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松浦 耕大(広島)捕手のルーキー回顧へ







松浦 耕大(21歳・MSH医療専門学校)捕手 175/75 右/右 (八幡南出身) 
 




                       「全然覚えてない」





 昨年3月に行われた 広島社会人選抜VSカープ との交流戦をマツダスタジアムまで行った時に、MSH医療専門学校から唯一メンバーに選出されていた選手だった記憶している。その年の9月に行われた全日本クラブ選手権に出場し、スライダーをセンター前にヒットしたとメモしている。しかしプレー自体全く思い出せず、慌てて昨年行われたクラブ選手権のテレビ中継の映像を見直すこととした。


(ディフェンス面)

 ボールを軽く返球するように、叱咤激励してガンガン引っ張る捕手というよりは、投手の気持ちを察しながらプレーする、気遣い・配慮型の捕手という印象は受ける。ミットを投手に示してからは、グラブを地面に下げることはありません。そういった余計な動作はないので、ワンバウンド処理など次の動作にも素早く移行できます。ボールへのタッチも柔らかく、ミットもブレないので捕球できるので、ストライクカウントを導きやすいはず。しかしコースを外れた球に対しては、腕を伸ばすだけで、全身で止めにゆこうとしないのはどうでしょうか?

 スローイングも捕ってから慌てることなく、落ち着いて送球します。タイムとしては、1.9秒~2.1秒ぐらいと平均的も、地肩自体はプロに混ぜても基準以上であり、見劣る心配はありません。ただし、送球のコントロールはあまり安定していません。何か特別抜けた資質があるようには思えませんが、ディフェンス面を評価されての指名なのでしょう。


(打撃内容)

 チームでも8番を担うように、打撃の弱さが気になります。打球は、右に左にセンターへとどの方向にも打ち返す。しかし打球自体は結構強烈で、けしてスイングがひ弱い感じはしない。そのため根本的な対応力に、課題があると考えられる。

(打撃フォーム)

打撃フォームは、昨年のクラブ選手権の時のものを参考にした。

<構え> 
☆☆☆

 
両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップは高めに捕手方向に添えられている。腰の据わり・両目で前を見据える姿勢・全体のバランスと並で、構えに大きな特徴は感じられない。

<仕掛け> 遅めの仕掛け

 投手の重心が沈みきって、前に移動する段階で動き出す「遅めの仕掛け」を採用。これは、長距離打者か生粋の二番打者が採用するもので、彼の場合完全に後者のタイプだと考えられる。

<足の運び> 
☆☆☆

 始動~着地までの「間」は短いので、狙い球を絞ってその球逃さない打撃が求められます。そのためスピードの変化には、脆い傾向にあります。地面から軽く足を浮かし、ベース側にインステップして踏み込む。このことからも、外角を意識したスイングなのがわかります。踏み込んだ足元がインパクトの際に動くのですが、カカトをめり込ませロスを最低限に留めています。そのため、右方向への打撃も苦になりません。

<リストワーク> 
☆☆☆

 あらかじめ「トップ」の位置にグリップが添えられているので、始動の遅さを補っています。バットの振り出し自体、ミートポイントまでロスなく振り下ろされているのですが、バットの先端であるヘッドが下がっているので、ボールへの接地面が小さく、打ち損じが少なくありません。ヘッドスピード・打球の速さにひ弱さは感じませんが、技術的に課題が多いのでしょう。

<軸> 
☆☆☆

 足の上げ下げが小さいので、目線が上下にブレません。体の開きもなんとか我慢でき、軸足はスペースが適正ではないのか? 打ち終わったあと後ろズラすことでスペースを確保し、右方向への打撃を可能にします。

(打撃のまとめ)

 スイング軌道・ヘッドスピードに問題はありませんが、インステップして踏み出す分、内角が窮屈になったり、始動が遅い分緩急への脆い面があります。またヘッドが下ることで、ボールをフェアゾーンに落とす確率を狭めています。しかしその辺は、今後も充分改善可能なポイントではないのでしょうか。

(最後に)

 
捕手としてはそこそこの好捕手だと思いますが、プロで獲るほどの絶対的な魅力が見当たりません。また打撃の弱さは顕著であり、プロレベルの投手に対応できるようになるのかは疑問が残ります。今年のプレーを確認出来ていないので、評価づけは出来ませんが、何処まで改善出来ているでしょうか? それでも育成では1番目の指名であり、木村 聡司 (常葉橘)選手より先に指名しているところは興味深いポイント。プロの世界で、どのような存在感を示すのか、今後も気になるところではあります。

(2013年 クラブ選手権)