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松崎 啄也(23歳・日本製紙石巻)一塁&捕手 175/90 右/右 |
「今年1番バットが振れる選手かもしれない」 バット振れるということでは、今年の候補の中でも1番だったかもしれない 松崎 啄也 。しかしバットは振れれば好いというわけではなく、それを支えきれる下半身があって初めて価値が出るのだ。その点で私は、引っかかる。 (守備・走塁面) 残念ながら、一塁までの到達タイムは計測できず。しかし作新学院-作新学院大とも見てきて、足が速かった記憶はない。都市対抗予選の5試合でも、、盗塁は0個。足に関しては、正直全く期待できないと考えて好いのではないのだろうか。 社会人でも捕手登録だが、都市対抗では一塁手として出場。高校時代から捕手としては肩も強くなく、正直大きくは期待できない。完全に打撃オンリー型の選手であり、プロの捕手としては完全に壁レベルではないのだろうか。 一塁手としての動きも、本職ではないのでぎこちなく見える。それでもとっさの判断ではなんとか反応し、大きなミスをしていない。都市対抗予選の5試合では、失策1。しかし一塁手だけに、この数字が少ないとは言えないだろう。 プロとしては、一塁、緊急時の捕手、右の代打要員、そんな感じの位置づけになりそうだ。 (打撃内容) 振り終わったあとに、バランスを崩すぐらいの強振がこの選手の持ち味。それも重量級の選手によく観られる、意外に器用な右方向への打球は少なく、完全に引っ張り中心のプルヒッターというイメージが強い。それでも都市対抗予選の5試合では、21打数9安打・うち2本がツーベースという成績。けして、対応力が低いというほどではない。 <構え> ☆☆☆ 少し前の足がベース側よりに置かれたクローズドスタンスで、グリップの高さは平均的。腰の据わりは好いものの、両目で前を見据える姿勢・全体のバランスとしてはどうだろうか? クローズスタンスというのは、体が一二塁間方向に向けて立つので、打撃はセンターから右方向へ徹底させないと意味がない。しかしこの選手は、徹底的に引っ張りを意識したスイング。無理にこの体勢から引っ張りにかかると、ボールを引っ掛けてゴロになる確率が高い。構えと打撃スタイルとの矛盾が、個人的には気になる。 <仕掛け> 早め その見た目と強振ぶりから、バリバリのスラッガーをイメージする。しかし始動は投手の重心が下るときと早く、アベレージ打者に多く観られる仕掛け。意外に腕っぷしが強く強振の割に、高校時代からホームランが出ないのは、この仕掛けが大きく影響しているのではないのだろうか。ようは、あまり手元まで引きつけて叩くタイプではないということ。 <足の運び> ☆☆☆ 足を引き上げ、ベース側にインステップして踏み込んできます。始動~着地までの「間」は取れており、速球でも変化球でもスピードの変化には対応しやすいはず。 ベース側に踏み込むように、外角の球を強く意識しています。しかし踏み込んだ足元が、強靭な上半身の振りを支えきれず、ブレてしまっています。これでは体の開きが我慢できないので、外角の厳しい球や逃げてゆく球への対応は厳しいと言えます。この選手が打てるのは、引っ張り込める程度の甘めの外角球であり、打てるゾーンは非常に限られていることがわかります。 <リストワーク> ☆☆☆ 打撃の準備である「トップ」を早めに作れており、速い球に立ち遅れる心配はありません。しかしバットを振り出すときには肘が下がってしまい、インパクトまでロスのあるスイングに。それでもバットの先端であるヘッドは下がらず、広い面でボールを捉えることができている。 スイング後半の弧は大きいものの、フォロースルーを上手く使ってボールを運ぶ感じはしない。あくまでも強烈なスイングで、球足の速い打球が抜けてゆくタイプ。打球に角度を付けるのは下手で、上手くタイミングが一致しないと、なかなか打球は上がって行かない。上手く合えばこのスイングだけに、凄い打球が飛ぶのだろうが。 <軸> ☆☆ 足の上げ下げはあるものの、目線の上下動は並ぐらい。しかし体の開きを我慢できず、軸足もスイングのあとに崩れてしまう。 (打撃のまとめ) バットを振れることは何よりの魅力だが、下半身が安定していないでのスイングには意味がない。スイング軌道にロスがある部分に関しては、ヘッドスピードも早くそれほど気にはならない。 ブレブレのスイングと、クローズドスタンスなのに引っ張りにかかるという矛盾するプレーで、どうしても期待値ほど長打が期待できない。フルスイングする選手は好きだが、1番大事なものが欠けているなというのが率直な感想。まずは、下半身をブレないよういしながら、フルスイングできる技術を身につけてもらいたい。 (最後に) 限りなく評価は育成枠レベルも、社会人選手は育成枠では指名できないからということでの、8位指名なのだろう。こういった右の大砲候補は不足していえるだけに、指名の最後ならばアリなのかもしれない。 しかし守れない、走れない、そして打てるかも怪しいタイプであり、個人的にはかなり厳しいのではないかというのが率直な感想。果たして彼が、プロでどのぐらいやれるのか、見届けてみたい。ハマればラッキーぐらいの気持ちで、伸び伸び育てて欲しい。 (2015年 都市対抗) |
松崎 啄也(栃木・作新学院)捕手 175/80 右/右 |
(どんな選手?) 上背はないが、ガッチリした体格の選手で、何より強打が自慢の捕手。甲子園でも、3安打を放つなど、その存在感を示してくれた。 (ディフェンス面) どっしりした構えで、ミットを示した後、ミットをあまり下げることなく対応。そのためワンバウンドの球にも、適度に対処出来ていた。内野手などに、明確に指示を出すなど、チームの司令塔としての役割をこなすなど、捕手らしい捕手。 内外角に散らすリードをしていたが、やや内角を多投しすぎるきらいがあるのが気になる。スローイングの到達タイムは、2.0秒を切ってきたが、地肩自体はあまり強くなさそうだ。リーダーシップがあって、周りをガンガン引っ張って行くタイプの捕手のようだ。 (打撃内容) スクエアスタンスで構え、腰をグッと沈ませ、如何にも強打者といったタイプの構えをする。打球は、センターからレフト方向に引っ張るプルヒッターと言う印象が強く、パワフルなスイングで、強い打球を飛ばすのが持ち味。捕手としては、打撃が売りに出来るタイプの捕手だ。 (今後は) 大学などでも、チームの中心選手として存在感を示すことの期待出来る素材。ただ、あまり捕手としてのインテリジェンスや地肩に魅力がないのが、今後どうでるか?打撃に関しては、大学あたりでも慣れれば充分通用しそうだ。有力大学などへの進学を期待したい。負傷をモノともしない逞しい選手であった。 (2009年・夏) |