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澤田 圭佑(立教大4年)投手の最終寸評へ








 澤田 圭佑(立教大3年)投手 178/90 右/左 (大阪桐蔭出身)
 




                      「クレバーなのに雑」





 ゴッツイ体格から腕を真上から叩きつけて来る 澤田 圭佑 。その見た目とは裏腹に、間合いを変えて相手を焦らしたり、内角を突いて内野ゴロを必要なときに打たせるなど、その投球内容は実にクレバー。逆にそのことが、下級生の時のようなパワーピッチをしなくなった要因の1つではないのだろうか。彼にはもっと、持ちえる能力でガンガン押して頂きたい。


(投球内容)

 春見た時はワインドアップから投げ込んでいたのですが、秋の法大戦ではノーワインドアップから投げ込んでいました。

ストレート 130キロ台後半~140キロ台中盤

 腕を真上から叩いている来るフォームなので、ボールに角度が感じられます。以前のような140キロ台中盤~後半で押すようなパワーピッチは見られず、現在は常時130キロ台後半~140キロ台中盤ぐらいとおとなしくなった気がします。

 基本的に四死球で崩れるようなタイプではないのですが、ストライクゾーンの枠の中では結構アバウト。右打者にはおおよそ内外角に投げ分けられているものの、左打者にはあまり細かいコントロールはありません。

 力で押している時には見栄えがしますが、開きは早く合わされやすいフォーム。それを角度をつけることによって、微妙に芯をズラすような投球が持ち味です。

変化球 スライダー・フォーク・カーブなど

 主な変化球は、この3つ。曲がりながら落ちるスライダーでカウントを整えます。そしてカーブで時々緩急を利かせつつ、追い込むとフォークを投げてきます。しかしこのフォークの精度も、まだ絶対的なものはありません。

その他

 牽制は鋭いですし、ベースカバーに入るのも遅くありません。クィックも1.10~1.15秒で投げ込めるなど基準レベル。見た目と違い、動きもまずまず俊敏なタイプ。

 内角を意識的についたり、ランナーを出すとボールを長く持って、打者や走者を焦らします。そういった、投球センスも併せ持ちます。

(投球のまとめ)

 必ず第一戦を任せられる絶対的な立場から、どうしても力をセーブせざるえないチーム事情もあります。しかし昨年は、何処か痛めていたのか? それを割り引いてもらしくない投球も少なくありませんでした。最終学年だけに、もう一回引き締めて挑んで欲しいところ。

 クレバーなのだけれども、きめ細やかさがないという、ちょっと面白いタイプの投手。その辺が、最終学年においてどう出るか気になります。





(投球フォーム)

 今度は実際にフォームを分析して、何処が雑なのか見てみましょう。

<広がる可能性> 
☆☆☆

 引き上げた足は、比較的高い位置でピンと伸ばせてはいます。しかし二塁側にかなり送り込んでいるのもあり、多少甘めなのが気にはなります。体を捻り出すスペースは大方確保できているので、カーブで緩急を効かせたり、フォークのような縦の変化を投げるのにも無理は感じません。

 「着地」までの粘りは平均的で、可も不可もなしといった感じ。そのため体を捻り出す時間は、並と言えるでしょう。いろいろな球を投げられる下地はあるものの、絶対的なキレや曲がりを得られないのは、この辺の動作に甘さが残るからかもしれません。

<ボールの支配> 
☆☆☆

 グラブが体の近くで抱えられていないので、どうしても外に逃げようとする遠心力を抑えられず両サイドへの制球を乱しやすくなります。まして足の甲も完全に地面から浮いてしまうので、力を入れて投げるボールが上吊ってしまいます。

その辺を上から腕を振り下ろすことや「球持ち」の良さで、なんとか制御しているという特殊なフォーム。

<故障のリスク> 
☆☆

 お尻は落とせるフォームなので、カーブやフォークなどを投げても、肘への負担は少ないのでは。しかし腕の送り出しは、無理に真上から叩きつけているために、肩への負担は大きいのではないのでしょうか。その辺が、昨年のパフォーマンス低下に繋がったのではないかと危惧します。そういった部分で、プロでどのぐらいのパフォーマンスを長いシーズンで持続できるかには、多少の不安は残ります。できれば先発で、間隔を空けて使って頂きたいタイプかと。

<実戦的な術> 
☆☆☆

 「着地」までの粘りは平均的ですが、ボールに角度をつけることで打者のタイミングをズラすことはできています。しかし「開き」は早いので、球筋がいち早く読まれやすくコースを突いた甘くない球でも打たれてしまう危険性があります。

 腕は強く振れているので、速球と変化球の見極めは困難。足の甲で地面を捉えられていないのは気になりますが、前に覆いかぶさるように体重をかけることで、ボールにある程度体重を乗せることはできています。

(フォームのまとめ)

 投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「開き」に大きな課題を持っています。

 制球を司る動作には問題があるものの、他の部分で補いソコソコに。腕の送り出しの問題から、肩への負担など故障の心配があります。


(最後に)

 最終学年に、下級生の時のようなパワーピッチが取り戻せているのならば、上位指名の可能性も充分あるでしょう。しかし昨年ぐらいの内容だとすると、中位以降に落ち着いても不思議ではありません。ゲームメイクできる先発も可能な貴重なタイプだけに、もう少し細かいところまで追求してゆくような欲が出て来れば、面白いと思います。そこが、今年のチェックポイントではないのでしょうか。


(2015年 秋季リーグ戦)