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青柳 晃洋(帝京大4年)投手 181/79 右/右 (川崎工科出身) |
「高校時代と変わってない」 神奈川の川崎工科時代から、県内では名の知られた好投手。サブマリンだとか言われますが、リリースポイントを見る限り、ほとんどサイドハンドにと言って良いでしょう。そのため、それほど下から浮き上がって来る感じは致しません。見た印象では、高校時代から、それほど変わっていない気がします。それでも首都リーグでは、通算15勝を積み上げるなど実績を重ねてきました。 (投球内容) ストレート 135前後~MAX88マイル(140.8キロ) 手元でピュッとキレるとか、グ~ンと伸びる球質でもなく、下から浮き上がるような独特の球筋があるわけでもありません。ただし両サイドに投げ分けるコントロールは確かで、ストレートのコマンドの高さが、この投手の最大の特徵ではないかと感じます。逆に特に球自体に特徵がないので、コースを間違えれば痛打を浴びやすいことも否定できないでしょう。 変化球 スライダー・シンカーなど 主な変化球は、スライダーとシンカー。スライダーは立ち上がり曲がり過ぎて上手く制御できていませんでした。しかしイニングが進むにつれ、曲がりを小さくしてコントロール。シンカーも相手を仕留めるような、空振りを誘うほどの落差はありません。 特に変化球に特徵があるわけではないのですが、それほど甘く入って来ないので、目先を変える意味では有効かと。 その他 モーションが大きくなりがちなフォームですが、非常に牽制は鋭い。更にクィックも0.9秒台前後と、今年の候補の中でもトップクラスの速さで投げ込んできます。こういった投球以外の技術には、目を見張るものがあります。 (投球のまとめ) 淡々とコーナーに散らせて、相手の打ち損じを誘うピッチング。それほど投球にメリハリ・奥行きは感じられず、無機質に投げている感じがします。投球を見る限りは、一軍でバリバリという感じはしません。何か投球に、味付を加えたいところ。 横手投げの選手を、投手陣に加えたなかったという意図は感じられますが、それ意外にこれは!というものは特にありません。けしてスケールで魅了するような、素材的な魅力があるわけでもなく、かなり完成された投手との印象を受けます。逆に大崩れするタイプでもないので、何気ないところで投げたらイニングを食ってくれる存在にはなるかもしれませんが・・・。 (成績から考える) 今度は、残した成績から特徵を考えてみたいと思います。最終学年に残した数字を合算して傾向を考えてゆきます。 16試合 9勝5敗 118回2/3 83安打 47四死球 72奪三振 防御率 1.52 1、被安打はイニングの70%以下 ◯ 被安打率は、70.0%であり、基準を満たしている。特に地方リーグなので、より厳しいファクターにした。それほど奥行きが感じられる配球ではないが、コマンドの高さで痛手を最小限に留めているのかもしれない。 2,、四死球は、イニングの1/3以下 △ 四死球率は 39.6%であり、基準である 33.3%以下に収まらず、思ったほど絶妙なコントロールがあるわけではないことがわかる。痛手は食らい難いものの、ボールをじっくり観られたり、プレッシャーのかかる場面では、納めきられない甘さがあるのかもしれない。 3,奪三振は1イニングあたり0.8個以上 ✕ 1イニングあたりの奪三振は、0.61個でありやや少なめ。ましてプロを意識するのであれば、物足りないのは確か。投球スタイルも、あくまでもコースに散らせて打たせて取るタイプ。リーグの中でも、ボールの威力は平凡なのがわかってくる。 4、防御率は1点台 ◯ 最終学年での防御率は、1.52 と基準を満たす。春はリーグ6位・秋は10位と平凡。特にリーグの中でも、絶対的な存在ではないことが伺われる。基準は満たしているが、それほどリーグでは上位の成績ではない。 (成績からわかること) 安定感はあるものの、奪三振の少なさや四死球率からも、絶対的な投球をしている投手ではないことは成績からも伺える。それだけにプロ入り後、いかに今のピッチングを広げて行けるかにかかっている。 (最後に) 今年の阪神の指名では、この青柳と手術から回復したばかりの、竹安 大和(3位指名)に、あとは高校生。こうやって見てみると、メンバーの中で最も即戦力が期待される立場にいますし、そこでアピールしたいところではあります。 現状は、ファームレベルの選手であり、即戦力と考えるのは厳しいのではないか? 完成度・まとまりのある投手なので、紅白戦・練習試合などから、積極的に起用される可能性はあるものの、シーズンに入ると厳しいかなといった気がする。 まずはファームで、今の投球にプラスαの投球を身につけたい。逆にそれができないようだと、早期での退団の可能性も否定できない。個人的には指名リストに載せることは、現時点では出来なかった。 (2015年 秋季リーグ戦) |
青柳 晃洋(川崎工科 3年)投手 181/70 右/右 |
「想像以上に力強かった。」 腕の振りとしては、サイドスローとアンダスローの中間ぐらいから腕が出てくる感じの投手で、それほどボールが浮き上がって来るような感じのサブマリンではありません。しかしその分、球威・球速は確かで、私の想像以上に力強い球を投げ込んでおりました。特に打者の内角を厳しく突くのが、この選手の最大の持ち味。 [高画質で再生] 青柳 晃洋(川崎工科)投手 [動画] (投球内容) ストレート 120キロ台後半~MAX86マイル(137.6キロ) 手元でピュッとキレるとかグ~ンと伸びるような球でもなければ、下手投げ特有の浮き上がるような感じではありません。ただボールに球威があり、力強さは感じさせます。その球筋は、アンダーと言うよりはサイドスロー投手を連想した方が良いのではないのでしょうか。ただそのため打者の内角を突いて詰まらせるのは得意ですが、空振り誘うような球ではありません。 変化球 スライダー・シンカーなど 投球練習時には緩いカーブも投げておりましたが、実戦では110キロ台の横滑りするスライダーとのコンビネーション。たまに左打者にシンカーも投げ込みますが、現状大きな武器とは言えません。 その他 特に鋭い牽制やランナーに対する目配せは感じません。ただクィックは1.0秒台を切るような高速クィックであり、下手投げでモーションが大きくなると言う心配はありません。フィールディングも落ち着いてボールを捌けておりました 現状コースを投げ別けるような高い制球力はなく、あくまでもストライクゾーンの枠の中にボールを集めるという投球レベル。投球術にもそれほど優れたものは感じず、困ったら内角を厳しく突くことに終始。これと言って仕留めるボールがないので、打者から粘られるケースが目立ちます。ピンチでも動じない精神的にはタフな部分は感じられるものの、投手としての繊細さ、きめ細やかさは、その投球・所作からは感じられません。現状、力で相手をねじ伏せる、そのことに終始したピッチングスタイルだと言えるでしょう。 (野球への姿勢) まだまだ普通の高校生と言う部分も感じられるものの、ピンチでも動じないで力を発揮できる強いハートがあります。また9番打者ながら、打席でも次の打席を想定し、対戦への準備は素振りを交えるなど、けして野球への意識は低くありません。そういった姿勢は、いずれ結果となって将来華を拓かせる原動力となるでしょう。上のレベルでも、資質を伸ばしてゆける可能性が感じられます。 (最後に) このフォームで、これだけの球威・球速があるだけに、将来的には140キロ台の球速も期待できるだろう。ただ特に球筋や投球にイヤらしさはなく、それほど独特のフォームの割には、特徴は感じられなかった。 また投球センスや制球力があるタイプではないので、パワーアップすることで相手を牛耳る方法しかなく、今後いかにピッチングの幅を広げたりできるのかにかかっている。ただプロと言うことを考えるのであれば、こういった力で押すサブマリンの方が、プロへの近道。高いレベルでもまれ、そこで実績を残せるようになれば、3~4年後のプロ入りも期待は持てるだろう。あくまでもまだ素材型だが、そうかと言って荒れ荒れと言うほどではないので、上手くバランスの取れた投手に育つ可能性も残されている。いずれにしても、もう少し投手としての形ができあがってから、評価すべき選手ではないのだろうか。 (2011年 夏) |