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横尾 俊建(日ハム)内野手のルーキー回顧へ







横尾 俊建(慶応大4年)三塁 177/90 右/右 (日大三出身) 
 




                 「ボールの呼び込み方が良くなった」





 春までは、独特の脆さがあり、何処か消化不良の打席が多かった 横尾 俊建 。しかしこの秋は、アウトになっても内容のあるアウトが増えており、最後の最後で良い形でラストシーズンを締めくくれたのではないのだろうか? 何が変わったかと言えば、ボールを呼びこむまでの形が良くなり、打席でも余裕を持って投手と対峙できるようになっていた。


(プレースタイル)

 日大三高時代から、甲子園優勝チームの中心メンバーとして活躍。しかし何処か脆いというか粗い部分があり、ピンと来るものが感じられない選手だった。その体格から長打力を望む声が大きいし、本人もそれを目指している感じがする。しかしこの選手の本質は、勝負強さを売りにする中距離打者なのだろうなと今でも思うのだが。その割り切りができるかが、最後のシーズンでの見極めのポイントだったのだが・・・


(走塁面:走塁偏差値40)

 一塁までの到達タイムは、右打席から頑張って4.55秒前後。これを左打者に換算すると、4.3秒前後ぐらいか。ドラフト指名された右打者のタイムで偏差値化すると、この最も早く走ったタイムでも 偏差値は 40 。下位19%以下に収まる走力であることがわかる。正直プロでも、走力は下の方に属する。

(守備面)

 その一方で、三塁手としての守備はかなり上手い。打球への反応もよく、結構守備範囲も広い。時には、ショートが捕ろうという打球をかっさらって、アウトにしてしまう場面も観られる。また逆シングルなどからの、深いところからアウトにできる強肩も持っており、プロでも三塁手として勝負できる確かな守備力を持っている。この点では、プロの打球に馴れさえすれば問題ないはず。

(打撃内容)

 広角に打ち返す中距離打者への割り切りを持ってと言ってきたが、あくまでも長打にこだわり、そこの資質をより延ばすことでラストシーズンも挑んできた。

<構え> 
☆☆☆

 あらかじめ前の足を引いて構える、右オープンスタンス。グリップの高さは平均的で、腰はグ~とボールを呼びこむ時に沈んで来る。全体のバランスとしてはイマイチだが、両目で前をしっかり見据えることができ、球筋を錯覚を起こすことなく追うことができている。

<仕掛け> 遅めの仕掛け

 春までは、始動がリリース直前と遅すぎた。それを投手の重心が沈みきって前に移動する段階にするなど、若干始動を早めている。これにより動作に余裕が生まれたことが、打撃にも良い影響を及ぼしたのでは? 

 この仕掛けは、天性の長距離打者が採用するものであり、彼がより長打力を高めた理由もわからなくはない。特にボール手元まで上手く引きつけ、そこからはじき返せるようになってきている。

<足の運び> 
☆☆☆

 足を軽くあげて、真っ直ぐ踏み込んできます。始動~着地までの「間」は短いので、それほど瞬時にスピードの変化には対応し難い打ち方。それだけに狙い球を絞り、その球を逃さないことが求められます。その精度が、春よりは上がってきているように思います。

 春はベース側にかなりインステップ踏み込むスタイルだったのを、真っ直ぐ踏み出すように変えて、内角でも外角でも幅広く対応するように変えてきました。踏み込んできた足元も、インパクトの際にはブレず外の球でも叩くことができます。これで勝負どころでは、センターから右方向への意識も持てれば、もっと率も打点も増えるのにという気はします。

<リストワーク> 
☆☆

 ちょっとフォーム分析にした元の映像が、終盤の早慶戦だったので調子が落ち気味だったのかもしれません。打撃の準備である「トップ」の形を作るまでに、バットを引くのが遅く立ち遅れていた可能性があります。

 バットの振り出しに関しては、腰が早く逃げて肘が下がって遠回り出てくるという、大きな欠点が未だに改善できていません。しかしながらバットの先端であるヘッドは、インパクトの時にはそれほど下がっておらず、ドアスイングというほどではないように思います。

