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森山 孔礼(ソフトバンク)内野手のルーキー回顧へ







森山 孔介(藤沢翔陵3年)遊撃 187/85 右/右 
 




                   「神奈川屈指の右の強打者」





 2016年度の神奈川高校球界では、右打者で一番と呼べるぐらいの強打者。まだ粗っぽいのですが、捉えた打球は見事です。高校通算27本塁打ということで、思ったほど多くないのは技術が粗いのためだと考えられます。


(ここに注目!)

 大きく足を引き上げ、ベース側に踏み込んできます。特に内角の球に自信があるのか? ベース側に立つのに特徴があります。

走塁面:
☆☆ 2.0

 一塁までの到達タイムは、右打席から4.6秒前後。これを左打者に換算しても、4.35秒前後とかなり遅い。そのため正直走力に関しては、ほとんど期待できません。高校レベルでの試合では結構走ってきますが、プロレベルで足を売りにすることはなさそうです。

守備面:
☆☆ 2.0

 上手くバウンドに合ったときの動きは、大型でダイナミックなものがあります。それでもショートに必要な一歩目の反応や、スピード感に欠けるところがあり、焦って送球を乱すことも少なくありません。将来的には、肩は強いので三塁か外野あたりに適性があると考えられます。


(打撃内容)

 最後の夏は、打率5割を超える活躍。三振も1個しかなく2本塁打を放つなど活躍しました。フォロースルーを生かして、広角にボールを遠くに運ぶことができます。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 前の足を軽く引いて、グリップを高めに添えます。腰の据わりや全体のバランスとしては並ですが、両眼でしっかり前を見据えられているところは良いところ。特に強打者としての、雰囲気を持っているところは買えます。

<仕掛け> 平均

 投手の重心が沈みきった時に動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。ある程度の確実性と長打力をバランスよく兼ね備えた中距離打者やポイントゲッターに多く観られる仕掛けです。仕掛けの観点からすれば、天性のスラッガーではなさそうです。

 それでも昨年までは、始動が極端に遅すぎたことを考えると、始動を早めることで打撃に幅が出てきました。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を大きく引き上げて、ベース側に踏み込んできます。始動~着地までの間はそこそこで、速球でも変化球でもそれなりに対応。特に足を大きく上げることに重点が置かれているので、それほどタイミングを図って踏み込んでいるわけではなさそう。

 ベース側に踏み込むように、外角を意識していることがわかります。ベース側に立つのは、内角の捌きに自信があるというよりも、相手に投げさせないためではないのでしょうか。踏み込んだ足元は、インパクトの際にもなんとかブレずに我慢。そのため開きを我慢して、外角へ逃げてゆく球や低めの球にもそれなりに対応できます。

<リストワーク> 
☆☆★ 2.5

 打撃の準備であるトップの形を作るのは自然体で、ボールを呼び込む際に力みはありません。ただしトップを作るのが少し遅れるときがあるので、立ち遅れるないように注意したい。

 バットの振り出しは、グリップが下がって少し遠回りに出てくるのでロスを感じます。それでもバットの先端であるヘッドまでは下がらないので、ドアスイングというほどではありません。ボールを捉えてからのスイングの弧の大きさ、フォロースルーを生かしたスイングで、ボールを遠くに運ぶことができています。

<軸> 
☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げはあるものの、それほど目線の上下動は大きくありません。身体の開きもなんとか我慢でき、軸足にも強さを感じます。打球の強さや飛距離との相関関係がある筋力は、この軸足の内モモの筋肉になります。強打者にとって、ここの筋肉が強いかどうかは死活問題になります。

(打撃のまとめ)

 ボールを捉えるセンスや技術には課題を感じますが、捉えてからの打球は見事なものがあります。あとは、もう少し動作全体に鋭さやキレが出て来ると良いのですが。

(最後に)

 守備・走塁ではやや見劣りしますし、打撃の確実性という疑問の部分も。しかし右の飛距離が期待できる強打者だという希少価値もあり、育成あたりならば指名があっても不思議ではありません。
 
 身体が大きく強いので、鍛えがいのある選手。こういう選手を、一人前に仕立てあげるのが好きな球団もありそうです。逆にアマに残ると、確実性の部分で結果が残せず埋もれてしまう危険性も感じます。話があれば、迷うことなくプロに進むべきではないのでしょうか。もし指名漏れした場合は、個性を重視してくれる環境に進まれることをオススメします。個人的には育成ならばアリだとは思いますが、☆ をつけるほどの力はまだないと判断しました。


(2016年夏 神奈川大会)





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