15dy-19
板山 祐太郎(亜細亜大)中堅 180/79 右/左 (成立学園出身) |
「あんまり気にしたことがない」 1年生の頃からリーグ戦に出場しているものの、どんな選手?と聞かれると、三拍子バランスの取れたアスリート系選手 というイメージぐらいしかなく、正直あまり真剣に見たことがない選手でした。本格的にリーグ戦に出場するようになったのは、3年生になってからです。 (走塁面:走塁偏差値 52.9) 一塁までの到達タイムは、左打席から4.1秒~4.2秒ぐらい。これをドラフト指名された左打者のタイムで偏差値にすると、52.9ぐらい。それ以上かかっていることもあるので、おおよそ平均レベルの脚力と観て良いでしょう。神宮大会でも積極的に盗塁を仕掛けていましたが、リーグ戦では0~3個程度なので、それほど足を売りにする選手ではないことがわかります。 (守備面) 中堅だけでなく、右翼手として出場することもあります。元々二塁手で、大学の途中で外野手に。打球への勘もよく、落下点までの入り方も悪くありません。一歩目が速いこともあり、守備範囲もかなり広い。肩も低い球筋で、ググッと伸びてくる強肩。守備に関しては、プロでも即戦力レベルだと考えられます。 (打撃内容) レギュラーを掴んだ3年春以降は、毎シーズンホームランを記録。通算5本塁打と、パンチ力を秘めた左の好打者。阪神で言えば、緒方 凌介 タイプでしょうか。 <構え> ☆☆☆☆ 前足を軽く引いて、グリップの高さは平均的。背中をスッと伸ばし、腰の据わり具合、全体のバランスがよく、両目で前を見据える姿勢も悪くありません。全体に悪いところがなく、緊張感のある良い構えだと思います。それでいて、特に力みも感じられません。 <仕掛け> 早め 投手の重心が下る時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。これは打率を重視した、典型的なアベレージヒッターが採用する仕掛け。ですからツボにハマればスタンドインの体の強さはありますが、本質的には好打者なのでしょう。 <足の運び> ☆☆☆☆ 足を早めに上げて、少し下ろす時に独特の足の動かし方をします。始動~着地までの「間」はあり、速球でも変化球でもそれなりに対応。踏み込みも、コースによって踏み込むこともあれば、開いて踏み込みもこともあり、自在に使い分けておりコースへの対応も幅広い。そういった意味では、大きな穴はありません。 <リストワーク> ☆☆☆☆ ちょっと打撃の準備である「トップ」の形を作るのが、遅れる時があります。それほど極端ではないのですが、立ち遅れる時があるので注意したいところ。 バットの振り出しは、けしてインサイド・アウトではありません。外の球をロスなくスイングする技術はありますが、少し内角の捌きに差し込まれやすいスイングでしょうか。それでもバットの先端であるヘッドも下がっていませんので、ボールを広い面で捉えており、アベレージヒッターらしいスイング。 ボールを捉えてからは、大きな弧を描いたりとか、フォロースルーを使って遠くに運ぶというよりは鋭く振り切るタイプだと考えられます。 <軸> ☆☆☆☆ 足の上げ下げも静かなので、それほど目線は上下動しません。体の開きも我慢できていますし、軸足にも粘りを感じます。 (打撃のまとめ) 4年間の通算打率が.287厘 ということで、それほど対応力に粗さやひ弱さがあるわけではありません。また緩急への対応、コースへの対応もそれなりで、幅広くボールを捉えることができるタイプ。特に素晴らしいのは、膝の使い方が柔らかく、低めの球にうまく合わせることができる点でしょうか。 逆に言うと、ここにくればというツボがあるわけではないように見えます。すべてがソコソコ対応できるけれど、逆にここなら絶対打ち損じないという「鋭さ」や、ここならスタンドインできるという「強さ」が感じられるわけではないということ。 (最後に) 三拍子すべてにそれなり、打撃でも何処球に対してもそれなりにというバランスが取れた選手。そういった器用な一面がありながら、何か絶対的な強味がないように感じます。 やはり売りとなると、三拍子の中では守備でしょう。これに関しては、即一軍レベルにあると考えられます。ここから信頼を得て、出場機会を増やしてゆくタイプではないのでしょうか。 この手のタイプにしては、走力が平凡なのと打力がそこまで抜けていないので、指名リストに入れるほどのインパクトは感じませんでした。しかし細かく観てゆくと、思った以上に打撃技術は高いのだなと関心します。あとはプロの指導を受けて足りない部分を補い、成長して行って欲しいと思います。数年後には、一軍への昇格も期待できそうです。 (2015年 神宮大会) |