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加藤 脩平(巨人)外野手の藁をも掴む!







加藤 脩平(巨人)外野手のルーキー回顧へ







加藤 脩平(磐田東3年)外野&投手 177/83 右/左 





                    「亀井義行(巨人)のような」





 スカウトが言うように、左打席から強烈な打球を繰り出す姿は、巨人にいる 亀井 義行 を彷彿させる中距離打者。最終学年のプレーは確認できなかったが、1年生の時からスタメンで出場。ソフトバンクに進んだ 齋藤 誠哉 や来年のドラフト候補と注目される 鈴木 博志(ヤマハ)の2歳下の世代だった。そのため当時から生で見たことがあったのかもしれないが、正直覚えてはいない。

(守備・走塁面)

 1年生の時に計測したタイムでは、一塁までの到達タイムは4.3秒台。左打者としてはけして早くないが、そこから2年経ちだいぶ変わっているかもしれない。当時から1年生離れした体で、打球も強烈だった。現在は売りにするほでどではないが、50メートル 6.0秒であり、それなりに俊足だという評価に収まっている。

 当時は、右翼手として出場。しかし観戦した試合では打球が飛ばす、守備力は正直よくわからない。最終学年では投手としても140キロ台のボールを投げていたということで、打球勘や守備力はわからないが強肩ではあるのだろう。一応、三拍子のバランスのとれた外野手という評価になっている。





(打撃内容)

 見た感じ、ツボにハマればスタンドインの長打力はあるものの、強烈な打球が野手の間を抜けてゆく中距離ヒッターというイメージが強い。さすがに1年生の頃に比べると、体つきや迫力が最終学年では磨きがかかっていた。残念ながら打撃フォームは、1年生の時のものを土台に、3年時との違いを見ながら考えてゆきたい。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 前の足を引いた左オープンスタンスで、グリップの高さは平均的。後ろ足に重心をかけて立っており、全体のバランス、両目で前を見据える姿勢などは平均的な選手ではないのだろうか。ただし打席での集中力、雰囲気は、1年生の頃から高い水準に到達していた。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が下る時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。1年生の時は「遅すぎる仕掛け」だったが、かなり早めに動き出す対応力を重視する打撃に最終学年では変わっていた。

<足の運び> 
☆☆★ 2.5

 早めに足を引き上げ回し込んで、真っ直ぐ踏み出しています。始動~着地までの「間」は取れるようになり、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応しやすいはず。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも捌きたい、コースににも幅広く対応する万能型か。

 気になるのは、踏み込んだ足元が早く地面から離れて踏ん張れないところ。こうなると壁が早く崩れるので、外角に逃げてゆく球や低めの球に食らいつくのが厳しくなる。そのため真ん中~内角寄りの球を、引っ張って巻き込む打撃が中心になり、そこしか打てない可能性があるのだ。その付近はツボになり、強烈な打球を生み出してはいるとは思うのだが・・・。

<リストワーク> 
☆☆☆ 3.0

 打撃の準備であるトップを作るのは自然体で、けしてボールを呼び込むまで立ち遅れてはいないし、力みも感じられない。ただしスイング軌道は、下級生の時の方が上からコンパクトにインサイド・アウトしていた印象で、内角よりの球を捌くには適した打ち方をしていた。

 最終学年のスイングを見ていると、遠心力を活かしたプロ仕様のスイングにはなっていた。しかし遠回りにバットが出て来るようになり、大きな弧を描いて振れるようになったものの、無駄な動きが増えているように思える。始動が早まった分、大きなアクションを追求してしまったのかもしれない。

<軸> 
☆☆☆ 3.0

 足を上げるようになり、下級生の時よりも目線の上下動が起きやすくなっている可能性がある。しかし問題はそれよりも、開きが我慢できないスイングだということ。軸足は相変わらず内モモの筋肉の強さが感じられ、強烈な打球を生み出す原動力になっている。

(打撃のまとめ)

 下級生の頃の方が、コンパクトかつ鋭くスイングできていたように見える。始動が早くなったことで、大きなアクションを可能にした分、打撃自体無駄な動きが増えたのではないのだろうか? 捉えた時の打球はより強烈になっている可能性は高いが、確実性が何処まで磨かれているのかには疑問が残る。


(最後に)

 最終学年のプレーは、一部動画で打撃フォームをチェックする程度のため、細かい部分はわからない。また守備・走塁に関しても参考にするものがなく、1年生の時のものでわかる部分のみを元に書いている。

 わからないことが多いのでハッキリしたことは言えないが、左の中距離タイプの強打者ということで、よほど守備・走力・打撃の何かで突出しないと埋もれてしまいやすい。彼の場合は、やはり強肩と打撃でいかに存在感を示すかではないのだろうか。他球団もマークしていた選手であり、8人指名した育成枠で2番目の指名。それなりに評価されての、プロ入りのようだ。三軍でみっちり鍛えられて、階段を上がってきて欲しい。


(2016年 静岡大会)