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松田 進(24歳・HONDA)三塁 188/95 右/右 ((国学院久我山-中央大出身) | |
国学院久我山時代から、大型内野手として注目を浴びてきた 松田 進 。188/95 という巨体を活かし、豪快にバットを振る姿は、社会人では稀なスケールを感じさせる素材だった。ただし荒っぽい打撃は、未だに改善されていない。 走塁面:☆☆☆ 3.0 一塁までの塁間は、右打席から4.25秒強ぐらい。これを左打者に換算すると、4.0秒強ぐらいと俊足の部類。それほど走力を全面に出すプレースタイルではないが、全く動けない選手ではない。走力自体は、プロに混ぜても 平均以上の走力 はあるとみて良いだろう。 守備面:☆☆☆★ 3.5 高校や中央大時代は、上手くはないもののショートを無難に守れる程度の守備があった。そういった選手が三塁を守っているだけあって水準以上のレベルにある。打球への一歩目の反応もよく、横の動きも広い。ただ積極的なだけでなく、丁寧さもある。深いところも強い送球ができ、地肩はかなり強いといえるであろう。プロの三塁手としてやって行けるだけの守備力は、備えているのではないのだろうか。これが二遊間となると、大型すぎて細かい動きはどうなのだろうか? とは思うのだが。 守備・走塁ともに、プロの基準~それ以上のものがあり見た目以上に動ける選手。アピールするほどではないのかもしれないが、足を引っ張るようなことはないだろう。 (打撃内容) 粗っぽい選手だが、思いっきりよくバットを振ってこられる。バットを下から豪快に振り上げるので、まともに捉えられれば長打も期待できるはず。問題は、しっかり当たるのかどうか? <構え> ☆☆☆★ 3.5 前の足を引いて、グリップは高めに添えた強打者スタイル。腰の据わりはよく、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスとしては並ぐらい。打席では大きく魅せる選手で、相手投手にとってはプレッシャーがかかるのではないのだろうか。 <仕掛け> 早め 投手の重心が下る時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、確実性を重視するアベレージヒッターに多く観られます。 <足の運び> ☆☆★ 2.5 足を引き上げて回し込み、軽くベースから離れた方向に踏み込むアウトステップ。始動~着地までの「間」は取れており、速球でも変化球でもスピードの変化には対応しやすい。軽くアウトステップするように、内角を意識したスイングだと考えられる。 気になるのは、踏み込んだ足元がインパクトの際に動いてしまっている。そのため「開き」を我慢できず、逃げてゆく球や低めの球に対応しきれません。 <リストワーク> ☆☆☆ 3.0 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で良いのだが、バットを引くのが遅れることが多く速い球に立ち遅れてしまうことがある。バットの振り出しも内角寄りの球にはインサイド・アウトでキレイに出てくるのだが、外の球に対しては遠回りに出てきて、更にバットの先端であるヘッドも下がるのでドアスイングになってしまっている。基本的には、引っ張り込める球を引っ張るのが持ち味であり、右方向におっつけるようなスイングはできない。 思いっきりバットを振れるのは魅力で、スイング軌道もちょっとアッパー気味で最後グリップが高い位置まで引き上がってくる。すなわちフォロースルーをある程度使えていて、ボールを遠くに運ぶことができることを意味している。 <軸> ☆☆ 2.0 足の上げ下げは並ぐらいで、目線の動きも平均的。身体の「開き」が我慢でいないし、軸足も前に傾くなど身体がツッコミやすいので注意したい。軸足の内モモの筋肉は強いので、まともに捉えれば強烈な打球を飛ばすことができる。 (打撃のまとめ) ボールを捉える技術、当て勘も悪く、いかに確実性を高めて行けるかではないのだろうか。そのためにも、上半身と下半身のバランスのとれたスイングを身につけたい。今は、上半身の振りに下半身が負けてしまっている。 (最後に) 大型でも守備や走塁はよく、我慢して起用してくれる下地はある。確実性が今後課題だが、上手く化ければ長打が期待できる右の大型三塁手になれる可能性を秘めている。ただし現状は、プロレベルに到達しているは思えない。あくまでも数年かけて、プロで戦える人材に育ててあげられればれといった感じの選手。個人的にはまだプロでやるには粗すぎると判断して、指名リストからは名前を外しておこうと判断した。 (2018年 都市対抗) |
