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石垣 雅海(中日)内野手のルーキー回顧






石垣 雅海(酒田南3年)遊撃 180/84 右/右 
 




                      「スイングが豪快」





 高校球界屈指のショートストップとして注目される 石垣 雅海 。残念ながら山形大会準決勝・鶴岡東戦では5回コールドで敗れてしまった。僅か3打席(1死球を含む)打席と、ショートにゴロは飛んで来ないという試合だったが、他の試合の動画なども参考にしながら、この選手の全容に近づければと思う。


(ここに注目!)

 大きな弧を描き、フォロースルーを使ったスイングから、空高く打球を飛ばす豪快なスイングに注目して頂きたい。

(守備・走塁面)

 残念ながらゴロの打球がなく、走力を測る機会がなくよくわからず。いかんせん見逃し三振・ライトフライ・死球の3打席だったので。夏の山形大会では、4試合で1盗塁。走力を全面に出すプレースタイルには見えなかった。実際の走力はよくわからないが、50メートル5秒9という身体能力だという。

 冒頭にも述べたように、まともにショートゴロが飛んで来なかったのでよくわからない。そのため動画を探していると、酒田南の試合前ノックの動画あったので、それを見ていた。ボールを身体の正面ではけして取らない選手であり、スナップの強さを活かしたダイナミックなプレーが売り。そのため送球に強さがあり、身体能力の高さは感じられる。しかし細かいプレーや安定感という意味では疑問も残り、将来的には三塁もしくは元々守っていた外野を守ることになるのではないのだろうか。





(打撃内容)

 この夏の山形大会の成績は、4試合 3本 10点 1盗塁 打率.625厘 。破れた鶴岡東戦は3打数0安打だったから、それまでがいかに凄まじかったか伺える。ホームランを放った映像も別に見たが、かなり豪快に打ち上げる感じの打球だった。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 スクエアスタンスで両足を揃え、グリップを高めに添えます。腰の据わりはよく、全体のバランス・両目で前を見据える姿勢などは並でしょうか。

<仕掛け> 平均的

 投手の重心が沈み込んだあたりで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。ある程度の確実性と長打力をバランスよく兼ね備えた、中距離・ポイントゲッターが多く採用するスタイル。本質的には生粋のスラッガーというよりも、山田哲人(ヤクルト)のように、強引引っ張る打球に特化して、長打を連発するツボを持った選手ではないかと考えられます。

<足の運び> 
☆☆☆ 3.0

 ベース側に立ち、足を引き上げて真っ直ぐ踏み込んできます。始動~着地までの時間はそこそこで、速球でも変化球でもそれなりに対応。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも幅広く対応したいタイプかと。

 踏み込んだ足元はインパクトの際にブレるので、引っ張りには適していますが、現状センターから右へという意識は薄そう。その辺きっちり外角にコントロールできるレベルの投手に対し、どの程度対応できるのかには疑問が残ります。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは早いのですが、少しグリップが身体の奥にまで入り込んでいるので、ヘッドの出が悪そうなのが気になります。ボールを捉えるまでは多少ロスは感じられるものの、インパクトの際にはヘッドは下がらず悲観するほど遠回りではありません。特にヘッドスピードが非常に速いので、そういったロスを感じさせないところが良いところ。

 スイングの弧が非常に大きく、フォロースルーの段階でもグリップが高い位置まで引き上がっており、打球を遠くに運びます。この豪快で力強いスイングは、全国の高校生でもなかなかいません。

<軸> 
☆☆☆ 3.0

 足の上げ下げはそれほど大きくないので、目線の上下動も少なめ。身体の開きは我慢できないのは気になりますが、その分引っ張りに特化しています。軸足の安定感・強さがそれほどでもないので、この辺は長距離打者と考えると物足りない部分ではあります。

(打撃のまとめ)

 まだ強い上半身の振りに対し、下半身がついていっていない印象は受けます。それでもこれだけバットを強く・大きく振れる選手はなかなかいないので、ドラフト候補として注目されているのは頷けます。

 ボールを捉えるセンスも、思ったほど悪くありません。技術的には粗いのですが、素材として脆いとか固いという感じの選手ではけしてありません。高いレベルで揉まれても、慣れれば充分対応するだけのポテンシャルを秘めているのではないのでしょうか。





(最後に)

 試合が5回で終わってしまっただけに、わからない部分も少なくありませんでした。他の試合の動画なども参考にしながら埋め合わせてますが、本質的にどのレベルかというのは、掴みきれていないのが現状です。しかし高校からプロに入る選手だというのは間違いないでしょうし、それだけの魅力は感じます。ショートの人材だと考えないのならば、非常に楽しみな強打者候補ではないのでしょうか。ドラフトでも3位前後の指名があっても不思議ではない、魅力あふれる素材でした。


蔵の評価:
☆☆ (中位指名級)


(2016年夏 山形大会)