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那須 裕志(宮崎・日章学園)投手 181/70 右/右 |
九州は宮崎の地に、12球団のスカウトを集結させる逸材がいると言う。その男の名前は、那須 裕志。この試合を観た某スカウトは「九州では今村猛(清峰)に次ぎ素材」と評するほど、この男の評価は今急上昇中だ。今回は、そんな注目株について考えてみたい。 (ピッチングスタイル) まだ2年夏当時は、細身の体型で肉付きには物足りないものがあった。丁度雰囲気は、2年時の東浜巨(沖縄尚学-亜大)投手に好く似ている。またその力量も極めて近い。 球速は、130~135キロぐらいで、球にキレこそ感じさせるが、まだ球威が物足りないのと、球筋が綺麗過ぎるなと言う印象が強かった。しかし現在は、MAX144キロまで到達するなど、一冬超えて順調に、その資質を伸ばしているようだ。 最大の武器は、カーブを多く織り交ぜてカウントを整え、緩急を付けること。そして縦に切れ込む(恐らくスライダー)球で、相手の空振りを誘う。 この選手の良さは、なんといっても腕の振りの柔らかさ。そして球全体が、低めに集められる制球力だ。ただ2年当時は、球威の無さと球筋の素直さから、それほど甘くない球でも痛打されることが多かった。この一年で、どの程度それが改善されたのか気になるところである。 マウンド捌きも、「間」を上手く取って外したりとか、投球を上手く組み合わせる総合力タイプ。けして馬力や肉体のポテンシャルで圧倒するスケール型ではない。ただ非常に腕の振り、ピッチングスタイルに、高い野球センスを感じさせる。 昨夏は、延長戦でスナミナ不足を露呈し、日南学園に敗れ去った悔しい思い出がある。この経験が、彼をどのぐらい大きくしているのか気になるところ。 (今後は) この一年で、どのぐらい成長しているのか、ぜひ確認したい投手である。今や12球団のスカウトが集結するぐらいの投手になり、私の見立てが間違っていなければ、ドラフト指名どころか、最上位12名に含まれてもおかしくない素材。ぜひこの夏は、この男を観に、宮崎に足を運びたいと思う! (2008年・夏) |