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中内 洸太(関西学院大4年)投手 174/74 右/左 (今治西出身) |
「ちょっと面白い」 中背の体格から、小気味よく投げ込んでくる 中内 洸太 。足を上げたあと、サイドスローのように前に身体を折って投げ込んでくるスリークオーター。速球にも変化球もキレがあり、短いイニングならば面白いかもと思えるものを持っていた。 (投球内容) 今治西時代は、あの 松井 裕樹(桐光学園)に22奪三振をきした試合に出場していた。その試合では、リリーフで登場し松井に3ランを浴びたという経歴の持ち主。高校時代は二塁と兼任だったが、関学大では投手に専念し実績を重ねてきた。 ストレート 135~MAX89マイル(142.4キロ) 驚くような球威・球速はないのですが、腕の振りの良さを活かして、キレのある球をポンポン投げ込んできます。両サイドに散らすコントロールもあり、四死球で自滅するような危うさはありません。枠の中でもそれほど甘く入って来ないので、球威はなくても長打を浴びるとかそういったことも特にないかと。 変化球 スライダー・シンカー・カーブなど 横滑りするスライダー・緩いカーブ・縦に沈むシンカーと織り交ぜ、コンビネーションで打ち取ります。特に絶対的なボールはないのですが、イニング数前後の奪三振は奪えます。スライダー・シンカーも空振りを奪うほどではないですが、キレがあって基準以上のものはあります。 その他 元々内野手だけあって、牽制のターンも鋭い。クィックは、1.0~1.05秒ぐらいと素早く投げ込めます。更にフィールディングも上手く、野球センスが高いという以上に運動能力が高い気がします。 それででも投球をまとめる能力、マウンド捌きの心地よさなど、軽快感があります。 (投球のまとめ) プロの打者相手に、長いイニングは厳しいかもしれませんが、リリーフで1,2イニングぐらいならば、使い勝手の良さそうなタイプ。高い順位では獲るような凄みはありませんが、意外に面白い存在だと言えるのではないのでしょうか。 (投球フォーム) 今度はフォームの観点から、どのぐらい実戦的かどうか考えてみましょう。 <広がる可能性> ☆☆☆ 3.0 引き上げた足を地面に向けて伸ばし、サイドハンドのように前に身体を折って投げ込んできます。そのため、お尻を一塁側に落とすことはできません。身体を捻り出すスペースが確保できないので、カーブで緩急をつけたり、フォークのような縦に鋭く落ちる変化球の修得は厳しそう。 「着地」までの粘りもそれなりで、けしてフォームに淡白さはありません。そのため適度に身体を捻り出す時間は確保できており、カーブやフォークといった球種以外ならば、投球の幅を広げて行ける可能性は感じます。実際にスライダーやシンカーなどを上手く織り交ぜ、投球を組み立てています。 <ボールの支配> ☆☆☆★ 3.5 抱えていたグラブが、最後後ろに解けてしまっているのは気になるものの、両サイドの投げ分けは安定。足の甲でも地面を捉えており、ボールも上吊りません。「球持ち」もそれなりで、指先の感覚も悪くないのではないのでしょうか。 <故障のリスク> ☆☆☆★ 3.5 お尻は落とせませんが、カーブもそれほど使ってきませんしフォークなどもありません。そういった意味では、腕の送り出すときに窮屈さを感じることも少なく肘への負担は少なめでは。 腕の送り出しも、腕がかなり下がったスリークオータ。そういった部分では、肩への負担も少ないでしょう。小さな身体をめいいっぱい使っている部分はあり消耗は少なくないかもしれませんが、故障のリスクはそれほど高いことはないでしょう。 <実戦的な術> ☆☆☆☆ 4.0 「着地」までの粘りもそれなりなので、合わせやすいフォームでもなさそう。体の「開き」も早いこともなく、甘いコースに入らなければ心配なさそう。 腕の振りが素晴らしく、速球と変化球の見極めは困難。ボールにも適度に体重が乗せられており、打者の手元まで生きた球が投げられています。 (フォームのまとめ) 投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、大きな欠点はありません。サイド・スリークオーター系のフォームにありがちな、合わせやすさ、ボールの見やすさもなく、一辺倒な感じもしません。 コントロールを司る動作もいいですし、故障のリスクも高くない。そういった意味では、不安要素の少ないフォームだと言えるのではないのでしょうか。 (最後に) けして凄みが感じられる投手ではないですし、微妙なところでヤリクリしているタイプ。そのため高い評価はできないものの、面白い存在ではないのでしょうか。特に指名順位にこだわらなければ、下位指名~育成あたりで指名して来る球団があっても不思議ではありません。こういったタイプの投手を加えたい球団ならば、指名はあるのではないかと思っています。 蔵の評価:☆ (下位指名級) (2016年 春季リーグ戦) |