松田 進(中央大4年)遊撃 187/77 右/右 (国学院久我山出身) |
「この春はブレイクして欲しかった」 高校時代から、東京では随一の素材だと評価していた 松田 進 。中央大に進んだ3年春のシーズンでは、3本塁打・6打点・打率.349厘で、二度目のベストナインに輝いている。しかしそれ以降は、いまいち物足りないシーズンが続いている。 (ここに注目!) 上手ハマった巻き込んだ時の、圧倒的な飛距離と破壊力に注目して欲しい。 走塁面:☆☆★ 2.5 走塁偏差値 48 一塁までの到達タイムは、右打席から4.35秒前後。これを左打者に換算すると、4.1秒前後と平均的。これをドラフト指名された右打者のタイムで偏差値化すると、48 ぐらいなので、平均弱ぐらいとなる。リーグ戦では3年秋に3盗塁はしたものの、これがキャリアハイであり、最もアピールすべき4年春では0個に終わっているのは気になる。けして動けない選手ではないが、プロでアピールするほどではないのだろう。 守備面:☆☆☆★ 3.5 けして軽やかとか唸らせるようなグラブ捌き・フットワークではないのだが、ボールの正面に丁寧に入って強肩で刺すという安定した内容。上手くはいないけれど、捕れる球は確実に捌くという丁寧さと安定感は感じられる。駒大時代の 白崎 浩之(DeNA)の守備を彷彿とさせ、この春のリーグ戦では10試合で1失策とショートとしては悪く無い。ちなみにドラフト上位候補で守備が売りの 京田 陽太(日大)遊撃手は、12試合で2失策となっている。 守備に関しては、思ったほど下手ではなくプロでもショートを守ることもできるだろう。ただしレギュラーとして1シーズン任せるほどのものは感じられず、むしろ三塁あたりならば相当上手い選手なれそう。将来的には、三塁の方が合っているように見える。 (打撃内容) 好調時の爆発力はあるし、意外に右方向への打球も少なくない。しかし同じ投手に、同じ球で同じように討ち取られるケースも多く、学習能力の無さと三振の多さはどうにも気になる。ちなみにこの春の成績は、10試合 0本 3打点 0盗塁 打率.289厘 で、0本、3打点 ではどうしようもない。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 前足を引いて、グリップは下げ気味に添えている。腰はそれほど深く座らなく全体のバランスとしては並だが、両目で前をしっかり見据えるられている。打席では脱力を心がけ、リラックスして構えられている。 <仕掛け> 早め 投手の重心が下るときには動き出す、「早めの仕掛け」を採用。これは、確実性を重視したアベレージヒッターに多く観られる仕掛け。腕っ節が強くボールを飛ばせる力はあるものの、高校時代から早めに動き出す選手だった。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を軽くあげ回し込み、軽くベースから離れた方向に踏み出すアウトステップを採用。始動~着地までの時間は充分あり、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応。軽くアウトステップするように、どちらかというと内角寄りの球に意識が強いことがわかる。引っ張りを狙い過ぎて、踏み込んだ足元が早く地面から離れてしまったりブレてしまうことも少なくない。調子が悪いと上半身と下半身のバランスが崩れて、開きが我慢できなくなる。とくに踏み込むステップが狭めなので、上半身と下半身とのバランスを崩しやすい。 <リストワーク> ☆☆☆ 3.0 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、速い球に立ち遅れる心配はない。振り出しも、外の球を叩くのには大きなロスは感じられない。