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小林 大誠(巨人)捕手のルーキー回顧へ






小林 大誠(21歳・武蔵HB)捕手 180/85 右/左 (野辺地西-青森中央学院大中退-BC富山) 





                         「三軍要員か?」





 この選手は、富山時代に見たことがあります。しかし詳細なメモを取るほどマークしていなかったので、どんな捕手かと言われると自信がありません。残念ながら、今年のプレーは確認できず。動画で今年の打撃フォームは確認できたので、簡単にレポートでも。

(ディフェンス面)

 BC富山時代から、地肩には光るものがありました。当時のメモを見ると、イニング間送球だと思いますが、1.98秒と記録されています。しかし気になるのは、腕が横から出てくるという記載も。腕が横から出ると、どうしても送球に変化が起こりやすく、カバーリングする野手が捕り難くなってしまうわけです。今年の動画では、そこまで気にするほど腕は下がっていなかったようにも見えましたが。高校時代は、投手としても140キロ近いボールを投げ込んでいたといいます。

 いずれにしてもこの選手の売りは、このスローイングにあると言っても過言ではありません。富山時代は控え捕手でしたが、今年武蔵に移籍してきて、正捕手に定着。スカウトのコメントだと、ディフェンスにも課題があるとのこと。これが、リードなのかキャッチングなのか、スローイングの形なのかまではわかりません。





(打撃内容)

 富山時代は、13年度に19試合・打率.175厘、14年度は20試合.080厘、そして今年は、60試合.222厘と、打撃に課題があるのは間違いないようです。動画を観る限りスイングは結構大きいので、非力というよりも対応力に課題があることがわかります。

<構え> 
☆☆☆☆

 前足を軽く引いて、グリップは高めに添えます。腰の据わり具合、両目で前を見据える姿勢・全体のバランスと理に適った構えに見えます。

<仕掛け> 早すぎ

 投手の重心が下がり始める前に動き出す、「早すぎる仕掛け」を採用。このタイミングだと、まだ投手が投げるタイミングを変えることができるわけで、タイミングを狂わされてしまうリスクが高まります。せめて投手の重心が下がり始めてから、動き出すべきではないのでしょうか。

<足の運び> 
☆☆☆

 始動~踏み込みまでの時間は充分過ぎるほどあるので、速球でも変化球でもいろいろな球に合わせやすい 線 の打撃をしてきます。真っ直ぐから少しアウトステップするように、内角を意識したスイングに。その変わり足元がインパクトの際にブレやすいので、体の開きを我慢できず、外角の厳しい球や低めの球への対応は苦手している感じ。

<リストワーク> 
☆☆☆

 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、速い球に立ち遅れる心配はありません。しかしバットの振り出しは、内角を捌くのに適した打ち方ですが、外の球に対しては腰の逃げも早く踏ん張りきれません。それでもスイング後半の孤は大きく、結構バットを振り回して来るタイプかと。上手く巻き込めると、長打も期待できそう。

<軸> 
☆☆☆

 足の上げ下げはあるので、目線の上下動は平均的。体の開きが我慢できない割に、軸足は地面から真っ直ぐ伸びてきて、軸を起点に回転できています。

(打撃のまとめ)

 けしてひ弱い打者ではないのですが、始動の早すぎ、腰の逃げの速さ、足元が踏ん張れないなどの課題を抱え、率が残せないのも頷けます。真ん中~内角よりの球を巻き込むのは得意のようですが、打撃の基本である外角打ちに課題があるのが率が低い要因では?


(最後に)

 肩に特化した選手という感じで、まだ攻守に課題の多い選手のようです。特に打撃は打てるコースが決まっているようで、この弱さをどう克服して行くか? とりあえず鍛えがいのありそうな素材に、ある程度守ることのできるディフェンスがあるということで、来年から三軍を再構築するために獲得した選手との印象を強く受けます。いずれにしてもキッカケはどうであれ、あとは結果を残すか残さないか。一つずつ階段を駆け上がり、一軍の舞台にまで昇りつめて欲しいものです。