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森下 翔平(東海大3年)三塁 180/83 右/右 (東海大相模出身) |
「大学球界を代表する右打者」 神宮大会関東代表決定戦・横浜市長杯や神宮大会本戦でも、その打力を遺憾なく魅せつけた 森下 翔平 。2016年度の大学球界を代表する、右の強打者だと言える。今回は、そんなスター候補をクローズアップしてみたい。 (守備・走塁面) 三塁手としては、打球への反応鋭く、動きの良さが目立ちます。地肩も基準以上であり、守備で足を引っ張るといったそういったことは少なかろうかと。特にとっさの判断力に優れており、三塁手としては一番求められる資質を持っています。 今回のチェックでは、正確な塁間タイムは計測できず。しかし強打者タイプではあるが、けして動けないタイプではない。恐らく基準レベル前後の脚力はありそうだし、相手のミスに「乗じては次の塁を狙う姿勢は忘れない。上のレベルで足を売りにすることはないと思うが、足を引っ張ることはなさそう。 (打撃内容) 基本的にバットが内から出てくるタイプではないので、ちょっとポイントが後ろの右中間への打球が伸びるタイプ。オーバーフェンスすることもあるが、外野手の頭や間を超える中距離タイプの打者なのではないのだろうか。 <構え> ☆☆☆ 前の足を少しだけ引いて、グリップの高さは平均的。腰の据わり・全体のバランスとしては並だが、両目で前を見据えられている。 <仕掛け> 遅すぎる仕掛け 投手の重心が沈むときにベース側につま先立ち。本格的に動き出すのは、リリース直前という「遅すぎる仕掛け」を採用。これだと日本人の筋力・ヘッドスピードを考えると、プロレベルのの投手への対応は厳しくなる。将来的には、幾分始動を早める方が良いだろう。 <足の運び> ☆☆☆ 足を小さくステップさせて、真っ直ぐ踏み込んで来る。始動~着地までの時間に余裕がないので、どうしても 点 の打撃になる。そのため瞬時に、読みと違う球が来ると対応しずらい。あらかじめ狙い球を絞り、その球を逃さない鋭さが求められる。 真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも幅広く対応したいタイプ。踏み込んだ足元は、なんとかこらえることができ、右方向への打撃を可能にしている。 <リストワーク> ☆☆ 打撃の準備である「トップ」を形を作るまでに時間の余裕がなく、どうして慌ただしくなって準備に余裕がない。バットの振り出しも、バットが遠回りに出てくるタイプなので、内角の捌きは窮屈になりがち。うまく内を開ければ引っ張って長打も期待できるが、急に内角に投げられると詰まらせる場面が目立つ。 外の球に対しても、少しポイントが遅れ気味。それを活かして、右方向への打球が伸びるのが特徴。ボールを捉える時は、バットの先端であるヘッドはそれほど下がっていない。そのため広い面で、ボールを捉えることができている。 それほどスイングの弧が大きいとか、フォロースルーが使えるタイプではないので、本質的には野手の間を抜けてゆくタイプの強打者ではないのだろうか。パワフルではあるが、図抜けてヘッドスピードなどが鋭いわけでも、打球をうまく運べるわけでもない。 <軸> ☆☆☆ 足の上げ下げは小さいので、目線はあまり上下動はしない。体の開きも我慢できており、軸足の内モモの筋力の強さも感じられる。そのため打球が伸びたり、強い打球が飛ばせるのだろう。ただしステップの幅が狭いのか? 打ち終わったあとバランスを崩し、軸足が崩れていることが多い。 (最後に) 首都リーグというレベルの高いリーグで、3年春には首位打者を獲得。秋は、全国レベルの大会で結果を残し存在感を示しました。強打者の三塁ということでは、右の森下翔平 左の松本桃太郎(仙台大) といった様相は現在しています。 しかしプロに混ぜてしまうと、中途半端な位置づけに陥りやすいタイプで、どうやって特徴を出して行けるかが課題でしょう。生粋のスラッガーでもなければ、ニ遊間を担ってゆくような守備力・走力はない。どうやって自分の特徴を、スカウトに印象づけて行けるかが、この1年の課題ではないのでしょうか。良い選手ではありますが、指名されるかはボーダーレベルの選手かという印象を受けています。 (2015年秋 神宮大会) |