15ｋｙ-36
15ｋｙ-36
| 出口 匠（三重・津田学園）三塁＆投手 １７５／９１ 右／右 |
「意外に柔軟性がある」 １７５／９１ という重量級の体型だが、低めの球に対し上手く膝を使って対応できる柔らかさがあります。ただの、打球が強烈なだけの選手ではありません。それでも高校通算４１本を放つなど、まともに当たれば飛んでゆくだけのパワーを持っています。 （走塁面：走塁偏差値：３４） 一塁までの到達タイムは、４．７５秒前後。これを左打者に換算すると、４．５秒ぐらいに相当します。これをドラフト指名された右打者のタイムで偏差値化すると、３４ という数字になります。これはプロに混ぜても、走力は期待できないことがわかります。 観戦した夏のいなべ総合戦では、投手として登板。試合途中から三塁のポジションを守るも、打球を処理する機会はなく終わります。しかし投手としての牽制は極めて鋭く、クィックも１．１秒台で投げ込めるなど、俊敏さはあります。また投げては、常時１３５～１４０キロ強ぐらいのボールを投げられる選手なので、地肩が強いのも間違いないでしょう。また夏の菰野高校戦では、１４６キロまで記録したと言います。三塁手としての能力はよくわかりませんでしたが、けして動きの悪い選手でもないですし、投手としてもノーコンというほどではないので、スローイングが不安定ということもないのではないのでしょうか。プロで鍛えれば、サードで勝負できる可能性は充分あると考えます。 （打撃内容） 右にも左にもセンターへも打ち返す、広角打者という感じがします。腕っ節は強そうですが、それほど打球が上に上がるタイプなのかは疑問です。 ＜構え＞ ☆☆ スクエアスタンスで足を揃え、グリップの高さは平均的。腰はあまり据わらず、両目で前を見据える姿勢、全体のバランスともうひとつ。 ＜仕掛け＞ 早め～平均 投手の重心が下がり始める早めの仕掛けから重心が沈みきったあたりで動き出す、平均的な仕掛けを採用。これは、アベレージヒッター～中距離ヒッターの仕掛けだと言えます。見た目は強打者ですが、確実性を重視した打者だというのがわかります。 ＜足の運び＞ ☆☆☆ 始動～着地までの時間はあるので、ボールを 線 で追えるタイプ。すなわち速球でも変化球でも、とっさにスピードの変化にも対応しやすい打ち方だと言えます。しかしながら上げた足を下ろすタイミングを計っているというよりも、足を高く引き上げて強く踏み込むタイプなので、それほど合わせのが上手いというほどではありません。 踏み込みは、ベースから離れた方向に踏み出すアウトステップを採用。内角の球を意識していることがわかりますが、これは内角を好むというよりも、苦手な内角球に対応するためだと考えられます。踏み込んだ足元はブレないので、外角の厳しい球や低めの球でなければ、アウトステップでも外角球を叩くことができます。彼の場合、アウトステップでも外角低めの球でも捉えられる膝の柔軟性があります。 ＜リストワーク＞ ☆☆☆ 打撃の準備である「トップ」の形をつくるのは自然体で、リストワークに力みは感じられません。ただし少し遅れがちになるので、その辺は注意したいところ。 バットの振り出しは、少し遠回りに出てくるので、内角の捌きはキツそう。その分バットのしなりを活かし、外角の球に対しては、遠心力を活かし強く叩けます。ボールを捉える時も、バットの先端であるヘッドが下がらずに、広い面でボールを捉えられます。 スイングの弧はそれほど大きくなく、現状はフォロースルーも使えていません。あくまでも強い打球が、野手の間を抜けてゆくタイプではないのでしょうか。 ＜軸＞ ☆☆☆ 足の上げ下げは大きいので、目線は結構動きます。そのためボールを追う時に、ブレが生じやすいかと。体の開きは我慢できており、軸足の内モモにも強さを感じます。内モモの筋力は、打球の強さや飛距離に大きな影響を及ぼします。ただし軸足の形は崩れがちなので、体が突っ込まないように気をつけたいところ。ただしこの選手あえて型を崩してでもボールにぶつかりに来るので、あまり軸を崩さないことに注意を払わない方が、持ち味が出るかもしれないだけに意見が別れるところか。 （最後に） ボールを捉えるセンス、食らいつこうとする意欲は感じられます。そのため見た目以上にミート力を感じますが、打球がそれほど上がるタイプには見えません。この辺が、球団が求めているものを示すことができるのかには疑問が残ります。 走力は期待できませんが、守備の資質は悪くありません。三塁手としてならプロでも守れそうですが、あとは一塁以外の他のポジションは走力がないだけに厳しそう。 総合力では指名リストに入れられませんが、育成ならば有りなのではないのでしょうか。将来性としては、球団が期待する通り野手としての可能性を私も推したいと思います。 （２０１５年 三重大会） |
