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柏原 史陽(24歳・JX-ENEOS)投手の最終寸評へ






柏原 史陽(23歳・JX-ENEOS)投手の個別寸評へ







柏原 史陽(同志社大3年)投手 174/75 右/右 (桐光学園出身) 
 




                  「関西で一番速いのでは?」





 桐光学園では、松井 裕樹(楽天)の一学年上で活躍。神奈川から関西の同志社大に進み、以後リーグを代表する投手として実績を重ねてきた。コンスタントに140キロ台中盤~後半を叩き込めるスピード能力は、15年度の関西学生球界では一番ではないのだろうか。

(投球内容)

中背ですが、勢いのあるストレートを中心に、グイグイ押してきます。

ストレート 常時140キロ台~後半

 ストレートが高めのゾーンに集まりやすいものの、ボールに勢いがあるので、それが打者にとっては結構厄介。両サイドの真ん中~高めのゾーンに集まりつつ、変化球は低めへという高低のピッチングで相手を翻弄します。課題は、ただ高いだけでなく、四球も多いところではないのでしょうか。

変化球 縦横のスライダー・カーブなど

 カウントを整えるスライダーと、相手の空振りを誘う低めに切れ込む縦のスライダーを使いわけてきます。またピッチングに余裕が出てくると、緩いカーブなどを織り交ぜます。変化球は、真ん中~低めのゾーンに集まり、低めに切れ込むスライダーで空振りを誘えます。

その他

 牽制もまずまず鋭いですし、フィールディングの動きもまずまず。クィックも1.05秒前後と素早く、運動神経、野球センスに優れたタイプです。

(投球のまとめ)

 高校時代のように、ストライクゾーンの枠の中にめがけて投げているだけというピッチングに比べれば、だいぶ投手らしくはなってきました。しかし相変わらずボールが上吊る傾向が強く、コントロールがアバウトなのは変わりません。

 それでも適度にスライダーでカウントを整え、縦のフォークのようなスライダーで、空振りを奪えるピッチングスタイルを確立。この春は、関西屈指の速球派としてスカウトからも注目されることでしょう。

(成績から考える)

 1年春こそ登板はありませんでしたが、以後5シーズンは主力として活躍。これまでの通算成績から、傾向を考えてみましょう。

42試合 11勝14敗 209回 137安打 90四死球 183奪三振 防 1.64


1,被安打は、イニングの70%以内 ✕

 209イニングを投げて被安打は137本、被安打率は81.0%に及んでおり基準を満たしていません。地方リーグの選手で即戦力を狙うのならば、70%以下に被安打を抑えたいところ。中央の大学の80%以下のファクターも満たしていなく、プロで即戦力とかんがえると、ちょっと厳しい感じはします。被安打率、81.0%という数字はけして高くないのだが・・・。

2,四死球は、イニングの1/3以下 ✕

 四死球率は43.1%であり、かなりアバウトであることがわかります。それほど打力が高いとは思えない関西学生リーグにおいてこの数字だと、プロの打者のプレッシャーの中では厳しい気はします。

3,奪三振は、1イニングあたり0.8個以上 ◯

 1イニングあたりの奪三振率は、0.88個 。これは、先発の基準である 0.8個を完全に上回ってます。この点では、ボールの威力・縦スラの破壊力は確かで、三振を多く奪えています。

4,防御率なら1点台以内で ◯

 通算で 1.64 とこの基準を満たすだけでなく、1年秋には0.68(リーグ2位)という圧倒的な数字も残しており合格点。

(成績からわかること)

 コントロールの甘さからなのか、被安打率が高さと、四死球が多いのが課題。こういった傾向は、プロの打者相手だとより顕著に出てしまうだろう。最終学年では、コントロールが改善されているのかが、最大のチェックポイント。

(最後に)

 ボールの威力・勢いは確かなので、あとはコントロールをいかに改善できるか。もうワンランク上の制球力を身につけられれれば、プロ入りも現実味を帯びて来る。ボールの勢いだけならば、大学の先輩・渡辺 亮(阪神)にもヒケを取らない。先輩同様に、ドラフト4位ぐらいで、プロ入りできるだろうか? その可能性は、充分秘めている


(2014年秋 秋季リーグ戦)










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