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田島 洸成(巨人)内野手のルーキー回顧へ






田島 洸成(BC武蔵)遊撃 175/78 右/左 (帝京出身) 
 




                         「記憶にない」





 帝京高校からBCリーグした面白い経歴の持ち主ですが、高校では2年生からレギュラーに。正直高校時代の記憶はないのですが、高卒ルーキーで独立リーグのレギュラーになりました。そして1年目でプロという、最短距離でのプロ入りを実現。今回は、どんな選手なのか考えてみます。


(守備・走塁面)

 一塁までの到達タイムは計測できませんでしたが、今シーズン63試合(213打席)で4盗塁。実際走っている姿を観ると走力はそれなりにはありそうですが、盗塁技術・絶対的な脚力があるかは疑問です。恐らくタイムとしては、中の上レベルの選手なのではないのでしょうか。

 遊撃手としては、最初の一歩目の出だしは良く、フットワーク・キャッチング・スローイングまでの流れも悪くありません。しかし63試合で、失策は22個とミスが多いのが気になります。地肩もかなり強く、ダイナミックなプレーは観られるものの、安定感に欠ける傾向があるようです。





(打撃内容)

チームでは2番や下位を務めることが多く、つなぎ役に徹し打撃の弱さが気になります。今シーズンは、

63試合 1本 18打点 打率.188厘

 高卒1年目からレギュラーとして抜擢されたものの、いきなり大人の世界でのプレーにはレベル差を感じずにはいられなかったのではないのでしょうか。

<構え> 
☆☆☆☆

 前足を引いた左オープンスタンスで、脇を閉じてグリップを捕手側に引きながら高めに添えます。腰の据わり具合・両目で前を見据える姿勢・全体のバランスと取れて好い構えかと。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が下る途中あたりで小さく動き出す、「早めの仕掛け」を採用。確実性を重視した、アベレージヒッターの仕掛けです。

<足の運び> 
☆☆☆☆

 足を地面から少しだけ浮かし、真っ直ぐに踏み出します。始動~着地までの「間」には余裕があり、速球でも変化球でも幅広く対応できる 線 の打撃。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも対応したいタイプかと。

 踏み込んだ足元はブレないので、外角の厳しい球や低めの球にも喰らいつくことができるのでは。ただしステップが狭いので、ボールを追っつけてレフト方向に流すという打撃よりも、その場で回転する引っ張りに適したスイングだと考えられます。

<リストワーク> 
☆☆☆☆

 あらかじめバットを引いて構えており、いち早く「トップ」の形を作り速い球に対応。バットの振り出しは、インサイド・アウトの内からバットが出てくるタイプでロスはありません。したがって真ん中~内角よりの球を捌くのは上手い分、外角の強い球に対しては強く叩け無いスイングであるように思います。ボールを捉えてからもコンパクトで、強く巻き込むスイングをします。上手く巻き込めれば長打も期待でき、二塁打などは結構打てるタイプかと。

<軸> 
☆☆☆☆

 足の上げ下げは小さいので、目線の上下動は少なめ。体の開きも我慢でき、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて回転できています。しいていえば、ステップが狭いだけに前に体が突っ込まないように注意したいところ。

(打撃のまとめ)

 内角を捌く、引っ張る打撃には適しますが、打撃の基本である外角の球を強く叩く、あるいは流す打撃には適しません。配球の7割以上は外角で構成されることを考えると、外角をキッチリ叩けることが打率を残すためには不可欠です。そこが、この選手の欠けるところ。


(最後に)

 強肩を活かしたダイナミックな遊撃守備は魅力なのと、打撃も弱いのですが外角打ちをマスターできると、技術は高いだけに面白いと思います。高卒1年目とまだ若いですし、プロの指導者・環境で育てられれば、素材としては鍛えがいのある素材かと。時間はかかりそうですが、少し長い目で観て欲しい選手でした。