16dy-20
張 奕(日本経済大4年)外野 181/78 右/右 (福岡第一出身) |
「顔も陽岱鋼(日ハム)にそっくり」 従兄弟は、あの 陽岱鋼(日ハム)で、その顔つきも良く似ている。福岡第一の3年夏には、チームを県大会決勝まで導く中心選手。背番号9を付けながら、マウンドに上がることも多かった。惜しくも甲子園は逃したが、投打の柱としてチームを引っ張った。 (ここに注目!) 大学4年春までの通算本塁打は2本だったものの、ラストシーズンに4本塁打を放つなど、最後の最後で何かを掴んだ感じがする。高いポテンシャルが、今開花する瞬間を見逃すな。 (守備・走塁面) 一塁までの到達タイムは、右打席から4.1秒前後(左打者換算で3.85秒前後に相当)するなど、プロでもトップクラス。しかし4年間の盗塁成績を見てみると、1シーズン3,4個のことが多く、それほど走塁技術は高くないのかもしれない。こういった選手は、プロの環境に入り自分のが生き残る術として走塁と向き合った時に、大きくその才能を開花させる可能性が高い。 残念ながら高校時代の映像も見てみたが、あまり打球が飛ばず守備力よくわからず。投手としてのフィールディングなどを見ていると、守備には自信がないのかという印象は受けた。投手としても当時から130~中盤ぐらいは連発しており、地肩自体はかなり強いことは想像できる。 現状何処まで守備・走力の技量が高まっているのかはわからないが、身体能力の高さはピカイチも、技術が伴っているのかは微妙。逆にそういった部分が荒削りだからこその、育成枠での評価なのかもしれない。 (打撃内容) 元々構えた時に背中を反るカブレラスタイルで、背筋の強さには自信があるのだろう。捉えた時の飛距離は出るが、天性のスラッガーというよりは体感の強さで飛ばすタイプ。その辺は、陽岱鋼 をイメージすると近いだろう。問題は、地方リーグでも3割行くかゆかないかのシーズンばかりで、確実性の低さにある。 <構え> ☆☆☆☆ 4.0 前の足をしっかり引いた右オープンスタンスで、グリップは下げて力まないことを心がける。背すじをしっかり伸ばすのは高校時代から変わらずで、全体的に足を開くことでバランスがとれ、両眼でしっかり前が見据えられるようになってきた。 <仕掛け> 早め 投手の重心が下がり始める時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。高校時代は「平均的な仕掛け」だったのに比べると、より早く動き出すことで、確実性を増そうとしているのがわかる。 <足の運び> ☆☆☆☆ 4.0 以前より早めに動き出したのは、より足をしっかり引き上げて強く踏み込むためだろうか。始動~着地までの「間」は取れているので、速球でも変化球でも対応しやすいはず。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも捌きたいタイプ。踏み込んだ足元もブレないで、最後までしっかり足の爪先が閉じられている。これにより外角逃げる球や、低めの球にも食らいつける。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 早めに打撃の準備であるトップの形をつくり、速い球に立ち後れないようにしている。バットの振り出し、スイング軌道は少し外回りでロスは感じるが。それでもインパクトの際にボールをしっかり押し込めるようななって力を集約できるようになってきた。このコツを掴んだのか? この秋は、ホームランを連発するようになってきた。 けして大きなスイングの弧を描いたり、フォロースルーを生かしてボールを運ぶタイプではない。体感の強さとインパクトの力の集約で、ボールに強烈な衝撃を与えている。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げの割に、目線の上下動は少なめ。身体の開きは我慢でき、軸足にも安定感と強さを感じます。この軸の安定は、高校時代から優れたものがあり、その良さは今も損なわれていませんでした。 (打撃のまとめ) 高校時代は、なんだか出たとこ勝負みたいなスイングをしていた。しかし今は、早めに準備を進め、ボールを迎え入れる体制ができているところが成長の証。高い資質に、少しずつ技術が加わってきた印象です。 (最後に) 昨年の 呉 念庭(第一工業大-西武7位)内野手のように、意外な掘り出しものになれる可能性は感じます。何より走力・肩という大きなアピールポイントがあり、あとはいかにプロの一軍レベルの球に対応できる術を身につけるかではないのでしょうか。 大学時代の試合の模様は、一部動画を見ただけなのでフォームチェックぐらいしか出来ていません。そのため評価云々ではないのですが、育成枠ならば育ててみたいと思わせる資質があるのは間違いありません。こういった選手が、どのぐらいまでに昇りつめるのか? 個人的には大変興味があります。 |