15ky-3









 吉田 開(専大北上2年)中堅 178/80 右/左
 




                   「特徴が見えにくいタイプだけれども」





 2015年を語る上で、北海道・東北地区でも屈指の外野手だと目されているのが、この 吉田 開 。果たしてどのような男なのか、今回ご紹介してみたい。

 1年春から専大北上では、レギュラーとして活躍。三拍子揃ったアスリート系外野手として、スカウトからも注目を集めているという。


(守備・走塁面)

 残念ながら、一塁までの到達タイムの計測や、足をアピールする場面には出会わなかった。動画でセカンドゴロの映像もあったので計測してみたが、4.55秒前後と参考にならず。けして緩めて走っていたわけではないので、最初の一歩目が送れたとしても、足が何処まで速いのかには疑問が残る。

 中堅手としての動きを見ていると、可もなし不可もなし。外野の間を抜けて行く打球での返球を見る限り、基準を上回る地肩がありそうな感じ。しかししっかりした体勢からの送球ではなく、あくまでも追いかけてすぐに投げるような送球だったため、この部分もどのレベルなのかはわからない。

 現状は、中の上ぐらいの身体能力はありそうな印象。しかしこれが、走力にしても地肩もしても、売りにして行けるほどかまでは確信が持てなかった。しかし1年春から試合に出ていれば、一昨年の岩手大会の映像に映っている可能性もあり、この辺は再度確かめて後日補充しておきたい。





(打撃内容)

 観た感じでは、スラッガーというよりも、強い打球が野手の間を抜けて行くような中距離ヒッターという印象を受けます。この辺が左の外野手ということも含めると、評価され難い要素があるのかなという気もしてきます。

<構え> 
☆☆☆

 前足を軽く引いて、グリップの高さは平均的。腰の据わり・全体のバランスとしては悪くないのですが、両目で前を見据える姿勢は並ぐらい。構えとしては、可も不可もなしといった感じで、それほど威圧感や鋭さみたいなものはまだ感じられません。

<仕掛け> 平均的な仕掛け

 投手の重心が下がりきったあたりで始動する、「平均的な仕掛け」を採用。ある程度の対応力と長打力を、バランスよく兼ね備えたタイプ。中距離打者や勝負強さを売りにするポイントゲッターが多く採用する仕掛けだが、アベレージヒッターなのか、長距離打者なのか? 中途半端の位置づけに陥りやすい。

<足の運び> 
☆☆☆☆

 軽く足をあげて回し込み、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」はそこそこ取れており、それなりに速球でも変化球でも対応できそう。踏み込んだ足元はブレないので、身体開きを我慢して、低めや外角の厳しい球にも喰らいつけます。

<リストワーク> 
☆☆☆

 打撃の準備である「トップ」は深く取れており、弓矢の弓を強く引くが如く、強い反発力が期待できます。しかしながら、「トップ」自体を上手く作れないまま振り出すので、どうしてもボールとの距離感を測れていないのが気になります。

 バットの振り出しは悪く無いですし、バットの先端であるヘッドも下がらないので、スイング軌道に問題は感じません。打球も強烈ですし、最後までしっかり振りきれています。

<軸> 
☆☆☆☆

 足の上げも小さいので、目線はそれほど上下に動きません。体の開きも我慢出来ていますし、軸足も大きくは崩れません。体軸を起点に、綺麗に回転出来ています。

(打撃のまとめ)

 打撃の準備である「トップ」をきっちり作って振れるようになれば、中途半端なバッティングも減るのではないのでしょうか。それ以外の部分では、強打者ですが大きな欠点は感じませんでした。ただしどの方向で勝負してゆくのか、すべてにオールマイティに対応して行こうとしてゆくのかは、この試合を観る限り掴めません。一つ間違えるとどっちとも付かずの、特徴の見えに難い選手になるかもしれません。


(最後に)

 守備・走塁がどのレベルかまでは、正直この試合の観戦だけではよくわからず。この辺が、プロでも上位レベルである上に今の打撃があるならば、高校からの指名も現実味を帯びてくるでしょう。

 しかしながら、全てが中途半端にということになると、高校からの指名の可能性は低く、大学などで埋もれてしまうかもしれません。その辺がどうなのか、この一年で見極めてゆきたいと思います。


(2014年夏 岩手大会)