16ky-18
岡崎 大輔(花咲徳栄3年)遊撃 182/75 右/左 |
「あまり良さがわからないが」 柔らかいハンドリングを活かした守備と、リストワークを魅せる 岡崎 大輔 。 筋の良さは感じられるものの、いまいち私にはピンと来ない。一体どこが、スカウト達を惹きつけるのか考えてみた。 (ここに注目!) 冒頭にも書いたように、すべてに柔らかさを感じさせる身のこなしに注目。その半面、強さというものがまだ物足りなく大学進学タイプにも見えてくる。 走塁面:☆☆☆☆ 4.0 一塁までの塁間は、左打席から4.0秒前後で到達するプロでも俊足レベル。積極的に盗塁を仕掛けてくるだけでなく、相手の隙をつく走塁、セーフティバントでも相手を揺さぶって来るなど実戦的。プロで足を売りにできるほどかは微妙だが、足を生かすプレーを熟知している。 守備面:☆☆☆☆ 4.0 打球への反応、フットワーク、スローイングまでの一連の流れの良さからセンスを感じる。テイクバックが小さめで長い距離の送球はどうかという不安はあったが、夏の埼玉大会で三遊間を抜けそうな打球をダイビングキャッチ。深いところから見事にアウトにするなど、地肩の強さ、送球の狂いの無さを見せてくれた。将来的には、プロでも遊撃守備を売りに存在感を示して行ける可能性を秘めている。 (打撃内容) 柔らかいリストワークを活かした、ハンドリングに優れた打撃が自慢。強打者というよりは、綺麗に打ち返す好打者タイプ。 <構え> ☆☆☆ 3.0 前の足を引いた左オープンスタンスで、グリップは高めに添えます。背筋を伸ばし全体のバランスとしては並ですが、両眼で前をしっかり見据えられています。ただしボールを呼びこむ際にあえてやっているのかわかりませんが、片目でボールを見ている感じで、錯覚を起こさず的確に球筋を捉えるという意味では疑問が残ります。 <仕掛け> 早め~平均的 投手の重心が下がり切るちょっと前~底のあたりで動き出す、「早め」~「平均的な仕掛け」の中間ぐらいで動き出す始動です。これは、アベレージ打者~中距離打者の中間ぐらいに位置しますが、打撃スタイルを観る限りアベレージヒッターに近いタイプでしょう。 <下半身> ☆☆☆★ 3.5 足を地面からあまり引き上げず、まわしこんでベース側に踏み込んできます。始動~着地までの間はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。ベース側に踏み込むことからも、外角に意識があるのがわかります。 踏み込んだ足元はインパクトの際にブレないので、外に逃げてゆく球や低めの厳しい球にも食いついてゆくことができます。気になるのは左の好打者タイプでありながら、インステップして踏み込むので、右投手の内角に食い込んで来る球に差し込まれやすいことと、最初の一歩目が遅れて自慢の足を活かせないところでしょうか。 <リストワーク> ☆☆☆ 3.0 打撃の準備である「トップ」の形を作るのが遅れがちで、速い球に立ち遅れやすいのが気になります。バットの振り出しもインサイド・アウトではなく、外の球をロスなく叩くことを重視しています。バットの先端であるヘッドが下がらないので、広い面でボールを捉えることはできています。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げが小さいので、目線の上下動は少なめ。また身体開きも我慢できていますが、軸足の内モモの筋肉が弱いせいか? まだスイングや打球に、強さ・鋭さが物足りません。 (打撃のまとめ) 昨夏の甲子園では、打率.462厘。この夏の埼玉大会でも、423厘と結果を残しています。しかし選抜では、ノーヒット。この夏の甲子園でも、3試合で.250厘と全国の舞台で物足りないのが気になります。 そういった意味では、やはりスイングの強さ、打球の速さなどに物足りなく、柔らかいものの図抜けてミートセンスが高いようにも感じられません。そのため、打撃での未来像が描けないのがどうにも気になります。 (最後に) 守備、走塁に関しては、今すぐファームに混ぜてもそこそこやれそう。しかし打撃に関しては、プロの球威・球速に対応するのには時間がかかりそう。更に将来的に打撃が充分通用するレベルにまでなるのかには疑問が残ります。個人的には大学進学タイプかと思っていますが、プロ側の評価は高くドラフトで指名される可能性は高そうです。果たして彼の将来が、どうなってゆくのか楽しみです。 (2016年夏 甲子園) |