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長谷川 潤(巨人)投手のルーキー回顧へ






長谷川 潤(24歳・BC石川)投手 186/83 右/右 (成立学園-金沢学院大出身) 
 




                      「話したことがある」





 私の記憶が正しければ、彼が4年春に関東に遠征してきたはず。そして関東学院大のグランドで、「今日、長谷川の登板はある?」と部員に訊いたところ、バックネット裏にいた長谷川がそこにいた。「今日の登板はありません」と訊いて、私はこの日の観戦をしないで引き上げたのを覚えている。細かいことはもう忘れてしまったが、中々の好青年だったと記憶している。

(プレースタイル)

 成立学園時代から、外野兼投手として注目されていた。当時から140キロ前後のボール込む投手として注目。金沢学院大に進んでからも、北陸リーグで活躍。その活躍が認められ、全日本代表合宿・平塚合宿に招集されるなど地方の逸材としてマークされていた。卒業後は、社会人ではなく独立リーグのBCのリーグに参加。2年目の今年、悲願のプロ入りを実現した。

(投球内容)

右サイドから繰り出す投球は、それほど大学時代と変わっている感じは受けなかった。

ストレート 常時135~140キロ台前半ぐらい

 特に速球時代に、驚くような切れや伸びがあるタイプではない。両サイドにボールを散らせて、相手の打ち損じを誘う。以前から常時140キロ台~MAXで140キロ台中盤ぐらいまで出せるようになると、だいぶ印象が変わると言ってきたが、その辺は大学の4年間・BCの2年間でも殆ど変わっていなかった。しかし指名後、ジムに通ったり意識的に体重増加に励むなど、肉体改造に取り組んでいるという。

変化球 スライダー・カーブ

 右横手から投げるので、右打者には背中越しから来る球筋になり、大きな曲がりをするスライダーは厄介。逆に左打者からは、球が見やすく、そのへんがネックに。この手のタイプにしては、シンカー系のボールが見られないので、打者からは的を絞られやすい傾向にある。

(投球内容)

 現状は、ストレートに際立つものはなく、スライダーが曲がる投手との印象しかない。また球種が少なく、相手に的が絞られやすい。しかしランナーを出すと、ボールをじっくり持ち、中々投げずに相手を焦らす。しかしNPBだと、ここまで投げないと投球時間に引っかからないのか心配される。

 そういった時間を意識した投球と、気持ちの強さでやってきた選手だけに、あとはいかに全体的なパワーアップと、投球の幅を広げられるかに懸かっている。現状の内容では、ファームでも結構苦戦するのではないのだろうか。

(成績から考える)

 特に今年になって、成績をあげた形跡はない。この2年間の通算成績を元に、この選手の傾向を考えたい。

43試合 9勝15敗 189回2/3 219安打 58四死球 115奪三振 防御率 3.65

1,被安打はイニングの80%以下 ✕

 189回2/3イニングで219安打打たれており、被安打率は116%とイニングを遥かに上回る。この傾向は昨年だけでなく、今年も同じ。やはりもう少し、球種を増やすなど配球の工夫、ボール全体のパワーアップ、打ち難いフォームなども追求しないと厳しいだろう。

2,四死球は、イニングの1/3以下 ◯

 四死球率は、30.6%。基準である33.3%以下に収まっており、ファクターを満たしている。繊細なコントロールはないが、両サイドに散らすことと、四死球で自滅しない安定感がある。

3、奪三振は1イニングあたり0.8個以上 ✕

 1イニングあたりの奪三振率は、0.61個 。これは、BCリーグだと考えるとかなり低い。三振をバシバシ奪うタイプではないにしろ、球の威力がリーグ全体でも並なのがわかってしまう。速球のレベルアップと、武器になる変化球を身につけたい。

4、防御率は、1点台以内 ✕

 昨年は 2.97、今年に限っては 4.33 と数字を悪化。やはり独立リーグレベルでも最低1点台の安定感が欲しいところで、実戦力で物足りないことを物語っている。

(成績からわかること)

 限りなく残した成績からみると、厳しいことがわかる。これでも指名されたということは、プロテストあたりを受け、その時の内容に光るものがあったからではないのだろうか? その光るものが何だったのかは、成績を観る限りわからない。

(最後に)

 個人的にも、親近感を抱く選手なので頑張っては欲しい。しかし実際の投球及び残した実績から観る限り、かなり厳しい状況だと言わざるえない。しかしその辺も自覚しているようで、大幅な肉体改造に取り組んでいるという。来春あたりには、見違えるようなボールを投げられるようになっていることを期待。

 サイド独特の球筋を武器に、異彩を放つことができるのか? むしろ自分は一番下なのだと自覚し、開き直ってがむしゃらに取り組んで頂きたい。個人的には親近感を持つ選手だけに、今後の活躍が気になる一人であります。


(2015年 リーグ戦)









長谷川 潤(金沢学院大)投手 185/72 右/右(成立学園出身) 


 この選手、出身は東京の成立学園で、高校時代何度か取り上げたことのある選手。背番号9をつけて、マウンドに上がっていました。

 かなりサイドに近いスリークオーターで、右打者の背中越しから来る独特の球筋は、右打者には厄介な代物。今日は、サードゴロを村田がはじき、センターに詰まったあたりがセンターの判断悪くポテンヒットなど不運な一面もあり、ランナーを貯めたところでガツンと打たれて5失点。球速は、135~後半ぐらいで、驚くようなキレや勢いはありません。

 ただスライダーは大きく曲がるので、右打者殺しとしては効果的。その証に、2イニング目はあっさりと抑えました。ややこのメンバーに入ってしまうと、力の差を感じてしまう内容でしたが、ストレートがコンスタントに140キロ台乗って来るようだと楽しみだとおもいます。ただ現状は、来年のドラフト候補になるとは言えないでしょう。

(2012年 平塚合宿)



 成立学園の長谷川潤(3年)投手も、中々面白い選手です。185/82の体格を生かして、今日は5番・右翼手として出場。小野田の内角低めの速球を、火の出るような強烈な打球で打ち返したりと資質の高さを感じます。

 プレーへの姿勢も良く意識の高い選手です。フェンスに直撃しながらのファインプレーも魅せ、痛みをおしながらも全力疾走でベンチに戻って来るなど気迫溢れるプレーヤーです。投手としても右のスリークオーターで、大体135~140キロぐらいの速球に、カーブ・スライダーなどを織り交ぜてきます。

 球が見やすいのか、二松学舎の打線に打ち込まれておりましたが、速球には馬力を感じさせる投手でした。MAXで91マイル(145.6キロ)を記録するなど、アベレージではまだ出せませんが、将来的には、このぐらいの球を常時出せるポテンシャルはありそうです。ただ投手としては、結構ムラッ気があって、速い球も投げられそうにはなりそうですが、性格的には野手向きだと思います。

 強肩・打球の強さは間違いないですし、意識も高い選手なので、まだまだ伸びて行ける存在ではないのでしょうか。まだ名前は殆どあがっていない選手みたいですが、持っているものは素晴らしい選手です。高卒プロは難しそうですが、ぜひ将来に向けて覚えておいて頂きたい選手でした。

(2009年 春季東京大会)