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井領 雅貴(中日)外野手のルーキー回顧へ







井領 雅貴(JX-ENEOS)外野 175/86 右/左 (桐蔭学園出身) 




                     「今更感は否めない」





 桐蔭学園時代から注目され、毎年のようにドラフト候補として名前があげられてきた 井領 雅貴 。高卒7年目の今年、悲願のプロ入りを実現した。しかし何かそんなに変わったのか?と言われると、正直私にはよくわからない。高卒5年目ぐらいから、そろそろ指名されるかなとは思っていたが、中々指名されずここまで来た。今年何か大きく変わったのだろうか?

(守備・走塁面)

 一塁までの塁間は、左打席から4.15秒ぐらいと、ほぼドラフト指名される左打者としては平均的。2013年度の成績をみても、99打席で3盗塁。これをプロの規定打席である446打席に換算すると、年間1.3,14盗塁ぐらいということで、ソコソコ動けるぐらいと考えてもらって良いだろう。やはりプロに混ぜても中~中の上レベルぐらいの脚力と考えて良い。

 外野手としての守備力は、プロに混ぜても見劣ることはなさそう。打球への反応、キャッチング・守備範囲共に、平均的なレベルにはあるといえる。地肩・スローイングに関しては結構強いので、この辺はプロでも中の上レベル~上の下ぐらいの強さは期待しても良いのではないのだろうか。

 守備も走塁も、売りにするほど図抜けてはいないが、そつなく無難にこなしている印象はある。



(打撃内容)

対応力の高さというよりは、破壊力を秘めた打撃で試合の勝敗に絡むことが多い。99打席で4本塁打ということからも、年間プロの規定打席ぐらい出場すれば18本に相当し、パンチ力を秘めた中距離打者であることが伺える。

<構え> 
☆☆☆

 前の足を引いて、グリップの高さは高めに添えられています。背筋を伸ばし、両目で前を見据える姿勢は良いのですが、全体のバランスとしては平均的。体は常に動かし、自分のリズムでは打席に入れています。

<仕掛け> 遅すぎ

 開いていた足を、ベース側につま先立ちして待ちます。本格的に動き出すのは、投手がリリースを迎えるあたり。ここまでギリギリだと、中々プロレベルのスピード・キレのある球に対応するのは容易ではありません。

<足の運び> 
☆☆☆

 始動~着地までの「間」がないので、打てるポイントは限られます。そのため狙い球を絞って、その球を逃さない「鋭さ」が求められます。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角の球でも打ちたいタイプ。踏み込んだ足元はブレないので、外角の厳しい球や低めの球にも喰らいつけます。

<リストワーク> 
☆☆☆☆

 あらかじめグリップを捕手方向に引いているので、打撃の準備である「トップ」をいち早く作ることが出来ています。その分始動の遅さは補いますが、リストワークに柔軟性は生まれにくいデメリットがあります。バットの振り出しは、けしてインサイド・アウトではないのですが、ボールを捉えるまでにロスは感じません。バットの先端であるヘッドも下がることなく、綺麗に最後まで振り切れています。

<軸> 
☆☆☆☆

 足の上げ下げは小さく、目線は大きくは動きません。体の開きも我慢でき、軸足も安定。内モモの筋肉も強く、とらえた打球が遠くに飛ぶのも頷けます。

(打撃のまとめ)

 「間」が作れないタイミングと、バットをあらかじめ引くことで柔軟性に欠ける部分があり、打てる球は限られていると考えます。それでも打てる球を逃さず叩くことは出来ており、その辺の精度がこの選手の生命線となりそう。

 ツボにハマった時の飛距離・破壊力には見るべきものがありますが、基本的にはスラッガーではありません。一定レベル以上の投手相手だと、ちょっと厳しいかなという気はしています。


(最後に)

 社会人で揉まれてきた経験・実績はあり、一年目から一軍争いを演じられる実力はあると評価します。しかしそれは、あくまでも一軍半・控えレベルといった話であり、将来的にポジションを現有戦力から奪って行けるほどなのかと言われると疑問。

 中日のチーム事情を考えると、平田 良介 や 大島 洋平 の刺激剤にはなりますが、藤井 淳志 がいるからいいじゃねぇ? という気もしなくはありませんが、藤井も33歳あることを考えれば、わからない指名ではありません。今年の中日の指名全体に言えるのは、レギュラーを現有戦力から奪うとか、何処か大きな穴を埋めるという方向よりも、明らかに現有戦力を刺激して競争を煽ることが目的とされている、そんな指名の一環だったのではないかと考えます。あくまでも一軍半レベルの選手を沢山獲ったなぁというイメージであり、彼が何か大きく変わったから指名されたというよりは、需要が発生したから指名された、そんな気がしてなりません。ということで、指名リストに掲載しようとは思いませんでした。


(2014年 都市対抗)


 








 井領 雅貴(25歳・JX-ENEOS)外野 174/75 右/左(桐蔭学園出身)

 今年の神奈川球界を代表する外野手。ボールを上から引っぱたく強打が自慢。鋭いヘッドスピードを活かした中距離タイプ。

 一塁までの塁間は、4.25秒と並レベル。むしろ問題なのは、打球への反応・キャッチングレベルなど、意外にこの手のタイプにしては、外野守備の安定感は課題。肩・走力は基準レベルも、驚く程のものはない。

 神奈川の外野手としては、政野 寛明(桐光学園)と並ぶ存在。1年生から注目されるそのセンスを、最終学年では如何に爆発出来るのか期待して見守りたい。



 この試合では3打数3安打、うち本塁打・二塁打各1本、更に犠打1つ、5打点と大活躍でした。チームでは2番打者を務めていますが、パンチ力もあり、僕のイチオシの選手ですので、詳しく書きたいと思います。

<打撃面>

スイングが鋭く、ミートセンスの良いアベレージヒッタータイプの打者です。本塁打もライナー性のもので、「ヒットの延長としてのホームラン」でした。バントなどの小技もでき、打撃に関しては、既にかなり高いレベルに達していると言えます。

<守備・走塁面>

 守備では右翼手を務めますが、破綻がなく、肩も良いので、守備に関しても及第点をあげられると思います。
走塁では、足はまあまあ速いのですが、もっと貪欲に次の塁を狙う積極性が欲しいな、と思います。しかし走塁面でもある程度のレベルに達していると言えると思います。

<最後に>

走・攻・守三拍子そろった好選手で、こと打撃に関しては1年生ながらかなり高い技術を持っています。精神面でも問題なさそうなので、順調に育って神奈川を代表する打者になってほしいと思います。