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網谷 圭将(DeNA)内野手の藁をも掴む!へ







網谷 圭将(DeNA)捕手のルーキー回顧へ






網谷 圭将(千葉英和3年)捕手 183/80 右/右 
 




                  「捕手としてはどうだろうか?」





 2015年度の千葉を代表する野手として気にはなっていたが、ドラフト候補としての優先度はそれほど高くはなかった。そのため最終学年のプレーは確認できずに終わり、残念ながら評価付けできないことはご了承願いたい。あくまでも2年夏までのプレーぶりをみて、今回はレポートを作成してみた。


(ディフェンス面)

 ミットを示し、グラブ地面につけないで構えられている。特に体を小さくかがめて、ミットを大きく見せるような、そういったきめ細やかなプレーをするタイプではない。ボールの押し込み等も並で、キャッチング全般に言えることは平均的といった感じ。

 ボール処理の時には、しっかり捕球する野手に指示を出す。打球への反応はまずまずで、大型でも動きが緩慢という感じはしなかった。残念ながらスローイングを計測する機会がなかったのでよくわからないが、1.95~2.00秒ぐらいで到達するという話を訊いている。このタイムは、ドラフト指名される捕手としては中の下ぐらいのタイム。プロで平均的なスローイングタイムとなると、1.9秒ぐらいが目安となる。別の言い方をすれば、このぐらいで投げられシッカリコントロールできれば、投手がモーションを盗まれない限りは、確実に刺せる計算となる。スローイングの形自体は悪いとは思わなかったが、コントロールはどうなのだろう?

 投手としては、2年夏のを見た時には135キロぐらい。あれから一年の間に、どの程度球速を増していたのかは不明。捕手を始めたのは高校からと経験が浅く、一塁や三塁を本職としていた。球団が捕手としての将来性を評価したのか?それとも打力を評価して、将来的には他のポジションを見越して評価しているのかはわからない。しかし2年夏のプレーを見る限り、捕手としては並であり、一年ぐらい適正を見極めてから三塁なりにコンバートするつもりかもしれない。





(打撃内容)

 私が今まで見た彼の打球は、すべて三遊間・レフト方向の打球ばかり。センターやライト方向への打球を見たことがなく、完全に引っ張りオンリーのプルヒッター。たまにタイミングが合うと、大きな打球が飛んでゆく。それほどスラッガーには見えないが、高校通算33本塁打を放っているという。打撃フォームは、あくまでも2年夏のものなので、参考までに。

<構え> 
☆☆☆☆

 前の足を少しだけ引いて、グリップを高めに添えます。腰は据わり、両目で前を見据える姿勢も悪くありません。全体のバランスとしては並ですが、打席の雰囲気を感じさせる強打者。

<仕掛け> 平均的

 投手の重心が下がりきったあたりで動き出す、「平均的仕掛け」を採用。これは、ある程度の確実性と長打力をバランスよく兼ね備えた、中距離打者やポイントゲッターに多く観られます。彼もまさに、そういったタイプではないのでしょうか。

<足の運び> 
☆☆☆

 足をしっかり引き上げ、少し真っ直ぐからベースから離れた方に踏み出すアウトステップを採用。始動~着地までの間はそこそこで、速球でも変化球でもそれなりに対応。見ていると、ストレートをキッチリ叩くというよりは、緩い変化球を思いっきり引っ張るような打撃を得意にしているように見えます。

 踏み出した足元は、インパクトの際にはブレません。しかし地面から離れるのは早く、引っ張り重視の打者であることがわかります。


<リストワーク> 
☆☆☆

 打撃の準備である「トップ」を作るのは自然体で、特に力みは感じられません。振り出しは肘が下がって少し遠回りではあるのですが、バットの先端であるヘッドはそれほど下がらず。フォロースルーなどは上手く使えませんが、強引に巻き込む思いっきりの良さは感じられます。

 バットを振れる強さ・思いっきりの良さはあるのですが、スイング・体自体にまだキレが物足りません。その辺が、この一年でどの程度変わっていたのか? 


<軸> 
☆☆☆

 足の上げ下げはあるものの、目線の上下動は少なめ。体の開きは、地面が早く離れるので右方向への打球は望めません。軸足は地面から真っ直ぐ伸びており、軸を起点に上手く回転はできていると言えます。

(打撃のまとめ)

 特に技術的に優れている印象はありませんが、強く振れるという強味は持っています。これは、打者にとって1番大事な要素であるということ。ボールを捉えるセンスなどは特別なものは感じませんが、自分のツボを持っていて引っ張れるということは、長距離打者としての資質があるのかもしれません。広角打法を得意にしている選手で、天性のスラッガーはほとんどいないので。

(最後に)

 残念ながらこの一年の成長ぶりを確認できていないので、断定的なことは言えません。しかし捉えた時の打球は、130~140メートル級のビックリするような飛距離も飛ばすようなので、そういった部分に可能性を見出したものと思われます。

 いつも言うことですが、こういった強打者タイプの選手を育てるのはアマより断然プロだということ。そしてDeNAという球団が、高卒野手をしっかり一軍で使えるレベルまで引き上げることに関しては、12球団でも指折りの環境ではあるということは確かでしょう。微妙な能力の投手ならば、大学・社会人などに進むことを薦めますが、いずれはプロという目標があるのならば、大型野手は早くプロの世界に飛び込むのもアリだと思います。いずれにしても納得のゆく形で、決断して欲しいと思います。



(2014年夏 千葉大会)