14sp-14



 
amanatu.com




鮫島 優樹(26歳・三菱重工広島)投手の個別寸評へ






 鮫島 優樹(25歳・三菱重工広島)投手 178/75 右/左 (神村学園-MSH塩見)
 
(どんな選手?)


 コンスタントに140キロ台を超えるストレートと縦の変化を武器にする投手です。この縦の変化で空振りを誘える貴重な存在です。都市対抗予選では、3試合連続で先発し、チームを東京ドームに導きました。

(投球内容)

 常時140キロ台を超えて来るストレートには、それなりの勢いを感じさせます。ただボールがかなり高めに集まる傾向にあり、更に中へ中へと甘く入ってくるところが気がかりです。変化球は、カーブ・スライダーなどもありますが、圧倒的にフォークだかチェンジアップのような縦の変化とのコンビネーション。この球が非常に落差があり、打者の空振りを誘います。

 右打者の外角低めにスライダーを集められる精度とフォークの威力には観るべきものがあります。ただストレートが暴れたり、中に甘く入って来ることが多いので、その点が残念です。都市対抗予選では、24回2/3イニングで四死球は4つと、四死球で自滅するタイプではありませんが、ストライクゾーン内の微妙な投げわけに課題を感じます。

 牽制は、それほど鋭いものを交えませんが平均レベル。クィックは、1.25~1.30秒ぐらいと若干遅い気が致します。特にマウンド捌きにセンスを感じさせるわけではありませんが、そうかといって全然ダメなわけではありません。そういった投手としてのセンスは、平均的な投手ではないのでしょうか。

 足を引き上げ空中でピンと伸ばす時に、少し地面に向かいながら伸びている。更にかなり二塁側に送り込む分、お尻の一塁側への落としは甘めになる。それでも前に大きくステップすることで、着地までの時間を稼ぐことはできており、身体を捻り出す時間は確保できているので、ある程度の変化球は期待できる。

 グラブを最後までしっかり内に抱えることで、両サイドの制球は安定。ただ足の甲での押しつけが浮き気味なので腰高になり、どうしてもボールが高めに浮きやすい。腕に角度をつけて投げている割に、動作に無理がないので、故障の可能性は低そうだ。

 投球の4大動作においては、「着地」「開き」「体重移動」共に平均的だが、「球持ち」が浅く、ボールが押し込めていない。そのためボールが高く抜けやすい。この点が改善できてくると、かなり投球に粘っこさが出てくるのではないのだろうか。

(今後は)

 球一つ一つには威力があり、特に縦の変化を持っている点は大きい。ただ勝負どころで甘くなる傾向が強く、好い球を持っていても、あと一歩結果が伴わない、そんな投球になりがちだ。まだ年齢も若いし、ドラフト候補としてマークできる素材だと思うが、このツメの甘さを、今年いかに改善できるのかで指名の有無も決まりそう。今後も、注目してその変化に注意したい。

(2010年・都市対抗)