15ky-27


 
amanatu.com




愛斗(西武)外野手のルーキー回顧へ








大滝 愛斗(花咲徳栄3年)外野 178/82 右/右 
 




                      「評価は高いようだけれども」





 春先からスカウトが集まっているというので、春季埼玉大会にも足を運んだ選手。そしてこの夏のプレーをみても、スカウトからは評価は高いものの、私自身は彼の良さがイチイチよくわからない。一応、三拍子揃ったアスリート系外野手として注目されている。


(走塁面)

 普段はそれほど速く走らないのだが、本気で走った時のベースランニングなどは確かに速そうには見える。一塁までの正確なタイムは計測できなかったが、埼玉大会の7試合で3盗塁。まぁ4番打者という役割もあり、それほど走塁を全面に出して来るプレースタイルでは現在ない。試合を観る限り、一塁までの走力は中の上レベルなのかなという感じには見える。しかしプロに入って自分の特徴を見出そうと考えた時には、走力を全面に出してくる可能性は充分に考えられる。

 しかし何より気になったのは、ショートゴロなのに何故走力を緩めてしまうかなということ。もし全力で駆け抜けていたら、内野手だって焦って送球を乱す可能性があるだろ。そういうプレースタイルが、私にはどうにも受け付けないものがある。

(守備面)

 春季大会の試合前練習を見る限り、打球への勘・落下点までの入り方などは、余裕持ってやっており、中の上レベルはあるのかなと。地肩もそれなりの強いのだが、スローイングの時のバランスが悪くコントロールが安定しない。現状は、守備力もスローイングもプロに混ぜると中の上レベルであり、突出している感じはしない。





(打撃内容)

 ツボにハマればスタンドインのパンチ力は秘めているものの、現状は鋭い打球で野手の間を抜けてゆくような、中距離打者といった感じだろうか。クロスに構えるので、かなり癖のあるバッティングをする選手との印象う受ける。

<構え> 
☆☆

 少しクロス足を置き、センターカメラからも背番号読み取れるなど、明らかに肩が入り込んだ構え。グリップの高さは平均的、腰の据わり・両目で前を見据える姿勢は並なのだが、全体のバランスとしては癖の構え。

<仕掛け> 平均

 投手の重心が下がりきったあたりで動き出す、平均的な仕掛けを採用。ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた、中距離打者・ポイントゲッターが多く扱うタイミング。この辺は、彼のプレースタイルに合致している。

<足の運び> 
☆☆☆☆

 足を軽く浮かし、地面をなぞるように回しこむ。そして、少しベース側に踏み込むインステップ。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもそれなりに対応できる打ち方。ベース側に踏み込むように、外角に意識がある。その足元はブレないので、外の厳しい球や低めの球にもついてゆくことはでき、右方向への打撃も可能にしている。しかしクロスに構えるのであれば、徹底的にセンターからライト方向への打撃に徹するべきだ。体が一二塁方向に向いているのに、無理に引っ張れば、ことごとくボールを引っ掛けることになるのだから。それがいやならば、真っ直ぐスクエアに構えるべきだろう。

<リストワーク> 
☆☆☆

 打撃の準備である「トップ」の形を早めに作れており、速い球に立ち遅れる心配はありません。バットの振り出しは少し遠回りであり、ロスは感じます。それでもバットの先端であるヘッドの部分は下がらないので、広い面でボールを捉えることができているところには好感。スイングの後ろを大きく取るとか、フォロースルーを使えるということはなく、最後まで強く振り切る感じのスイングになっている。これでもスタンドに叩き込めるのは、やはり体の力が強いということなのだろう。そして、確かに捉えた時の打球は強烈。

<軸> 
☆☆☆

 足の上げ下げが小さいので、上下動は少ないものの、自分からボールを追ってしまうことがある。そのため体が突っ込んで、調子を崩すことは少なくないだろう。それでも体の開きは我慢でき、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて大きくは崩れていない。ある程度のところで我慢できるところが、この選手の打撃を支えているのかもしれない。

(打撃のまとめ)

 クロスに構え、少し遠回りにバット出てくる癖のあるスイング。それでもヘッドが下がらなかったり、足元が盤石だったり、軸足の形が崩れないなどして、ある程度のところまでで我慢できているところが好いところ。

 ボールを捉えるセンスに特別なものは感じられないものの、捉えた時の打球の強さはプロ級。


(最後に)

 春季大会で生で見ていたのだが、ネクストにいる時の意識や集中力と言う部分では、まだまだといった感じ。その辺は、冒頭で苦言を呈したように、走塁への意欲の低さにもつながっている。

 確かに本気になった時の能力は、それなりのものは秘めているのだろう。しかし高校から大人の世界に入るのには、あまりまだ精神的に未熟過ぎる印象は否めない。もう少し厳しい環境に身をおき、大人の世界に交じるのはそれからでも遅くないのではと個人的には思っている。まだまだ技術的には荒削りな域も脱しておらず、「旬」の時期かと言われれば NO! だと言いたい。しかし恐らくドラフト会議では、何処かしらの球団に指名されるのではないのだろうか? もしプロに入ったら、どのタイミングで眼の色が変わるかにかかっている。少なくても5年以上はかかると私はみているので、現時点では指名リストには入れないことにする。


(2015年夏 甲子園)









 大滝 愛斗(埼玉・花咲徳栄)外野 178/82 右/右

 均整の取れた体格のアスリートタイプ。試合前練習を見る限り、地肩はまずまず強い。ただし投げ終わったあとのバランスが悪く、コントロールはイマイチといった感じ。

 打席は球場移動をしないといけないので、2打席しか確認出来なかった。第一打席は、バットを止めた中途半端なピッチャーゴロと、第二打席はライトフライ。確かに捉えた時の打球は強烈だが、特別図抜けた打者には見えなかった。ネクストでボールを見つめるだけで、特に何か事前準備をしてるとか、熟慮としている感じもしない。所作を見る限り、あまり集中力はないのかな?という気はするのだが。

 もう少しじっくりは観てみたいが、昨夏の模様を見た時に特別なものは感じられず、実際生で見てみても高校からプロに行くほどの選手には見えなかった。高校から外野手でプロ入りするのには、相当圧倒的な能力がないと厳しいので。

(2015年 春季大会)