14sp-2
パブー 発売日 : 2014-02-06 |
尾田 佳寛(東京国際大)投手 180/82 右/右 (広島工業出身) |
「古葉監督も期待する素材」 あのカープ黄金時代を作った、古葉竹織監督がプロ入りを期待する投手が、 尾田 佳寛 。MAX143キロと言われるストレートだが、その球速表示以上に感じさせるボールの伸びが自慢。 (投球内容) 少しボールを置きに来るような感じで、フォームに力感は感じられない。 ストレート 常時135~MAX88マイル(140.8キロ) ボールの球威・球速は物足りないが、球速以上には感じさせる伸びはある。ただドラフト候補としては、やや物足りないのは確かであり、腕が強く振れなかったり、体重移動が不十分なフォームなので、余計に迫力不足は否めない。 変化球 スライダー・カーブ・チェンジアップなど 変化球はひと通りはあるが、絶対的な球はない。しいて言えば、威力はないがストレート同様にコースにコントロールできる点が評価できるポイントか。 その他 牽制の鋭さはまずまずで、クィックも基準である1.2秒を割って来る。特に投球以外の部分に大きな欠点は感じないが、特別優れているようにも見えない。 (投球のまとめ) 右打者には内外角に、左打者には外角中心にしっかりコントールできている。そういったコントロールミス少ない制球力が、この選手の一番の魅力。 特別「間」を上手く使うとか、微妙な出し入れや駆け引きで勝負するわけでもないが、自分のペースで淡々と投げ込んで来る感じの投手ではないのだろうか。 ちなみに昨秋は、1試合 2/3イニングしか投げていないが、通算では22試合に登板し、9勝4敗 防御率 1.68 という実績があり、腰痛からの復活をきすシーズンとなっている。 (投球フォーム) では今度は、投球フォームの観点から、尾田投手の可能性について考えてみたい。 <広がる可能性> 引き上げた足を高い位置でピンと伸ばしているので、お尻の一塁側への落としは出来ています。そういった意味では、腕の振りが緩まないカーブや縦に鋭く落ちるフォークなどの球種を投げるのには無理がありません。また「着地」までの「間」もある程度は取れているので、今後更に球種を増やし投球の幅を広げて行くことは期待できます。 <ボールの支配> グラブは最後まで内に抱えられており、実際両サイドへの投げ分けは安定しています。足の甲での地面の押し付けもできているので、ボールが高めに抜けることもありません。「球持ち」自体もまずまずなので、指先の感覚も良さそう。こと制球に関しては、将来的にも高い精度のものが期待できます。 <故障のリスク> お尻を落とせるので、体を捻り出すのに無理がありません。特にシュート系やフォークなどの肘に負担の大きなボールも投げません。また腕の振り下ろし方にも無理がなく、肩への負担も考え難いものがあります。ただ昨年は、腰痛で苦しめられたようで、そのへんは気になる材料ではあります。 <実戦的な術> 「着地」までの粘りは平均的で、体の「開き」も、けして早すぎることはありません。そのため、タイミングが合わせやすいフォームではないようです。 腕が強く振れないのは気になりますが、振り下ろした腕は体に絡みます。ただ「体重移動」はイマイチで、ボールに体重が乗せられておらず、球威のあるボールが投げられません。 (投球フォームのまとめ) 「球持ち」に優れ、コントロールに優れます。「着地」「開き」は平均的で、大きな欠点もなければ、特筆するほどでもありません。そういった意味では、それほど嫌らしさがあるフォームではありません。ただ「体重移動」に課題があるので、打者を圧倒するような威力のあるボールが投げられないのが気になる材料です。 (今後は) コントロールは安定していますし、ピッチングもできる投手です。ただフォームに威圧感がなく、実際のボールも物足りません。更に決めてとなるほどの変化球もないので、大学からプロというのは難しいのではないのでしょうか。 社会人あたりで、上手く自分の特徴を見いだせれば、また違ってくるとは思いますが。現状は、ドラフト候補というよりは、大学の好投手タイプといった印象は否めませんでした。まずは、プロで通用するだけの、ストレートを身につけて欲しいとおもいます。 (2012年 春季リーグ戦) |