 更に春以上に、スイング後半の弧が大きくなり、より打球を飛ばそうという意識を感じます。ただしフォロースルーなどを使えて飛ばしているわけではないので、腕っ節の強さだけで飛ばそうとするので、まだまだ本物という感じはしません。彼が強引に引っ張っるのは、そうではないと打球が遠くに飛んで行かないからだと考えられます。

<軸> 
☆☆☆

 足の上げ下げは大きくはないのですが、目線の上下動は並ぐらい。体の開きは我慢できており、軸足の安定感もそれなりでしょうか。

(打撃のまとめ)

 構えの違和感も薄れ、極端に遅かった始動の遅れを改善し、強烈なインステップもやめて、よりオーソドックスなスタイルに変えてきました。このことが、良い感じで打席での余裕・ボール読み込むまでの「間」生んで、ラストシーズンに結果となって現れたように思います。

 まだまだ課題も多いのですが、そうやって変えて行こうという明確なものが感じられるところは良いところ。あとは、追い込まれてからはセンターから右方向などへと割り切れるようになれば、もっと厄介な打者になるのではないのでしょうか。あえて中途半端になるのを恐れて、極端までの長打狙いでアピールしようと思ったのかもしれませんが。

(最後に)

 まぁこれだけの強打者でありながら、三塁守備での不安がないところも彼の大いなる強味。打者としての資質・スケールは、それほど感じません。しかし変えて行こうとする意識、勝負どころでの気持ちの持ち方にも良い兆しが見え、高い評価はできませんが、指名リストに載せてみようかなという領域に、ようやく到達してきました。

 6位での指名したというのも、現時点では妥当の評価であるように思います。この指名がお得なものだったかどうかは、今後の彼の取り組みと意識次第。プロでレギュラーにまでは至らないかもしれませんが、後藤 武敏(DeNA)のような勝負強さを売りに、代打の切り札、短期間のレギュラーの穴埋め等で存在感を示すかもしれません。そういった部分で、長く球界で生き残って行ってくれるのではという期待は抱きたくなります。


蔵の評価:
(指名の最後の方ならば)


(2015年秋 早慶戦)









横尾 俊建(慶応大)三塁 175/86 右/右 (日大三出身)





                    「変わっていなかった・・・」





 昨秋のリーグ戦では、3本塁打・14打点 と勝負強い打撃を見せて、最終学年での飛躍が期待された 横尾 俊建 。全国制覇した日大三高の4番打者として活躍した打者が、いよいよプロ入りを視野に入れるかと期待された春のリーグ戦。しかし 2本塁打・5打点 打率 .250厘 と完全に伸び悩み期待を裏切った。


(プレースタイル)

 元来ボールを遠くに運ぶスラッガーというよりは、勝負強さを売りにするポイントゲッター。意識しなくてもボールに角度がつく天性の長距離打者とは違い、意識して長打を狙おうとしないと、中々打球は上がって来ない。しかしそうすることで、バランスを崩す中距離打者は少なくない。あくまでもこういった選手は、ヒットの延長線上がホームランになる、そのぐらいの意識がないと厳しいだろう。気になるのは勝負強さが売りの打者が、この春は5打点に終わったこと。ホームランや打率の数字が伸び悩む以上に、打点が少なかったことは大きなマイナスポイントだった。


(守備・走塁面)

 一塁までの塁間は、右打席から頑張っても4.55秒前後。これを左打者に換算しても、4.3秒ぐらい。それだけにプロに混ぜても、かなり遅い部類だと言えよう。上のレベルでも、足を売りにするとは考えづらい。

 三塁手としては、打球への反応・キャッチングなども安定。三塁手ということならば、プロでも合格点は与えられるはず。深いところからでも刺せる確かな地肩があり、現状プロレベルといえるのは、この守備のみ。それならば他のポジションを期待できるのか?と言われると、一塁ぐらいかなという気はしてくる。特に動けるタイプではないので、あえて外野にコンバートする理由は見つからない。

(打撃内容)

