15kp-22





河村 説人(星槎道都大3年)投手の本当に凄いやつへ







河村 説人(白樺学園3年)投手 192/85 右/右 





 「面白いけれどなぁ」





 現時点ではまだまだだけれども、将来性という意味では非常に面白い素材・そんな印象を残してくれたのが、河村 説人(白樺学園)投手。192センチの長身から繰り出す角度のあるボールと、フォークとのコンビネーションで異彩を放っていた。


(投球内容)

甲子園では下関商戦に先発し、5回を5安打・5奪三振・2四死球・3失点という内容。

ストレート 135~MAX142キロ

 現状は、ストレートの大半は130キロ台であり、驚くような球威・球速・球質ではありません。コントロールもアバウトで、結構バラつきが目立ちます。それでも四死球で自滅するような、そういったタイプではありません。あくまでも角度のある球筋が持ち味で、これからのレベルアップに期待が持たれます。

変化球 スライダー・フォーク・カーブ

 スライダーは、小さく横滑りするカウントを整える球と、縦に落として来る二種類を使い分けます。時々緩いカーブを織り交ぜつつ、フォークを多く投げてきます。フォークは決め球として以外にも結構作って来るのですが、まだ打者の手前で落ちすぎて見極められてしまうことも多く、精度・キレという意味では発展途上。変化球も、まだまだこれからといった感じ。

その他

 この体格にして、本人も自信を持っているようにフィールディングの動きの良さが目立ちます。牽制も鋭いですし、クィックも1.10~1.15秒ぐらいでまとめられるなど合格点。投球以外の部分が、その見た目以上に俊敏なのが最大の売り。しかし投球が上手いとか、繊細だとか、そういった投球センスは感じません。

(投球のまとめ)

 まだ体も出来上がっていませんし、これからいかに身が入って来るかではないのでしょうか。問題はその時に、どのぐらいのボールを投げられるようになっているか。

 ただし、これだけ動ける身体能力があるということは、極めて高いポテンシャルを秘めている可能性があるということ。その能力が引き出されたら、どんな投手になるのか?という期待は抱きます。現在の姿からは想像できないぐらい、凄い投手に育つかもしれません。





(投球フォーム)

今後の可能性を模索する意味でも、投球フォームから考えてみましょう。

<広がる可能性> 
☆☆☆

 引き上げた足を地面に向けて伸ばすので、あまりお尻は一塁側に落とせていません。すなわち体を捻り出すスペースが確保できておらず、カーブで緩急つけたり、フォークのような縦に大きく落ちる球種には、実は適していないことがわかります。現時点で、これらの球の曲がり・精度が中途半端なのは、このフォームに原因があるのではないのでしょうか。

 しかしながら「着地」までの足の逃しは悪くなく、あっさり地面を捉えずに体を捻り出す時間が確保できているのは良いところ。そのためカーブやフォークといった球種には適さないものの、将来的に良い変化球を身につけられる可能性は感じます。

<ボールの支配> 
☆☆☆☆

 グラブは最後まで体の近くに抱えられ、両サイドの投げ分けは安定するはず。しかし現時点では、それほど球筋は安定していません。足の甲での地面の押し付けもよく、もっと元来ならば低めに集まっても良さそう。「球持ち」も悪くなさそうなのですが、指先の感覚が悪いのか? 動作の割にコントロールが安定していないのは気になります。この辺は、体が出てきて体幹がしっかりしてきた時には安定してくるのか、注目してみたいポイント。

<故障のリスク> 
☆☆☆

 お尻を落とせない割に、フォークやカーブを多く投げて来るので、肘への負担は気になります。こういった球を投げるなとは言いませんが、もう少し使う頻度を減らしポイントポイントで使うようにすべきではないのでしょうか。あとお尻を落とせるようにするために、もう少し高い位置でピンと足を伸ばす意識を持った方が良いでしょう。バランスを保つのが難しいのですが、幾分二塁方向へ向けることで安定します。

 長身でありながら、腕もかなり角度をつけて投げてきます。しかしこの投手の場合、腕の送り出しに無理は感じないので、肩への負担は少ないのではないかと思います。角度をつけても無理がないという選手は貴重なので、この点は評価したいポイント。

<実戦的な術> 
☆☆☆

 「着地」までの粘りはあるので、打者としては合わせやすいフォームではありません。体の「開き」は並ですが、長身から繰り出す角度があるため、打者としては打ち損じることも少なくないのではないのでしょうか。

 もう少し腕を強く振れるようになると良いと思いますし、ボールにもまだ充分という程は体重は乗せられていません。しかし下半身が使えていないフォームではないので、もう少し股関節の可動域が広がり、下半身も強化されれば、この辺は自然と改善されるのではないのでしょうか。

(フォームのまとめ)

 投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」の観点でみると、どれも突出したものはありませんが、逆に大きな欠点もありません。そのため筋力・柔軟性を強化して行く段階で、更にこれらが良くなって行きそうな土台の良さを感じます。

 「コントロール」を司る動作も良いですし、あとはお尻が落とせないので、カーブやフォークに頼り過ぎないピッチングを模索すべきではないのでしょうか。


(最後に)

 現状は、まだドラフトの本会議で指名される程の力はないでしょう。しかし素材としての可能性を感じさせる素材であり、逆にこういう選手を育成枠で指名するというのならば、なるほどなと思える選手です。

 イメージ的には、牛田 成樹(明治大~ベイスターズ)投手の、徳島商時代を彷彿とさせます。段階を踏んでステップアップして行ければ、今回指名がなくても、いずれはプロという可能性は充分あると思います。志しを高く持って、レベルの高いところで野球を続けて行って欲しいですね。今は指名リストには名前を入れませんが、期待して見守って行きたい一人です。


(2015年夏 甲子園)