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國場 翼(西武)投手のルーキー回顧へ







 國場 翼(第一工業大4年)投手 181/81 右/左 (具志川出身)





                      「あと一つ勝ってくれれば」





 神宮大会九州代表決定トーナメントにおいて、第一工業大はあと一つ勝ってくれれば確認できたのにと思うと、なんとも残念でならない。第一工業大に、プロ志望届けを提出していた選手が二人いただけに、なんとも気になっていたのだ。そうこのチーム選手は、近年毎年のように、プロに選手を送り出していたから。そんななか今年も、國場 翼 投手が西武から指名される。幸いにして知り合いが、動画でこの選手の投球を撮影。フォームを、無事確認することができた。


(投球内容)

 2球の動画だったのでわかったことは、非常に腕の振りが好いということ。そしてそこから繰り出すフォークが、結構効果的だということ。140キロ台中盤の速球に加え、カーブ・スライダーフォークなどを織り交ぜる、正統派右腕だという。

(投球フォーム)

 投球の詳細は確認できなかったので、フォームを分析することでイメージを膨らませて行きたい。

<広がる可能性> 
☆☆☆☆

 引き上げた足を地面に向けて伸ばすというほどではなく、適度に地面から高さがあり、お尻はある程度一塁側に落とせている。そのため甘さは残るものの、身体を捻り出すスペースを確保。カーブで緩急を利かしたり、フォークのような縦の変化球を投げるのにも無理はなさそう。

 「着地」までの粘りも適度にあり、身体を捻りだす時間も確保。カーブ・フォークだけでなく、いろいろな球を習得し、ピッチングを広げて行ける可能性を感じる。


<ボールの支配> 
☆☆☆☆

 グラブは投げ終わったあとでも身体に近くにあり、両サイドの投げ分けそれなりに安定。足の甲の押し付けが、動画だとあまり良くわからなかった。また「球持ち」はあまり深くなく、それほど細かいコントロールはないのではないかと。

<故障のリスク> 
☆☆☆

 お尻は落とせるので、カーブやフォークなどを投げても、肘への負担は少なめ。気になるのは、ボールを持っている肩は上がり、グラブを持っている方の肩は下がるなど、送り出しに無理があり肩への負担が気になるところ。登板過多になると、肩に疲れが出やすいタイプなので、体のケアは充分やって欲しい。


<実戦的な術> 
☆☆☆☆

 「着地」までの粘りは作れており、オーソドックスなフォームでもそれほど合わせやすくないのでは?更に体の「開き」も抑えられており、コースを間違わなければ痛打を浴び難い。

 腕は身体に絡んで来るなど振れており、動画を観る限りフォークの抜けも悪く無いように見える。ボールにも適度に体重が乗せられており、地面の蹴り上げも好く躍動感のあるフィニッシュになっている。


(フォームのまとめ)

 投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「球持ち」以外の部分はよく、けして素材型と言う感じのフォームではない。

 コントロールを司る動作には若干の不安点があるのと、肩への負担が大きく故障への危険性を感じるあたりがマイナスポイント。



(最後に)

 
実際の投球を見られていないので、なんともコメントは難しい。ただし動画で見た印象と残した成績などを見ると、やはりファームで数年は漬け込んで、素材の良さを実戦につなげてゆくという、西武お得意の指名という感じがする。来年あたりはイースタンでも登板を確認できればと思うので、その時をまずは待ちたいと思う。西武らしい、穴っぽい指名ではないのだろうか。