 昨秋は、上手くボールの下にバットを潜らせ、飛ばすコツを掴んだかな?と思えたものの、それほど良くなっていなかった。やはりこの選手は、ホームランはそれほど出なくても、勝負強さや二塁打などの長打で魅了するのが持ち味だと考えられる。

<構え> 
☆☆

 前足を軽く引いて、バットは寝せているものの、グリップは高めに添えています。腰がへっぴり腰になっており、全体のバランスとしてはどうでしょうか? 腰を秋より引いているのは、ボールをそれだけ内に呼び込みたいという、意識の現れでしょうか? ボールを両目で見据える姿勢は悪くありませんが、秋よりもアンバランスな癖のある構えになっていました。

<仕掛け> 遅すぎ

 投手の重心が下がりきって、リリース直前に動き出す「遅すぎる仕掛け」を採用。元々始動は遅いタイプでしたが、更にアクションを小さくして、より始動も遅くしていました。ここまで遅いと、打てるポイントは絞られてしまい確実性が下がります。特に天性の長距離砲でもない彼が、このような仕掛けを扱うメリットは少ないと考えられます。

<足の運び> 
☆☆☆

 ギリギリまで始動を遅らせ、小さくインステップして踏み込んできます。始動~着地までの「間」がないので点の打撃になり、狙い球をより逃さないことが求められます。ベース側にインステップして踏み込んでくるので、外角を強く意識しているのがわかります。構えた時には懐を空けており、実際の打撃では外角を重視しているという、非常に矛盾したスイングをしています。

 踏み込んだ足元はブレないので、外角の球をキッチリ叩く姿勢はできています。しかしこの春は、強引な引っ張りが目立ち、引っ掛けてしまうことも少なくありませんでした。素直に外角球を、センターから右方向への意識を持ちたいところ。

<リストワーク> 
☆☆

 打撃の「トップ」を作るのは遅くはなく、始動が遅さをおぎなっています。しかし「トップ」~「インパクト」のスイング軌道は、あいかわらず肘が下がって出て遠回り。バットの先端のヘッドも下がって出てくるので、余計に遠回りになり確実性が損なわれます。昨秋よりも、更にロスが大きなスイングになってしまっており、現状は出たとこ勝負の一か八かのスイングでしかありません。これでは、成績が伸び悩むのも当然でしょう。

<軸> 
☆☆☆

 結構自分からボールに向かっていってしまい、目線はそれなりに動きます。体の開きは我慢できていますし、軸足には強さは感じられます。しかし昨秋のように軸足が地面から伸びるような安定感はなく、体が突っ込むことが多かったのではないのでしょうか。

(打撃のまとめ)

 試行錯誤の上、自分に合ったスタイルを模索しているのかもしれませんが、現状は昨秋よりも内容が劣化していると言わざるえません。方向性が悪いのか、本人の考えるセンスがないのかはわかりませんが、自分が勝負強さが売りのタイプだという割り切りができない限り、同じことが続くのではないのでしょうか?


(最後に)

 ドラフト候補としてのポテンシャルは低く、なんとか努力や意識の部分で工夫して、プロのレベルに到達するかどうか?というレベルの選手。それでも昨秋の流れならば、最終学年での飛躍も期待できました。しかしその期待は、完全に裏切られた気がいたします。

 右の強打の三塁手&日大三高時代のインパクトもあり、志望届けを提出すれば指名する球団がでてくるかもしれません。しかし私は、秋によほど変わらない限り指名リストに名前を載せることはないと思います。一途の望みを持って今後も追跡して観て行きたいですが、その可能性は極めて低いと言わざるえないでしょう。


蔵の評価:
追跡級


(2015年 春季リーグ戦)









 横尾 俊建(慶応大3年)三塁 175/86 右/右 (日大三出身) 





                  「村田修一(巨人)に似てきたなぁ」





 最近の横尾を見ていると、打ち終わったあとのスイングが、 村田 修一(巨人)に良く似てきているのに気がつく。本人も、同じ右打ちの三塁手である 村田 を強く意識してプレーしているのかもしれない。


