15sp-24


 




三ツ間 卓也(中日)投手のルーキー回顧へ







 三ツ間 卓也(23歳・BC武蔵)投手 183/82 右/右 (健大高崎-高千穂大出身)





                         「馬力はある」





 高千穂大から球速はあったものの、ドラフト戦線で名前があがることはなく、BCリーグの武蔵に進みます。そこで1年目から、150キロ級のボールを投げ込み、ようやくドラフト候補として注目されるまでになりました。そして独立リーグ1年目で、見事にプロ入りを実現。


(投球内容)

サイドから投げ込まれる力強い速球が武器で、力で相手をねじ込むリリーフタイプ。

ストレート 常時140~中盤

 MAXで150キロと言われますが、だいたい140キロ~力を入れた球が140キロ台中盤ぐらいといった感じ。この選手の良いのは、この速球が真ん中~低めに集まりやすく、あまり上吊らないところにあります。サイド故に多少ボールが見やすい、合わされやすい傾向はありますが、ボールに適度な勢いとコマンド力を感じます。ソフトバンクとのプロアマ交流戦では、MAX150キロを記録したとか。

変化球 スライダー・シンカー

 右サイド特有の大きな曲がりをするスライダーと、シンカー系のボールを投げ込みます。身体に当たるようなところから曲がってくるスライダーは右打者には厄介、シンカーも右打者にも左打者にも使ってきます。シンカーに絶対的な落差はないのですが、変化球も高め浮かず制御できています。

(投球のまとめ)

堂々としたマウンド捌きで、気持ちの強さを感じさせる内容。プロアマ交流戦でも、プロ相手に力投。特に使い減りしないタイプだけに、リリーフでの活躍が期待される。





(成績から考える)

僅かな投球だけではわからない部分もあるので、残した成績から考えてみましょう。

51試合 1勝4敗20S 51回 48安打 33四死球 60奪三振 防御率 4.41

1,被安打は、イニングの70%以下 ✕

 51イニングで48安打ということで、被安打率は94.1% とかなり高め。やはり合わされやすいフォームであり、開きが速いのか、それほど甘くない球でもヒットをされやすい傾向があるようです。この辺はフォームを工夫するなど、もう少しアレンジを加えたいところ。

2,四死球はイニングの1/3以下 ✕

 四死球率は、64.7%であり、基準である33.3%以下の約倍のペースで出しています。実際の投球を見ると、そこまでコントロールが悪いようには見えませんが、これだとコントロールが気になって、投球に専念できないぐらいの数字。より打力の上がるNPBの打者相手では、よりこの傾向は強くなると思われます。

3、奪三振は、1イニングあたり0.9個以上 ◎

 イニングを遥かに上回る、1イニングあたり1.18個の奪三振を奪います。そういった意味では、リーグでもボールの威力・決め手という意味では、抜けた存在。

4、防御率は1点台以内 ✕

 リリーフだけに、防御率は1.50以内ぐらい残しておきたかったところ。しかし4点台だということを考えると、打たれ出すと止まらない一辺倒なところがあるのでしょうか?

(成績からわかること)

 被安打率・四死球率・防御率 を見てみると、かなり厳しいことがわかります。この数字をみると、1年目から一軍を意識するのは、厳しいかもしれません。

(投球のまとめ)

 大卒1年目の選手ということで、まだまだ若いですしプロの育成力を期待して、投球にアレンジを加えたいところ。この辺は、投手の育成に定評のある中日だけに、どのぐらい投球に変化が生まれるのか見てみたい。素材としては馬力もありますし、個人的には結構面白い選手だとは思います。指名リストには名前を乗せられませんが、キッカケ次第では化けるかもしれません。大学時代スカウトから見向きもされなかった投手が、独立リーグ1年目での指名。そういったことからも、独立リーグの意義を改めて強く実感させる指名でした。

(2015年 リーグ戦)