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鈴木 昴平(24歳・三菱重工名古屋)遊撃 175/77 右/右 (東海大菅生-東海大出身) |
「守備は社会人随一」 東海大時代から、その軽やかなフットワーク・グラブ捌きは目を惹くものがあった 鈴木 昴平 。一見守備の人のイメージが強いが、東海大の4年秋のシーズンには、首都リーグの首位打者に輝いている。今年の都市対抗では、9番・ショートで出場。実際試合を見ていても、打撃での印象は薄い。 (ディフェンス面) 打球への一歩目の反応も鋭く、プロの二遊間に不可欠なスピード感を感じます。グラブ捌きも上手く、スローイングも安定。動き出し~送球までの一連の流れがよく、実に上手いと思わせるショートストップ。地肩に関しては、プロに混ぜると平均レベル。深いところからの送球はどうかという疑問は残りますが、難しい体勢からの送球も乱さないし、必要であれば強い送球もできます。首都リーグ時代も、ショート部門で3度のベストナインに輝いたのも頷けます。プロでも、二遊間で間違いなく勝負できる素材です。 (走塁面・走塁偏差値 46.3) 一塁までの塁間は、右打席から4.4秒前後ぐらいと平均的。これを、ドラフト指名された右打者の走塁タイムで偏差値化すると、46.3 と平均以下であることがわかる。実際今年の都市対抗予選の8試合でも、盗塁も失策も0個だった。走力に関しては、あまり期待できないとみて良いだろう。 (打撃内容) グリップから少し開けて、ミート重視で打って来るコンパクトヒッター。プロでいえば小技などはできるので、典型的な2番打者タイプという感じがします。 <構え> ☆☆☆☆ 前足を軽く引いて、グリップの高さは平均的。腰の据わり具合・両目で前を見据える姿勢・全体のバランスも取れており、構えに大きな欠点はありません。しいていえば、何か嫌らしさを醸し出すとか、威圧感を与えるタイプでもないところでしょうか。 <仕掛け> 遅め 投手の重心が下るときに、開いていた足を少し戻します。本格的に動き出すのは、重心が沈みきって前に移動する段階。すなわち「遅めの仕掛け」に属します。球筋をできるだけ見定めてから動き出す、典型的な二番打者タイプだと言えるでしょう。 <足の運び> ☆☆☆ 足を軽く上げて、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」が短い割に、足の動きが忙しい印象はあります。それでもこの手のタイプに多い、始動が遅すぎることがないのが良いところ。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも捌きたいタイプ。踏み込んだ足元はブレないので、外角の厳しい球や低めの球にも喰らいつくことが期待できます。 <リストワーク> ☆☆☆ 打撃の準備である、「トップ」の形を作るのは自然体。ただしバットを引くのが遅れそうになる時がありそうなので、その辺は注意したい。バットの振り出しは、上からコンパクトに出てくる。ただしバットの先端であるヘッドの重みに負けてしまい、ヘッドが下がって出てくる分少し遠回り。ボールを捉える段階になると、ヘッドは立ってくるので、広い面ではボールを捉えている。すなわち、ボールを捉えるまでのスイング軌道にロスを感じるので改善したい。 スイングの弧は小さめで、コンパクトに打ち返して来る。基本は当ててくるコンタクトヒッター。そのため非力感がないかと言われれば、やはり非力に感じてしまう。 <軸> ☆☆☆☆ 足の上げ下げは静かであり、目線の上下動は平均的。体の開きは我慢でき、軸足も地面から真っ直ぐ伸びており安定している。 (打撃のまとめ) 首都リーグで首位打者を獲得したように、ボールを捉えるセンス自体は悪くないように思う。しかし振り出し~インパクトまでのスイング軌道に少しロスがあるので、意外に内角の捌きはキツイのではないのか? またプロ級の球威・球速のある球に対し、力負けしないのか?という不安はどうしてもよぎってしまう。 (最後に) 良く言えば、昨年オリックスが獲得し活躍した 西野 真弘 内野手を、より遊撃に特化し右打ちにしたようなタイプでしょうか。守備に関しては、安心して見ていられるだけのものがあり、名手 安達 了一 に何かあった時でも、守備では違和感なく穴埋めできる人材という付加価値はあります。 打撃ではプロ級ではないと思いますが、西野社会人時代も同様だっただけに、短期間でどの程度改善できるのか? 西野同様に、ひ弱さはあるもののコンタクト能力はありそうなだけに、ちょっとした指導や力負けしない鋭いスイングを身につけられれば、昨年の西野ような活躍を魅せてくれるかもしれません。 プロに混ぜても、守備だけで食って行ける選手であり、生かしようによっては大変重宝されると思います。ただしレギュラーに、球界屈指のショートストップがいるというチーム事情で、どの程度の彼を活かせる機会があるのかが気になります。まぁこの特殊能力を評価して、指名リストに名前を連ねてみたいと思います。 蔵の評価:☆ (7位指名ならありなのでは) (2015年 都市対抗) |