16ky-20
松尾 大河(DeNA)内野手の藁をも掴むへ
松尾 大河(DeNA)内野手のルーキー回顧へ
松尾 大河(秀岳館3年)遊撃 174/73 右/右 |
「2番打者だけれども」 タレント揃いの秀岳館の中では、2番・遊撃手と地味な役どころ。しかし送りバントをしてこない秀岳館の中では、何をしでかすかわからない不気味さが漂う。それを実現するだけの、確かな技術と感性に裏打ちされた選手なのだ。 (ここに注目!) 走攻守すべてに、実戦的なプレーが目立つ好選手。何がすごいというよりは、すべての部分でゲームメイクできる試合勘の良さこそが、この選手の最大の魅力ではないのだろうか。 走塁面:☆☆☆★ 3.5 一塁までの塁間を、右打席から4.3秒前後で走り抜けます。これを左打者に換算すると、4.05秒前後ということでプロレベルでも中の上レベルぐらい。けして図抜けてはいませんが、相手の隙を突く実戦的は走塁が持ち味。夏の熊本予選では、5試合で6盗塁と積極的に走っている。 守備面:☆☆☆☆ 4.0 打球への一歩目の反応鋭く、捕ってから素早く送球できるスピード感がある。地肩も基準以上であり、プロレベルに混ぜてもニ遊間で勝負して行ける守備力が、この選手の1番優れたところ。 守備・走塁に関しては、プロの基準を満たす能力があります。特に何処でも守れる融通性があり、ユーティリティープレーヤーとして重宝される可能性があります。 (打撃内容) 右に左へとはじき返す、実戦的な打撃が持ち味。夏の熊本大会、甲子園、U-18のアジア選手権、すべてで4割台を記録するなど、安定感があり、仕事を安心して任せられる首脳陣としては使い勝手が良い選手。 <構え> ☆☆ 2.0 前足を軽く引いて、バットを余しグリップを高めに添えて構えます。背中を少し反りながら、両眼での前の見据えるや全体のバランスとしてはイマイチで、少し癖のある構えだと言えるでしょう。 <仕掛け> 早め 投手が重心を下げている途中から動き出す「早めの仕掛け」を採用。これは、速球でも変化球でも、幅広く対応しやすいアベレージヒッターに多く観られる仕掛けです。まさに彼のプレースタイルには、合致しているのではないのでしょうか。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を大きく引き上げて、ベース側にインステップして踏み込んできます。始動~着地までの間は充分あるのですが、変化に応じて踏み込むをあわせるというよりも、大きく足を引き上げ降ろすということの方に重点が置かれているのかもしれません。 ベース側に踏み込むように、外角を意識したスタイル。踏み込んだ足元もインパクトの際にブレないので、開きを我慢して外角の厳しい球や低めの球にも食らいつくことができます。 <リストワーク> ☆☆☆ 3.0 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、ボールを呼び込む際に力みは感じられません。そのため、柔らかくリストを使うことはできています。バッとの振り出しは、インパクトまで少し遠回り。それでもバッとの先端であるヘッドまでは下がらないので、広い面でボールを捉えられます。タイミングさえあえば、打ち損じの少ないスイングだと言えるでしょう。 物凄くボールを捉えるのが非凡だとか、ヘッドスピードが鋭いとか、眼が良いとか、そういった特殊なものは感じられません。この辺が、プロレベルに混ぜたときに特徴を見出だせるかが心配です。 <軸> ☆☆☆ 3.0 足の上げ下げはあるので、目線は結構上下に動いています。しかし身体の動きの中でボールを捉えてくるタイプなので、アクションが大きいのはあまり気にしない方が良いかもしれません。そこを無くしてしまうと、ボールを捕まえる感性を損なってしまう危険性を感じます。 身体の開きは我慢できており、軸足も適度に安定しています。そのため目線は結構動いていても、要所はしっかり抑えている感じがします。 (打撃のまとめ) 天性の野球勘の良さがあり、そこを活かしたタイプ。技術云々とか、あまり形にこだわる必要はないのではないのでしょうか。この辺は、秀岳館らしい指導だと思います。とくに何がすごいというものはありませんが、ゲームに入れてみるとそれなりにやってしまうところが、こういった選手の良さだと思うので。 (最後に) とりあえずニ遊間をプロでも担える守備力があるということ、そして走力、打撃でも実戦的なプレーができるという部分では一定の評価をしても良いのではないのでしょうか。こういったつなぎや曲者的な選手を、チームに加えてみたいと思う球団には向いていると思います。非常に地味で大学タイプかなと思える部分もあるのですが、ちょっと面白い感性を持っているので、個人的には高校からのプロ入りもありではないかと思います。右打ちですし、下位指名~育成あたりでの需要は充分ありそうです。 蔵の評価:☆ (下位指名級) (2016年夏 U-18アジア選手権) |