕手としては、可も不可もなしといった感じで大きなアピールポイントもなければ、大きな欠点もない。187センチという大きな身体にも関わらず、身体を小さくまとめて的を大きく魅せる構えはいい。グラブを少し下げてしまう欠点はあるものの、ワンバウンド処理への反応などは悪くなく、それほど気にすることはなさそう。ボール自体の押し込みやキャッチングという部分では、特に可も不可もなし。ゴロの処理の際には、しっかり指示を出せることは捕手としては大事な要素。

 リードは基本的に両サイドに散らせ、相手の的を絞らせないことを重視。しかし相手が強打者だったりすると、危険を察して外角中心に痛打を浴びないように切り替える。普段は、結構内角の割合の多いリードをしているのだが。それなりに相手や状況をみながら、使い分けているように見える。

 スローイングは捕ってから投げるまでの動作に大きな破綻はなく、二塁までの到達タイムは1.9秒前後。むしろ大学時代は、コンスタントに1.8秒台で投げていた。それよりも、正確さを重視するようになったのかもしれない。地肩自体は、プロとしてはまさに平均レベルといった感じ。

 昨年の戸柱 恭孝(DeNA)に比べると、まだ攻守にそのレベルまでは到達していない。本格的にマスクを任されるようになったのは、昨年の日本選手権予選あたりから。そう考えるとまだ一年ぐらいは、プロで即戦力として期待できるようになるには必要かもしれない。





(打撃内容)

 都市対抗予選では、5試合で打率.133厘と守りに意識が行き過ぎたのか? 自慢の打撃が、陰を潜めている。都市対抗本選では、あわやセンターオーバーのホームランという当たりを放っており打席の内容は悪くなかった。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 前足を引いた左オープンスタンスで、グリップの高さは平均的。腰の座り・両目で前を見据える姿勢は良いが、全体のバランスとしては並ぐらいだろうか。

<仕掛け> 早すぎ

 投手の重心が沈み始める前から動き出すなど、「早すぎる仕掛け」に。それだけ確実性を重視しているのはわかるが、これだと投手が重心を下げ始める前であり、タイミングを狂わせることができてしまう。プロレベルならば、ここまで早い段階で動き出す選手は殆どいない。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を早めに引き上げて回し込み、ベース側に踏み込んで来るインステップを採用。始動~着地までの時間は充分あり、ボールを 線 で追える選手であり、打てるポイントは多い。そのため速球でも変化球でも、スピードの変化には対応しやすい。

 またベース側に踏み込んで来るように、外角を重視したスタイル。踏み込んだ足元はブレないので、外角の厳しい球や低めの球にも食らいつくことができる。気になるのは、左打者がインステップすると、どうしても右打者の食い込んでくる球筋に差し込まれやすく率が残り難い。できれば真っ直ぐからアウトステップに踏み出す方が、率は上がるだろう。

<リストワーク> 
☆☆☆☆ 4.0

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、リストワークに力みがないのは良いところ。しかし準備が遅れないように、その点は注意したい。バットの振り出しは、けしてインサイド・アウトではない。しかし外の球に対しては、ロスがなくしっかり叩ける形ができている。

 バットの先端であるヘッドが下がりが少ないので、広い面でボールを捉えている。そのため、打ち損じの少ないスイングだといえよう。最後まで、綺麗な軌道で振り抜けている。

<軸> 
☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げはあるものの、目線の上下動は少なめ。身体の開きは我慢でき、軸足も大きくは崩れない。調子の波も、比較的小さなタイプではないのだろうか。

(打撃のまとめ)

 インステップしたり、トップを作るのが遅れがちになるところは気になるが、さすがに首都で春・秋連続首位打者をとっただけに技術的にはしっかりしている。どうしても捕手というポジション柄、リードに力を注いで打撃にまで意識がいけていない気がする。しかし根本的な打力がないとか、技術に問題があるわけではない。


(最後に)

 来年は、打つ方でも結果を残す、そういった貪欲さが欲しい。その点先輩の戸柱は、意識が高かった。大城の打撃の潜在能力は戸柱以上なだけに、打てる捕手として存在感を示して欲しい。

 そういった意味では、指名されても不思議ではないところまでは来ているものの、今プロ入りの「旬」なのかと言われると、個人的には NO. なのではないかと思っている。あえてもう一年待って、文句なしの形でプロ入りを実現して欲しい。あえて今年は、
 をつけないことにする。


(2016年 都市対抗)