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内間 敦也(沖縄・コザ)投手 171/87 右/右 
 




 「この夏の沖縄NO.1投手」





 将来云々は抜きにして、高3の夏という時点で見れば、今年の沖縄NO.1投手は、この 内間 敦也 だったのではないのだろうか。171/87 というガッチリした体格の持ち主で、投げっぷりの良さと県下最速投手という意味では、それに相応しい投球をしていた。


(投球内容)


ワインドアップから、ゆったり足を引き上げて投げ込んで来るオーソドックスタイプ。

ストレート 常時140キロ台~MAX89マイル(142.4キロ)

 試合序盤から、セルラースタジアムのガンでは140キロ台を連発。私は飛行機の関係で序盤戦しか観られなかったが、試合中盤からは140キロ台中盤の球速も連発していたという。ビシッとした球を両コーナーに投げ分け、内角を意識的に突く強気の投球も光っていた。

 この選手、こういった気持ちの強さ・投げっぷりの良さ、そしてボールをコントロールできるコマンドの高さを持っている。力だけでなく技も兼ね備えており、バランスが取れている。上背に恵まれていれば、当然ドラフト候補として名前があがっていただろう。

変化球 スライダー

 変化球は、横滑りするスライダーとのコンビネーション。そのため投球自体にそれほど深みはないが、それでも相手に捉えられないだけの、ボールの威力とコントロールがある。今後、いかにピッチングの幅を広げ、投球に深みを持たせられるかが課題ではないのだろうか。

その他

 この選手、野球センスが高いというよりも、身体能力・運動神経に優れているのだろう。クィックは、1.0秒前後の高速クィックを使え、牽制も中々鋭い。そういった投球以外の部分にも、この選手は優れている。

(投球のまとめ)

 大学や社会人に進んでも、一年目から活躍して行けそうなだけの、技術・力・精神力・体力が兼ね備えられている気がします。上背はありませんが、身体には力があり、将来的には150キロ台を連発しても不思議ではありません。

 高校からプロに行くようなタイプではありませんが、大学ではなくいきなり社会人に入っても、ある程度やれてしまうのではないかという気がします。今年の沖縄の中でも、最も全国の舞台に立って欲しかった投手です。





(投球フォーム)

その完成度の高いピッチングを支える、技術という意味ではどうでしょうか? 

<広がる可能性> 
☆☆☆

 引き上げた足は地面に向けて伸ばすので、お尻は一塁側に落とせません。そういった意味では、カーブで緩急をつけたり、フォークのような縦に鋭く落ちる球種には適さないと考えられます。

 「着地」までの粘りは平均的で、身体を捻り出す時間もない。そういった意味では、今後何か武器になる変化球を身につけられるかは微妙です。その辺が、伸び悩む要素としては残ります。

<ボールの支配> 
☆☆☆☆

 グラブは最後まで体の近くにあり、両サイドの投げ分けも安定。足の甲でも地面を捉えることができ、低めに集められるわけではありませんが、ソコソコボールを抑えこむことはできています。「球持ち」もまずまずで、ボールを上手くコントロールできています。

<故障のリスク> 
☆☆☆

 お尻は落とせないフォームですが、カーブやフォークといった肘に負担がかかるボールは投げないので、問題ありません。

 振り下ろす腕の送り出しにも無理は感じませんし、使い減りのしないタフなリリーフでの活躍も期待できます。

<実戦的な術> 
☆☆☆☆

 「着地」までの粘りはそれほど感じませんが、体の「開き」は抑えられています。そういった意味では、コースに集めていれば痛手は喰らわないでしょう。

 腕を強く振れるので、速球と変化球の見極めは困難。ボールにも上手く体重が乗せられており、生きた球を打者の手元まで投げることができます。

(フォームのまとめ)

 投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」においても、すべての部分で高い技術でまとまっていて、大きな欠点がない。

 コントロールを司る動作も良いし、それほど故障のリスクも高くないなど、非常に完成度の高いフォームになっている。


(最後に)

 この選手は完成度も高いわけだが、今後伸びしろがないかと言われるとそうでもないだろう。身体に力があるので、更に球威・球速を増すことも期待できる。

 今後良い変化球を身につけられるかは微妙なフォームではあるが、現状スライダーのみで抑えているわけで、新たに球種を増やすことで、ピッチング内容も変えて行ける余地が残されている。

 社会人あたりに進めば、高卒3年でプロ入り、投げっぷりの良さからリリーフあたりで即戦力。そんな期待も抱きたくなるような存在であり、これからも この名前を覚えておいて損はないはず。指名リストには入れないが、将来極めて有望な一人ではないのだろうか。


(2015年夏 沖縄大会)