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長井 良太(広島)投手のルーキー回顧へ







長井 良太(つくば秀英3年)投手 183/81 右/右 
 




                    「指名されそうだね」





 残念ながらその投球を実際確認できなかったが、映像を見る限り指名されそうなボールを投げている 長井 良太 。 観戦したスカウトの中でも、具体的な順位を示すスカウトもいたほど。秋のドラフト会議では、中位ぐらいで指名されそうな勢いがある。


(ここに注目!)

 まだ細かいことができる感じではないが、140キロ台を割らないスピード能力は今年の高校生でもトップクラスの馬力。力強い速球の威力に、ぜひ注目して頂きたい。

(投球内容)

 実際に試合を見ていたわけではないので、僅かな映像を元に参考させていただく。 身体に力があり、柔軟性よりも馬力で押してくる投球に見える。

ストレート 常時140キロ台~MAX146キロ

 球威と勢いを感じさせる、厚みのあるボールを投げ込んでくる。球速も140キロ台を割って来ないだけのスピード能力があり、
速い球では140キロ台中盤を記録する。細かいコースの投げ分けがあるようには見えないが、この夏の2試合・14イニングでは、3四死球だけにストライクゾーンには安定して集められるだけのまとまりはありそう。

変化球 スライダー、フォークなど

 横滑りするスライダーとのコンビネーションで、この球にはキレがある。他にもカーブやフォークなども持ち球であるようだが、確認することはできなかった。このスライダーと速球のコンビネーションで、イニング数を上回る奪三振を奪えている。

(投球のまとめ)

 この夏の2試合の成績は、14回 11安打 3四死球 18三振 自責点4 とのこと。被安打率が若干高い(78.6%)なのは、速球とスライダーという単調に陥りやすい配球のせいだろうか? 奪三振はイニングを遥かに上回るほどではあるが、伸びやキレといった空振りを誘うというよりも、球威と勢いで詰まらせるタイプのように見える。

 細かい駆け引き、繊細なコントロールはなさそうなものの、力のある球をグイグイと投げ込んでくる。また今後更にパワーアップを遂げて行きそうな身体の強さを持っているので、近い将来150キロ級のボールを投げ込んでも全然不思議ではない。そういった上積みが期待できそうなところが、この選手の最大の魅力。





(投球フォーム)

 数球しか確認できていないので、実際どんな投手なのか? 充分つかめていない。そのためフォームを分析して、その将来像に近づいてみたい。

<広がる可能性> 
☆☆☆ 3.0

 引き上げた足は地面に向けて伸びしており、お尻の一塁側への落としは甘さが感じられる。身体を捻り出すスペースという意味ではやや窮屈で、カーブで緩急を利かしたり、フォークのような縦に鋭く落ちる球種はどうだろうか?

 「着地」までの粘りはそれなりで、身体を捻り出す時間は適度に確保。カーブやフォークといった球種以外ならば、好い変化球を修得したりピッチングの幅を広げてゆくことも期待できそう。

<ボールの支配> 
☆☆☆★ 3.5

 グラブは最後まで身体の近くにあるものの、最後後ろに解けてしまい後ろに流れてしまっている。そのため外に逃げようとする遠心力に軸が揺さぶられ、両サイドを中心にコントロールがブレやすい。しかし足の甲は地面を押し付けられており、浮き上がろうとする力は抑えられている。そういった意味では、高めにはそれほどボールは上吊らないのではないのだろうか。

 ボール比較的前で放せており、思ったよりも「球持ち」は悪く無い。そういった意味では、将来的に速球派でもコントロールに苦しむというタイプではなさそう。

<故障のリスク> 
☆☆ 2.0

 お尻が落とせない割にカーブやフォークも投げているということで、肘への負担は気になるところ。こういった球をどのぐらいの頻度で投げているかはわからないだけに、負担が大きいかは言いがたい。

 それ以上に気になるのが、腕の送り出しには多少無理が感じられるところ。ボールを持っている肩が上がり、グラブを持っている肩が下がるなど、肩への負担が大きいのが気になる材料ではある。

<実戦的な術> 
☆☆☆☆ 4.0

 「着地」までの粘りも悪くないので、打者としては合わせやすくはなさそう。更に身体の「開き」も我慢でき、甘く入らなければ痛打を浴びる可能性は低いだろう。あとは球種を増やし、的を絞らせないことができれば大丈夫なのでは?

 腕を強く振れており、投げ終わったあとしっかり絡んでくる。ボールにもしっかり体重を乗せてからリリースできており、打者の手元まで勢いと球威の落ちないボールが投げられている。

(フォームのまとめ)

 フォームの4大要素である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、いずれも大きな欠点がなく、素材型の域では片付けられない。それだけに更に球威・球速を増して来ると、非常に楽しみな投手ではないのだろうか。

 心配な点では、グラブの抱えが甘いので細かいコントロールがつけ難いこと。そして故障の可能性が高い負荷の大きなフォームをしていること。リリーフあたりで活躍するような起用法だと、いずれ大きな故障に見舞われるのではないかという不安は残る。


(最後に)

 一部の映像とフォームを見る限り、けしてただの速いだけの投手ではないのだろう。まだ細かいことはできなそうだが、適度なコントロールもあり、スライダーのキレも悪く無い。そういった意味では肉体の上積みが見込めれば、それが素直に結果に反映されやすいタイプではないかと。

 2,3年後には大化けしている可能性も充分あり、中位指名ならばと評価される理由は充分頷ける。実際見ていないだけに評価づけはできないが、指名されたら期待を託したくなるような大器ではないのだろうか。プロ入り後には、ぜひ生で観てみたい。


(2016年夏 茨城大会)