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西野 真弘(オリックス)内野手のルーキー回顧へ








西野 真弘(24歳・JR東日本)二塁 166/67 右/左 (東海大浦安-国際武道大出身) 





                「もっと足が速いのかと思っていた。」





 166/67 と小さい身体でちょこまか動くので、もっと足が速いのかと思っていたが、それほどでもなかったことに気づく。むしろ彼の売りは、動作の切り返しの早いセカンド守備にある言えるだろう。


(守備・走塁面)

 一塁までの塁間を計測すると、おおよそ4.1秒前後であることが多い。左打者の基準が4.2秒であるから、それより少し速い程度。プロに混ぜたら、平均~少し速い程度で際立つ走力ではない。今年の都市対抗予選でも、4試合で盗塁0個。時には走ることはあっても、足で揺さぶって来ることは思いほか少ない。

 捕ってからが素早く、広い守備範囲を誇るセカンド守備が最大の売り。難しい体勢からのジャンピングスローでもアウトにしたりと、地肩がそれほど強いわけではないが、堅実かつ難しいプレーもこなせる守備は一軍級。ただしそうかといって、意外にミスもあるので、堅実そうに見えてポカも時々ある。遊撃も守ることができるが、やはりプロレベルでは二塁が適職となりそう。





(打撃内容)

 JR東日本では、チームの1番を担います。捉えた打球自体は結構鋭いものはあるものの、右投げ左打ちの作られた独特の脆さがあるのが気になります。特に打球は、引っ張り込むよりも、センターからレフト方向へはじき返す打撃を得意とします。完全にはじき返すタイプのコンパクトヒッターなのですが、打球はあまり転がらず、転がるときはセカンドゴロであることが多いのが特徴。

<構え> 
☆☆☆☆

 前の足を軽く引いて、グリップの高さは平均的。腰の据わり具合・両目で前を見据える姿勢・全体のバランスともによく、打席でリラックス出来ているところは良いところ。

<仕掛け> 早めの仕掛け

 投手の重心が下る時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。これは、典型的なアベレージヒッターの打ち方です。

<足の運び> 
☆☆☆☆

 始動~着地までの「間」は充分取れているので、速球でも変化球でもスピードの変化には対応しやすいはず。ベース側にインステップして踏み込んで来るように、外角を強く意識したスタイル。踏み込んだ足元はインパクトの際にはブレず、外角の厳しい球や低めの球にも、喰らいつくことができます。ただし左の好打者がインステップすると、右投手の内角に食い込んで来る球筋に苦労して、率が残り難いことになります。

<リストワーク> 
☆☆☆

 打撃の準備である「トップ」を早めに作り、速い球に立ち後れないようにしています。バットの振り出しは、寝せて出して来るのでインサイド・アウトにはなりません。すなわち内角の捌きは、インステップも相まって窮屈になりがち。それでもバットの先端であるヘッドは立てて打てているので、ドアスイングのような遠回りな軌道にはならず。

 基本的に苦手な内角の球は、引っ張りにかかりセカンドゴロやトップフライになることが少なくありません。バットもあらかじめ寝せて出す分、ファールで逃げたり幅広く対応することはできますが、この手の足を活かしたいタイプにしては転がせないのが気になります。

<軸> 
☆☆☆☆

 足の上げ下げはあるものの、目線は上下にそれほど動きません。体の開きも我慢でき、軸足にも粘りが感じられます。そういった意味では、軸は崩れずにスイング出来ています。

(打撃のまとめ)

 けしてひ弱い打者ではないのですが、内角を中心に脆い印象は否めません。左方向への打撃は、彼の持ち味の一つ。しかしせめて左の好打者タイプだけに、真っ直ぐ踏み出すようにして、もう少し内角も捌けるようにしたいところ。せっかく間合いを計って着地しているので、コースによってインステップしたり、真っ直ぐ踏み出したりと使い分けられると良いのでは。

(最後に)

 守備に関しては、一年目から一軍を意識できるものがあります。しかし走力は実戦的ですが、際立って速いわけではないことがわかりました。また打撃も内角の捌きに課題があり、やや脆い印象は否めません。こうなると内野の競争を煽ることは期待できても、一年目から一軍で活躍するとなると厳しそう。個人的には、打力のレベルがプロレベルには達していないと評価し、指名リストには名前を載せられませんでした。


(2014年 日本選手権)