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才木 浩人(須磨翔風3年)投手 187/79 右/右 |
「兵庫で1番気になっていた選手」 2016年度の兵庫は、まさに投手の当たり年だと言われている。そんな兵庫の有力投手をまとめた動画を昨年見たのだが、その時にこの 才木 浩人 が最も気になる存在として頭に残っていた。一冬超えて、やはり兵庫で最もスカウトの注目を集めるようになったのは、この男だった。 (投球内容) 非常にゆったりとしたモーションから、テイクバックを小さめにとりながら、グラブを持った腕を小さくたたんでで投げ込んできます。 ストレート 130キロ台後半~MAX146キロ ☆☆☆★ 3.5 ゆったりした入りながらも、腕の振りが鋭くフォームにメリハリがあるのは良いところ。普段は140キロ台前後ぐらいと驚くほどではないのですが、力を入れて投げ込んだ時の速球には思わず見逃してしまう威力があります。現状は、細かいコースの投げ分けはなく、ストライクゾーンの枠の中に投げ込んで来るという感じで、力を入れた時は高めに勢いのある球がゆきます。それでもこの夏の投げた13イニングで四死球は1個ということで、自滅するような危うさはありません。 変化球 スライダー、カーブ・フォーク など ☆☆★ 2.5 変化球は、曲がりながら落ちるスライダーとのコンビネーション。他に緩いカーブやフォークもあるらしいのだが、私が見た映像の中ではよくわからかった。スライダーでは確実にカウントは稼げていたものの頼れる変化球はこれだけで、この球も打者を仕留めるといったほどのキレはない。投球のほとんどが速球とスライダーとのコンビネーションなので単調に陥りやすく、イニングが進むにつれて相手に馴れられてしまう。 その他 クィックは、1.1秒前後とまずまず。牽制やフィールディングは、正直よくわからなかった。しかし野球センスや運動神経の良さで勝負するというよりは、恵まれた肉体の資質に恵まれたタイプといった感じ。 (投球のまとめ) 勝負どころでのストレートには見るべきものはあるものの、まだ強豪校を抑えこむだけの圧倒的な球威、投球術・変化球など総合力には欠ける。 まだ細身であり、肉体の上積みが大いに望めそうという素材としての魅力があるの確か。長身で手足の長い体型でもあり、何か化けるのではという雰囲気は持っている。 (投球フォーム) 今度はフォームを分析してみて、その将来像を考えてみたい。 <広がる可能性> ☆☆ 2.0 引き上げた足を地面に向けて伸ばすため、お尻は一塁側に落とせません。したがって身体を捻り出すスペースが確保できず、カーブで緩急をつけたり、フォークといった縦に鋭く落ちる球種の修得には無理が生じます。 「着地」までの粘りは平均的で、身体を捻り出す時間は並。どうしてもこなると、キレがあったり曲がりの大きな変化球の修得が難しく、武器になる球が中々見出だせない可能性があります。そのためツーシーム、カットボール・スプリットなど、球速のある小さな変化でピッチングの幅を広げてゆくことになりそう。 <ボールの支配> ☆☆★ 2.5 グラブは最後まで身体の近くにあり、両サイドの投げ分けはソコソコ。しかし足の甲での地面への押し付けは浅く、力を入れて投げるとボールが高めに集まりやすい。ボールに勢いがあるので、これが返って空振りを誘う要因もあるのだが。「球持ち」も平均的で大きく制球を乱すタイプではないと思いますが、細かいコントロールはなさそう。 <故障のリスク> ☆☆ 2.0 お尻が落とせないフォームの割に、持ち球にカーブやフォークがあるのは気になります。それでもその頻度が少ないので、肘への負担はそこまで悲観することはないでしょう。 むしろ心配なのは、腕の送り出しの方。グラブを持っている肩は下がり、ボールを持っている肩は上がっているなど、かなり無理して角度をつけて投げている感じがします。ある程度の球数を投げると、肩への負担・j疲労の蓄積は大きくなると考えられます。将来的に、大きな故障に繋がなけれよいのですが。 <実戦的な術> ☆☆☆☆ 4.0 「着地」までの粘りはそこそこで、特に合わせやすいというフォームでもないと思います。また身体の「開き」も抑えられており、コントロールを間違わなければ痛手は食らい難いのかと。破れた報徳学園戦では、8回を投げて11安打。これは、フォームの問題というよりも、スライダーとの単調なコンビネーションと、コントロールの甘さに原因があったのではないのでしょうか。 振り下ろした腕は身体に絡むように、速球と変化球の見極めは困難。ボールにも適度に体重が乗せられており、打者の手元まで生きた球が投げられるところは良いところ。 (フォームのまとめ) 投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では大きな欠点はなく、思ったより下半身は使えており「体重移動」ができていたのは収穫。 気になる材料は、故障のリスクが高いフォームだということ。そして足の甲の押し付けが甘いなど、ボールが上吊りやすいことなどがあげられます。 (最後に) お尻の落としからも、将来的に単調なピッチングスタイルを改善して行けるのかという不安。故障のリスクが高く、負荷をかけたときに何処まで身体が耐えられるのかという心配があります。その辺が、高い将来性を秘めていても、伸び悩むリスクが高い素材だと考えます。 それでも身体ができていない現段階で、これだけのボール・投球ができているとなると、180センチ台後半の体格と手足の長い体型からも、スカウトが興味を惹かれる理由も頷けます。個人的に直で観て確認したわけではないので評価づけできませんが、ドラフトでは3位~5位ぐらいには指名されるのではないかと考えます。プロ志望の選手だということで、本会議中に名前が呼ばれるのではないのでしょうか。 (2016年夏 兵庫大会) |