15ky-34
村林 一輝(大塚)遊撃&投手 180/72 右/右 |
「どんな選手なのかすら?」 残念ながら名前こそ春から耳にしていたが、最後まで確認することはできなかった 村林 一輝 。そこで実際見たことのある人の話や情報を総合しつつ、打撃フォームだけは動画でチェックできたので、まとめてみることにする。 (守備・走塁面) 180センチの大型選手ですが、打球への一歩目の反応が鋭く、柔らかいグラブ捌き含めた遊撃守備は思いの他評価が高いのが特徵。将来的にもニ遊間で勝負して行ける素材のようで、三拍子の中でも守備の評価・可能性が最も評価が最も高いように感じます。投手としてもMAX143キロを記録したこともあるようで、かなりの強肩でもあるようです。 走塁に関しては、あまり評判になりません。人によってタイムのタイミングが違うので参考にはし難いのですが、右打席から4.3秒前後で到達したと訊きます。これを左打者に換算すれば、4.05秒前後と中の上レベルの走力があることがわかります。いずれにしても、走力でアピールするようなプレースタイルではないようです。 (打撃内容) 見た感じ、体の芯にまだ身が入っていない感じで、体幹の弱さを感じます。それでも足を大きく引き上げたフォームから、高校通算31本のパンチ力も。緩急への対応やパッと開いて内角の球を捌くなど、柔らかさととっさの反応には定評があります。今年に入り引っ張り中心の打撃ながら、右方向へも打球が飛ばせるようになってきたとのこと。感性や柔らかさを感じますが、「強さ」という意味ではまだ物足りないのかと。 (打撃フォーム) 参考にした動画の地面の方が映っていなかったので、ちょっとわからない部分があるのですがわかる範囲で。ただしわからないことが多いので、☆ は付けないで記します。 <構え> グリップを高めに添えていますが、不思議と力みを感じないリラックスした構え。腰は据わらず、背筋を伸ばして立ちます。全体のバランスとしては並ですが、両目は前を見据えられているのではないのでしょうか。 <仕掛け> 平均的 投手の重心が沈みきった底のあたりで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。これは、ある程度の確実性と長打力をバランスよく兼ね備えた中距離打者やポイントゲッターに観られる仕掛けです。 <足の運び> 足を高く引き上げて、真っ直ぐ踏み込んでいるように見えます。この足の使い方からみて、着地でタイミングを図るというよりも強く踏み込むことを強く意識していることがわかります。そのためタイミングがあえば強烈ですが、それほど対応力が高い打ち方ではないように感じます。それでも踏み込んだ足元はブレていないように見えるので、右方向にも打球を飛ばせるのではないのでしょうか。 <リストワーク> 打撃の準備である「トップ」の形は、早めにつくれています。振り出しは遠回りにバットが出てくるで、木製バットへの対応には時間がかかるかなと。またインパクトの際にもバットの先端であるヘッドも下がって出てくるので、打ち損じも多いタイプではないのでしょうか。けしてスイングの弧が大きいとか、フォロースルーを使って打球を運ぶタイプではないように見えます。 <軸> 足の上げ下げは大きいので、目線の上下動はそれなり。体の開きは我慢できており、軸足も地面から真っ直ぐ伸びてスイングできているように見えます。外回りにバットが出てくるわりに、引っ張りを好む打者なのかなという感じが。 (打撃のまとめ) ちょっとわからない部分も多いのですが、かなり自由に伸び伸び育てられてきたのではないのでしょうか。そのため自由な感性が感じられる一方で、洗練されていない未熟さも同居しています。この辺がプロの指導でどうなってゆくのかは、まさに未知数といった感じです。しかし相当最初の数年は、プロへの順応に苦労しそうな印象は受けます。 (最後に) 守備では高い評価を得ているので、ショートで勝負して行ける素材だと評価されれば、打撃に目をつぶってくれてでも長く面倒を観てくれるのではないのでしょうか。 打撃も、面白いものは持っていそうとは感じます。問題は、その感性を発揮できるだけの、基礎点に今の彼が達しているのか?という部分。恐らくその良さを活かす以前のレベルだと思われるので、そこで大きく戸惑う、あるいは致命的な欠点となる危険性も感じなくはありません。しかしドラフト7位で入った高校生ということを考えれば、面白い素材ではないのでしょうか。ぜひ来年は、直に観てみたいと思わせてくれる選手でした。 |