(守備・走塁面)

 1年生の頃から6シーズン試合に出続けていますが、通算で3盗塁と殆ど足でアピールすることはありません。実際あまり本気で駆け抜ける姿が見られないので、正確なタイムはよくわからず。そういった走塁でアピールしようという意識は、この選手にはありません。

 三塁手としての打球への反応、グラブ捌き、スローイング共に、日大三時代よりもワンランクレベルが上がっているように思います。村田修一もそうですが、横尾も三塁手としては上手い部類であり、プロでも三塁を任せられるレベルにあると考えます。特に深いところから刺せる肩もありますし、打球への勘も悪くない、そういった意味では問題ないのでは。あくまでもこの選手は、サードをやってナンボというタイプでもありますが。

(打撃内容)

 2年秋に4本、3年春・秋で3本ずつと、この3季で10本のホームランを放っています。右にも左にも大きいのが打てるのが特徴であり、スイング軌道は下から出てくるような一発を強く意識したスイングになっています。意識しなくてもホームランを打ててしまう谷田とは対照的に、意識して長打を狙っているフシがこの選手からはうけます。

<構え> 
☆☆☆

 スクエアスタンスで、グリップを高めに添えます。腰の据わり具合・全体のバランス・両目で前を見据える姿勢など並ぐらいでしょうか。特に威圧感を感じるとかそういった迫力はなく、少し構え全体が固いかなという印象。

<仕掛け> 遅めの仕掛け

 投手の重心が下がりきって、前に移動する段階動き出す「遅めの仕掛け」を採用。これは、天性のスラッガーが生粋の二番打者が多く採用するタイミングで、彼の場合は完全に前者でしょう。高校時代よりも始動を遅くして、じっくりとボールを絞って叩くスタイルに変わっていました。より長打距離打者の傾向が、強くなったと言えるでしょう。

<足の運び> 
☆☆☆

 始動~着地までの「間」がないので、完全に「点」のスイングになります。それだけ狙い球を絞って、その球を逃さないことが求められます。軽くベース側にインステップするように、外角寄りに意識はありそう。それでも内角の球を、強引に引っ張る姿も良く観られます。踏み込んだ足元もブレないので、外角の厳しい球や低めの球を上手く払うことが出来ています。特に左打者外角の、チェンジアップ系の球を右方向にはじき返すのが上手い感じがします。

<リストワーク> 
☆☆☆

 打撃の準備である「トップ」の形をつくるのは自然体で、特に問題はありません。しかしバットの振り出しが肘が下がって遠回りに出てくるので、トップ~インパクトまでのボールを捉えるまでのスイング軌道に課題を感じます。この辺が、率が上がって来ない最大の要因ではないのでしょうか。

 それでもボールを捉えるときにはヘッドは下がっておらず、インパクトの瞬間には広い面積でボールを捉えることが出来ています。そして大きな弧を描きつつ、フォロースルーでも高い位置まで引き上げることで、ボールを遠くに運ぶ技術があります。この辺のリストの使い方は、同じ長距離打者である 谷田 成吾(慶応大)には見られない特性です。

 あえてボールを上げるために、下からくぐらせるようなスイングをしているのかもしれません。単純に率だけを意識するのであれば、もっと上からバットを振り下ろす挿入角度をいじる必要があると思いますが、長打が売りの彼がここを修正するのが好いことかは悩むところでしょうか。現状は多少ロスのある軌道でも、ヘッドスピードを速めてこの欠点を補っている印象があります。

<軸> 
☆☆☆☆

 足の上げ下げは大きくないのですが、目線の上下動は並ぐらいでしょうか。体の開きはなんとか我慢でき、軸足が地面から真っ直ぐ伸びているのは好感。軸を起点に、上手く回転して打てています。

(打撃のまとめ)

 肘が下がって出てくるスイングで、ボールを捉えるまでの技術に課題を感じます。しかしあえて下からバットをくぐらせることで、ボールを遠くに運んでいるフシがあり、これを否定して改善することが、イコール彼のためになるのは微妙でしょう。そのロスをあえて覚悟の上で行って、その分ヘッドスピードを磨くことでロスを最小限に抑える、そんな打撃を目指しているように思います。特にヘッドスピードは、日大三時代よりも遥かに切れが出てきました。

(最後に)

 谷田同様に、打率が上がって来ないのが最大の課題。それでもここ二季は3割前後をマークしており、全く脆いという感じは致しません。これを3割5分レベルぐらいまで引き上げることが出来ると、ドラフトでも面白い存在になり得るのでは?

