16kp-31


 








関根 智輝(都立城東3年)投手 182/79 右/右 
 




 「ボーダーレベルかな」





 今年の東京でもプロを意識できるという意味では、屈指の右腕でもある 関根 智輝 。夏の大会に入ったところで体調を崩したが、なんとか終盤戦の大事な舞台には間に合った。まだまだ荒削りだが、素材としての可能性を示すことができた。


(ここに注目!)

ボールに球威があり、厚みを感じさせる速球の威力には注目して頂きたい。


(投球内容)

 ランナーがいなくても、セットポジションから投げ込んできます。生では、東海大高輪戦を。また破れた関東一高戦の模様も、確認してみた。

ストレート 常時135~MAX88マイル・142キロ 
☆☆★ 2.5

 けして球質が良いとは思わないのですが、ある程度の球威を感じさせる力のあるボールを投げ込んできます。フォームのせいなのか?意識的なのかわかりませんが、ボールが結構動いたりして綺麗な回転ではありません。またそのボールをあまりうまく制御できてはおらず、ストライクゾーンの枠の中に投げ込む、そういった投球に終始してます。

変化球 カーブ・スライダー・チェンジアップ? 
☆☆ 2.0

 緩いカーブが決まらないと、投球をうまく組み立てられないのだという。その他に横滑りするスライダー、それに何やらチェンジアップ系の球もあるようにも見えるが、それほど大きなウエートは占めていない。

 相手の目先をかわしたり、カウントを整えるという意味では使える変化球だが、相手を仕留めるようなキレや精度の高さは持ちあわせていない。高めに浮いた変化球を、打たれることも少なくない。

その他

 牽制はそれなり鋭いが、走者が刺されるという見極めの難しさはない。クィックは、1.15秒前後と並で、フィールディングも平均レベルではないのだろうか。プレーを見ていても物凄く運動能力に優れるとか、野球センスに秀でているという感じはして来ない。

(投球のまとめ)

 コントロールが滅茶苦茶とかそういうこともなく、ボールにも適度な強さは感じられる。そのためプロの環境や指導者次第では大きく伸びるかもしれないという考えもできるが、現状これといった決め手には欠ける気がする。これから、どういった特徴を見出だせるかにかかっている。





(投球フォーム)

将来的に、どんな可能性があるのか、フォームを分析して考えてみたい。

<広がる可能性> 
☆☆☆★ 3.5

 お尻が一塁側に落とせるフォームなので、身体を捻り出すスペースは確保できている。そのためカーブで緩急を利かしたり、フォークのような鋭く落ちる球を投げるのには無理がない。

 しかし「着地」までの粘りは並で、身体を捻り出す時間が充分とはいえない。キレがあったり、曲がりのある変化球を身につけるためには、「着地」までの粘りを確保できるかが重要になる。

<ボールの支配> 
☆☆☆ 3.0

 グラブは内に抱えられ、両サイドの投げ分けは安定しやすいはず。しかし実際には、それほど両サイドの投げ分けもアバウト。足の甲での地面への押し付けが浮いてしまっており、力を入れるとボールが上吊りやすい。しかし比較的前でボールを放せており、ある程度指先の感覚でストラクゾーンには集めることはできるのかもしれない。

<故障のリスク> 
☆☆★ 2.5

 お尻が落とせるフォームなので、カーブやフォークといった球種を投げても無理がありません。そういった意味では、肘への負担は少ないのではないのでしょうか。

 しかしボールを上から叩くことを強く意識しているので、ボールを持っている肩が上がり、グラブを抱えている肩が極端に下がっています。そのため腕の送り出しには無理が生じやすく、肩への負担は少なくありません。それほど力投派ではないので消耗が激しいとは思いませんが、故障には充分注意したいところ。

<実戦的な術> 
☆☆☆ 3.0

 「着地」までの粘りは平均的で、打者としては合わせやすいわけでも、特別苦になるわけでもありません。身体の「開き」も若干早めに見えるので、この辺もう少しボールを隠せるようになると、コースを間違わなければ討ち取れるようになるとは思います。

 腕は強く振れているので、速球と変化球の見極めは困難。足の甲では地面を捉えていないものの、体重が乗るまでリリースを我慢できており、体重を乗せることはできています。そのため、打者の手元までの球の力は感じます。

(フォームのまとめ)

 投球フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、若干「開き」と「着地」に改善の余地は残しますが悪くはありません。足の甲の押し付けが浮いてしまってボールが上吊りやすいのと、腕の送り出しに無理があり肩への負担が大きいのはマイナス要素。

 しかしお尻が一塁側に落とせる貴重なフォームなので、「着地」までの粘りさえできれば、ピッチングの幅をまだまだ広げてゆくことは可能ではないかと考えます。


(最後に)

 現状伸び悩む要素も多く、将来性を秘めていても獲得の「旬」であるのか?という疑問も残ります。まずは、本格的な環境で身体の「キレ」・「鋭さ」を意識して野球に取り組むべきではないのでしょうか。

 プロ志望届けを提出すれば、育成枠あたりで指名して来る球団もあるかもしれません。しかし私ならば、今の段階では指名しないと思います。そのへんは、各球団の考え方次第ではないのでしょうか。


(2016年 東東京大会)