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藤岡 裕大(24歳・トヨタ自動車)遊撃手の最終寸評へ







藤岡 裕大(23歳・トヨタ自動車)遊撃手のスポニチ大会寸評へ








藤岡 裕大(亜細亜大3年)内野 177/73 右/左 (岡山理大附出身) 
 




                    「ようやく素質爆発」






 岡山理大附時代から、MAX148キロを投げ込む速球で、その才能を高く評価されていた 藤岡 裕大 。亜大進学後は、その高い身体能力を活かし、1年春からリーグ戦で活躍。非凡な才能は誰もが認めるところだったが、中々才能が数字に現れることがなかった。しかし3年秋のシーズンで、打率.380厘で初の東都首位打者に輝く。


(守備・走塁面)

 打球への反応を活かした広い守備範囲、抜群の強肩を活かしたスローイング、そしてスピード感溢れるプレーと、素材としての魅力は一級品。しかしその一方で、サードとしては素晴らしいものの、ショートとなると安定感に欠けるところがあり、ミスが目立つのも確か。それほど長打で魅了するタイプではないだけに、プロの三塁手としては物足りない。この選手が評価されるには、ニ遊間でアピールしてナンボ。再び最終学年では、ショートでアピールするという。

 一塁までの塁間は、4.0~4.2秒台ぐらいでしょうか。俊足ではありますが、プロでアピールするほど絶対的な脚力は魅せません。その証に、亜大での6シーズンの成績を見ても、最多で3盗塁までで、現状中の上ぐらいのイメージが強いです。

 将来的には、プロではニ遊間は厳しく、三塁としては物足りない。二塁あたりを起用にこなせれば良いのですが、強肩を活かして外野コンバートという可能性が高いのかな?とは思っています。しかしプロの外野手となると、相当な打力が求められるので、三塁同様に埋もれてしまう危険性はあるのでは?





(打撃内容)

 そのポテンシャルの高さで、スタンドインできるパンチ力も秘めています。しかし今は、バットを短く持って対応力を強く意識しているのではないのでしょうか? 今回分析する打撃フォームは、大学選手権のものなので、秋に何か大きく変わったかは確認出来ていませんが、参考程度に読み進めて頂ければと思います。細かくは見ていないのですが、秋の動画も確認した感じでは、目に見えて大きな変化は読み取れませんでした。

<構え> 
☆☆☆☆

 前足を少しだけ引いて、グリップの高さは平均的。背筋を伸ばし、全体のバランスとしては並ですが、両目で前をしっかり見据え、ボールを錯覚することなく追う姿勢が出来ています。それでいて手首に力みは感じられず、理に適った構えではないのでしょうか。

<仕掛け> 早めの仕掛け

 投手の重心が下がりはじめるときには動きだす、「早めの仕掛け」を採用。これは、早めに動き出すことで、速球でも変化球でも対応しやすい、アベレージヒッターの始動です。

<足の運び> 
☆☆☆☆

 足を軽く浮かせ、回しこんできます。始動~着地までの「間」が充分取れており、速球でも変化球でも幅広く対応しやすいはず。ベース側に軽く踏み出すインステップを採用。外角を意識したスタイルですが、左のアベレージ打者がインステップを採用すると、一歩目のスタートが遅くなり率が残り難くなります。ちょっと秋の動画を観た感じでは、これを少し真っ直ぐ踏み出したり、軽くアウトステップ気味にしたのかなという変化が感じられるのですが、その辺は春以降しっかりチェックしてみたいポイント。踏み込んだ足元はブレないので、外角や低めの球にも食らいつくことが出来ます。

<リストワーク> 
☆☆☆☆

 あらかじめバットを引いて、「トップ」に近い形を作っています。そのから、そのままインパクトまで降り下ろして来るシンプルなスイング。ただしプロレベルの投手相手だと、「トップ」も浅く、はじき返せるのか?という疑問も残りますが、高い肉体のポテンシャルを秘める彼ならば、これで結果を残せる可能性はありますが。

 バットの挿入角度にはロスを感じませんし、スイング軌道に無駄は感じません。しかし秋生で見ていて思ったのは、意外に外の球をスパンと叩けないところ。むしろ真ん中~内角よりの球を巻き込んだりするのは上手いのですが・・・。

<軸> 
☆☆☆☆

 足の上げ下げが静かなので、目線がほとんど上下動しないでの、ボールを狂いなく捉えられます。足元がインパクトの際にブレるわけではないのですが、ステップが狭すぎるせいか? 真ん中~内角を巻き込むのには優れるものの、外の球を長~く追って捉えるのが上手くありません。腰の回転を活かして、綺麗に振りぬきたいのはわかりますが、その辺が秋でも気になりました。そのため軸足が、空振りのあとバランスを崩すなど、スイングの上半身と下半身のバランスが、けして良くないことに気がつきます。

(打撃のまとめ)

 一時よりは迷いも消えて、その能力を試合で発揮できるようになりました。強打者というプライドを捨てバットを短く持って、貪欲に結果を求めてきた形が、秋に実ったのだと思います。

 その一方で、来る球に対し素直にバットが出て結果を残しているのかと思いきや、外角の甘い球を打ち損じたりと、まだ物足りなさを感じます。その辺が、今後の課題ではないかと感じます。


(最後に)

 持っているポテンシャルは、まさにプロの素材という気がします。しかしその割に、三塁としてはパンチ不足、ニ遊間としては技量不足が目につき、プロを想定すると居場所が見出し難いのが気になります。この辺は、早稲田の 茂木 栄五郎 と良く似ています。しかし幸いにして、肩という明確な武器があるので、外野へのコンバートが将来的には期待できます。

 この秋の結果が、感覚や高い潜在能力によってのみ持たされてものではなく、考えて積み上げてきたものならば、最終学年でもそれなりの結果は残せるはず。それを示すならば、大学からのプロ入りも充分期待できるのではないのでしょうか。プライドを捨て割り切りが出来たことを高く評価したい一方、それを持続し追求できるのか春のリーグ戦では確認したいところです。


(2014年 大学選手権)