 あとは、どのぐらいの順位でもプロ入りする気持ちがあるのかということ。現状ならば、それほど上位は期待できないでしょう。それでもプロに行きたいという明確なものを示すかが、大事ではないのでしょうか。彼のような強打者タイプは、アマでチマチマ育てても期待どおりには伸びないでしょうから、個人的には一か八かでプロの指導を煽った方が得策だと思います。順位に関係なく指名してくれるというのならば、大学からプロの世界に飛び込むべきではないのでしょうか。あとは、最終学年でのアピール次第です。


(2014年 秋季リーグ戦)
 







横尾 俊建(日大三3年)三塁手 夏の大会レポート








横尾 俊建(日大三3年)選抜寸評へ








横尾 俊建(西東京・日大三)三塁 174/84 右/右

(どんな選手?)

 2年生ながら、強打・日大三高の4番を任された強打者。選抜では、決勝戦も含めて、すべての試合で2安打以上のヒットを放つなど、その打撃が全国レベルでも通用することを証明致しました。来年に向けて、伝統の強力打線を引っ張る存在になる選手だと言えるでしょう。

(守備・走塁面)

 一塁までの到達タイムは、勢いを緩めも4.85秒前後。通常勢いを緩めたような場合は、0.2秒ぐらいマイナスすると、元来の速さがあるものだと想定できるが、そう考えると塁間4.65秒前後。これを左打者換算すると、更に0.3秒引いて4.35秒前後ぐらいにが、本気で駆け抜けた時の走力だと考えられる。ただ塁間を緩めるように、走力に対する意識は低く、新チーム結成以来の22試合で、僅かに盗塁は1個。走力如何に関わらず、足を売りにするタイプではないことがわかった。

 また三塁手としても、けして上手い部類の三塁手ではない。特に上から叩きつけるようなスローイングは、地肩こそ強いけれども、制球力は不安定で安定感に欠ける内容となっている。守備・走力共に、基準以下であり、まだまだこれからの成長に期待したい。

(打撃内容)

 最大の売りは、新チーム結成以来・チーム最多の29打点を稼ぐ勝負強さにあるようだ。

 少しクローズスタンス気味に構え、グリップを高めに添える強打者スタイル。腰の据わり・全体のバランス・両目で前を見据える姿勢などは、さほど良いとは言えない。しかし打席では、自分のリズムで立てており、リラックスして構えられているのは良いのではないのだろうか。

 仕掛けは、「平均的な仕掛け」を採用するように、中距離・ポイントゲッタータイプ。足を大きく引き上げて回し込むなど、着地までの「間」が稼げていることからも、ある程度打てるポイントは多そう。ただ残念なのは、踏み込んだ足下がインパクトの際にブレてしまうなど、打ち損じの多いタイプ。打撃も引っ張って巻き込むのは良いが、外角への厳しい球には苦労しそう。

 打撃の準備段階である「トップ」を作るのは平均的。上からバットを振り下ろそうと言う意識があり、ボールを捉えるまでのスイング軌道には大きなロスはない。ただ長打を意識しすぎているのか?少しバットが下から出て来るなど、ロスを感じなくもないスイング。体軸の安定感もイマイチで、まだまだ自慢の打撃にも、課題が多いことがわかった。

(今後に向けて)

 守備・走力などの総合力に欠け、打撃も開きが我慢できないなど、課題も少なくない。ただ強打者の割に、ボールを捉えるセンスは悪くないので、その点は今後に向けても明るい材料。守備・走力のレベルを引き上げ、来年度は、東京都を代表する強打者に育って欲しい!

(2010年・選抜)