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茶谷 健太(帝京三)投手 185/85 右/右 |
「野手評価なのか?」 ソフトバンクだけは、茶谷 健太 の投手としての才能を評価しての指名だと訊いていた。しかしここに来て、茶谷は野手評価での指名だったという話が入ってくる。以前投手・茶谷のレポートを作成しているので、今回は野手・茶谷 のレポートを作成してみたい。 (走塁面:走塁偏差値:45.7) 一塁までの塁間は、右打席から4.4秒前後(左打者換算で4.15秒前後に相当)。これを右打者のドラフト指名された選手のタイムで偏差値化すると、走塁偏差値は 45.7 となり、プロに混ぜると中の下ぐらいの走力であることがわかる。ちなみに50メートルは、6秒1 だというが、ほとんど参考にならない。少なくても、それほど足を売りにするタイプではないのではないのだろうか? (守備面) 牽制などの動きは鋭く、打球への処理も素早くマウンドから駆け下りてくる。しかし大型ゆえにそれほど細かい動きは向いてなさそうで、個人的には野手として見た場合、三塁もしくは外野手といったタイプのように思えます。最後の夏の予選を見ていても、投げない時は確かセンターの守備位置についていたと記憶します。 (打撃内容) バットの遠心力を活かし、右方向への打球が大きく伸びるのが特徴。広角に打てますが、二塁打・三塁打が多いタイプの強打者で、スラッガーという感じはしません。 <構え> ☆☆ 前足を軽く引いて、カカトを浮かして構えます。グリップの高さは平均で、腰の据わり具合・両目で前を見据える姿勢・全体のバランスはもう一つ。前足を引いていても、センターカメラからみて背番号読み取れるように、クロスの形になっています。良いところは、打席でリラックスして入れているところか。 <仕掛け> 平均的 投手の重心が沈みきった底あたりで動き出していますが、結構打席によって始動のタイミングも一定していません。一応ある程度の確実性と長打力をバランスよく構えた、中距離打者・ポイントゲッターに多く観られる仕掛けです。 <足の運び> ☆☆☆ 始動~着地までの時間は平均的なので、速球にも変化球にもそれなりには対応。ベース側にインステップ気味に踏み込むので、外角寄りの球を好む傾向があります。踏み込んだ足元はブレないので、外の厳しい球や低めの球にもついて行けます。 <リストワーク> ☆☆ 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、速い球に立ち遅れる心配はありません。しかし振り出す時に肘が下がってしまい、バットも遠回りに出てきます。インパクトの際にもバットの先端であるヘッドが下がってしまい、打ち損じの多いドアスイング。 外角の球に対しては、少しポイントが後ろ寄りで上手くタイミングが合うと、遠心力を活かして右方向に大きな打球が飛びます。かつて巨人にいた 二岡 智宏(元日ハム)のようなスイングに。 それでいてインステップするので懐は窮屈で、バットも内から中々出てこないので、内角を捌くのも窮屈になります。ヘッドスピード・打球の速さは感じますが、ロスの多いスイング軌道をいかに改善できるのか? <軸> ☆☆☆ 足の上げ下げはあるので、目線の上下動はそれなり。体の開きは我慢でき、軸足の内モモの筋肉には強さを感じます。打球の強さ・飛距離に、ここは大きく影響します。 (打撃のまとめ) 外回りのバットスイングなので、内角は厳しく外角もヘッド下がって打ち損じが多いはず。秘めたる潜在能力は高そうに見えますが、欠点も多くものになれるかは微妙かと。 (最後に) 投手としてはまだ体が出来ておらず物足りませんが、土台がしっかりしているので、素直に肉付けすれば将来像は見えてきそう。一方打者としての方がポテンシャルは高そうですが、荒削りでどちらに転ぶかはイメージがつきません。 まして守備・走塁でのアピールにも欠けるので、その辺でどうしても野手にすぐにしたいと強く思わせるほどのものはありません。 私ならば、投手として2年ぐらい様子を観て判断したい。それで底が浅そうならば、野手としてのスケールを追求して欲しい部分はあります。いずれの可能性も感じるが、どちらとも絶対的なものは感じない。すなわち、高校からプロに入る「旬」なのかと言われると疑問が残る。大化けしても不思議ではないが、現時点では確信が持てないので、私は指名リストには入れないと判断する。 (2015年夏 山梨大会) |