懐を開けて打つ割には、それほどインサイド・アウトで綺麗にヘッドが抜けてくるわけでもない。 それでもドアスイングということもなく、インパクトの時にはバットの先端でるヘッドは下がらずスイングでき、最後までしっかり振り切ってくる。スイングの弧も大きく、フォロースルーも使えるので、捉えられればボールを遠くに運ぶことが期待できる。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げは静かで、目線の上下動は少なめ。元々腰の逃げの早い選手だけに、足元がブレずに踏ん張れるかでバッティングの出来は大きく変わってくる。ステップが狭いぶん腰の回転を活かしてスイングできており、軸足を起点に綺麗に回転できている。そのため空振りをしても、フォームのバランスが崩れないところが良いところ。 (打撃のまとめ) とらえた時の破壊力は見事な反面、確実性が乏しく脆い一面があることも否めない。そういった対応力の低さが、将来的に仇になる可能性は否定できない。 打率は低くても1発の魅力があればというバッティングができれば良いが、現状は始動も早めで長打を売りにしたいのか、打率を上げたいのか目指すべき方向性が見えて来ない。その辺の割り切りが出来てこないと、いつまでも中途半端なところで伸び悩むことになりそう。 (野球への意識) 投球練習時にも、投手に合わせて素振りをするし、試合に入って集中して打席に入れている。足場のラインは意識がある時は踏まないが、何気ない時は踏んでしまう。その辺のところは強打者なので悲観しなくても良いと思うが、本質的にはニ遊間を担うような繊細さは感じない。足場の馴らしなどは、軸足を置くところをしっかり堀り、自分なりのこだわりは感じられる。 (最後に) ブレイクが期待されたこの春だが、根本的に問題は解決できていない。素材としてはプロ級だと評価するが、未完成な部分が目立ち社会人に進むことになるかもしれない。 社会人に進んでも埋もれしまう可能性も高く、なんとか秋はアピールしてプロ入りにこぎ着けて欲しい。今後の導き方次第では、プロでなら大きくその才能を開花させられるかもしれない。しかし今の内容だと指名rリストに名前は載せられないだけに、秋まで追い掛けて見極めてゆきたい。 蔵の評価;追跡級! (2016年 春季入れ替え戦) |
松田 進(国学院久我山)遊撃 186/76 右/右 |
「東京随一の資質!」 鈴木 誠也(二松学舎大附)や、チームメイトの 川口 貴都 などの投手達を除けば、野手として東京で最もプロに近いのは、この 松田 進 だろう。186センチの大型遊撃手ながら、身のこなしも緩慢ではないだけに、プロスカウトからも熱い視線を浴びることになる。 (第一印象) 昨春観たときは、大型故に攻守に課題が多い選手だなと思いました。確かに資質は高いけど、それを生かすだけの術が完全に伴っていない素材型。しかし東京都選抜でのノックなどを見ていると、意外に大型の割に上手いなという印象に変わりつつありました。そんな彼が、一冬越えてどんな成長を遂げているのか、個人的には大変気になっていました。 (守備・走塁面) 打球への反応もよく、グラブ捌き、身のこなしなどは、大型の割に悪くありません。高校生としては上手い部類ですが、どうしても上のレベルのショートに必要なスピード感や複雑な動きに対しては、順応するのは厳しいかなとおもいます。あと気になるのは、スローイングが雑な部分があり、送球が乱れる可能性が高いのが気になります。深いところから刺すようなプレーも見られるかもしれませんが、単純なミスも定期的に起こすタイプなのは、中々改善されないのではないかと考えます。 それでもサードでは申し分のない素材でしょうし、基準以上の地肩をを活かして右翼あたりにコンバートされる可能性もあります。 一塁までの塁間は、4.35秒前後。これを左打者に換算すると、4.1秒前後です。これも高校生としては速い部類ですが、上のレベルだと中~中上レベル。元々盗塁を積極的に行い、足でガンガンアピールして来るというほどではありません。 大型の割に動けるという枕詞がついてしまい、小柄な選手も混ぜると、守備・走力共に平均レベルです。そのため上のレベルでは、走守で特徴を見出すのは厳しいと考えます。またサードや右翼あたりとなると、求められる打撃のハードルは高くなります。 (打撃内容) 私の観戦した都立武蔵戦では、いきなりレフトスタンドのネットに突き刺さるホームランを披露してくれました。内角の球をうまく巻き込めたときは、体の強さも相まってホームランを放てます。ただ本質的にはスラッガーではないので、その辺はあまり長打力を期待しすぎない方が好いとおもいます。 <構え> ☆☆☆☆ 前の足を軽く引いて、グリップも少し下げ気味に構えます。腰の据わり具合・両目で前を見据える姿勢・全体のバランスなどもよく、リラックスして構えられています。 <仕掛け> 早めの仕掛け ボールをよ~く手元まで引きつけて叩く長打距離打者ではなく、早めに始動して、いろいろなボールに対応するタイプです。そのためアベレージ打者の傾向が強く、彼がスラッガーだとは考えられません。 <足の運び> ☆☆☆☆ 投手の重心が下がり始めに足を引き上げて、ゆっくりまわしこんで踏み込んできます。この始動~着地までの「間」が取れているので、いろいろな変化に対応できる幅のある打撃ができます。 踏み込んだ足元も、真っ直ぐ~少しアウトステップ気味。ただ踏み込んだ足元はブレないようになり、体の開きをある程度抑える事ができています。そのため以前は巻き込み中心だった打撃が、右方向への打球も見られるようになってきました。 <リストワーク> ☆☆☆ 元々、打撃の準備である「トップ」をしっかり作れないで振り出す、消化不良のスイングが多かった選手。今もバットを引くのが遅れるときもあり、「トップ」をしっかり作れて振り出すタイプではないようです。 バットの振り出しも、けしてロスのないスイングではなく、少し遠回りでも遠心力を生かしてボールを遠くに運ぶことを意識しています。以前よりも足元が安定し、腰の逃げが抑えられるようになっているので、癖のある軌道は改善されつつはあります。またフォロースルーを使って、ある程度ボールを運ぶ術も持っています。そのためうまく引っ張る時にタイミングが合えば、スタンドインの打球を見せることがあります。 <軸> ☆☆☆☆ 足をゆっくり回しこむので、目線は大きく動きません。体の開きが我慢できるようになり、前より腰の逃げの早さを抑えることができます。軸足も地面から真っ直ぐ伸びており、腰の回転で綺麗に振り抜けます。 (打撃フォームのまとめ) 「開き」が抑えられるようになり、腰の逃げの早さなどが改善されてきました。それでも「トップ」の作りが下手なのと、やや遠回りのスイング軌道には癖があります。 ただそれを補うだけのボールを捉える感覚の良さや技術もあるので、打撃では優れた内容を示せます。 (野球への意識) 試合前練習のスローイングな雑なところや、プレーしていない時に所作などを見ていると、まだまだヤンチャな高校生といった感じが致します。 強打者なので、ラインを踏んだりするきめ細やかさに欠けるのは、それほど気にしません。ただそういった部分にまで意識が行かないのは、やはりニ遊間候補としては動作の細やかさがないところにも通じてきます。 ネクストバッターボックスでは、前の打者の対戦を見つめていますが、何処まで自分への攻めをシミュレーションできているのかは疑問が。素振りも体の開きをしない意識は持てていますが、それほど深いチェックポイントを決めてスイングしているわけではなさそう。足場の馴らしも、足場を自分のやりやすいようにに耕しているというよりは、バッターボックスのラインを、かきけしているようにしか見えません。少なくても、高校からプロで飯を食おうという選手に見られる「鋭さ」「凄み」みたいなものは、残念ながら伝わってきませんでした。 (最後に) 守備・走力も、大学生などに混ぜてしまえば、それほど際立つものはありません。打撃も癖はあるので、外角にきっちり投げられる投手が揃った世界では、どの程度の打率が残るのかな?と言う不安はあります。 そう考えると、もうワンクッションおいて、そこで改めて技術・取り組みを磨きつつ、資質を伸ばしてからでもプロは遅くはないのではないのでしょうか。将来プロに行ける可能性は秘めているとおもいますが、高校からとなると個人的には疑問が残ります。それでも、関東では指折りの遊撃手であることは間違いありません。 (2012年 春季東京大会) |