14ky-40
堀内 汰門(山村国際)捕手 175/75 右/右 |
「育成は妥当だろうね」 中3の時に肩を痛め通信制の学校に進み、そこから山村国際に編入してきた異色の経歴の持ち主。高校通算22本塁打の強打と、投手としてもマウンドに上がる強肩で、夏前から評判になっていた選手だった。 (ディフェンス面) ミットを軽く示し、少しグラブを下げてしまうところはあるが、それほど悲観することはないだろう。キャッチングはそれほど押しこむほどの力感はなく、ハンドリング・低めへの対応含めて可もなく不可もなしといった感じ。それほどリーダーシップ溢れる素材でもないが、捕手としてのセンスの良さは垣間見られた。スローイングは、塁間1.85~1.95ぐらいで、送球に結構バラつきがあり発展途上。地肩に関しては、プロに混ぜれば平均ぐらいで際立つほどではない。 (打撃内容) 腰の逃げが早く、踏み込んだ足のつま先が開いているので、基本的に引っ張って巻き込む打撃を好むのだろう。現状、外にスライダーをキッチリ投げていれば、泳いでくれて打ち取れるそんな印象をうけます。 <構え> ☆☆☆ ほんのすこし前の足を引いて、グリップの高さは平均的。腰の据わり具合・全体のバランスとしては並だが、両目で前を見据える姿勢は悪くない。チームの3,4番を担う選手でも、威圧感は感じられない。 <仕掛け> 遅すぎる仕掛け 投手の重心が下りったあたりでベース側につま先立ちし、リリース直前に本格的に動き出す「遅すぎる仕掛け」を採用。これでは、一定レベル以上のキレ・球速のある投手に対しては、完全に立ち遅れてしまう。 <足の運び> ☆☆☆ 始動~着地までの「間」に余裕はなく、完全に「点」の打撃になってしまう。そのため狙い球を絞り、その球を逃さないことが求められる。軽くベースから離れた方向にアウトステップして踏み出し、足のつま先が開いているので引っ張りを強く意識しているのがわかる。それでも踏み込んだ足元はブレないので、甘い外角球や外角でも高めの球ならば充分当てることはできている。しかし腰が早く逃げるので、完全に泳いだ形でボールを当てている。 <リストワーク> ☆☆☆ 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは平均的で、自然体に対応出来ている。バットの振り出しも、けしてインサイド・アウトの軌道ではないが、ボールを捉えるまでにロスは感じない。バットの先端であるヘッドも下がらないので、ボールをフェアゾーンに落とす確率も高まる。どうもスイングを見ていると、甘めの外角球を巻き込む打撃を得意としているのではないのだろうか。 <軸> ☆☆☆ 足の上げ下げは小さめで、それほど目線は動かない。体の開きも我慢できているが、打ち終わったあと体が泳ぐように軸足の安定感はいまいち。あえて大勢を崩してでもファールして、自分の打てる球を待っているのかもしれないが。 (打撃のまとめ) ボールへの対応力・スイングの強さ・特徴など含めて、プロ入り選手としては打撃は下位だと言えます。そのためプロで通用するようになるためには、かなりの時間がかかる、あるいはそこがネックとなって大成しない可能性があります。 (最後に) もう少しディフェンス面が突出した選手なのかなと思っていましたが、地肩・捕手センス・総合力含め際立つほどのものは感じられません。それでも、総合的なディフェンス力を評価されてでの指名でしょう。 また打撃に関しては、レベルの高い相手だと厳しいだろうなという印象はあります。だからこそ育成枠でも4位まで残っていたわけで、まずは三軍でのスタートとなるでしょう。そこでいかに攻守にレベルアップして行けるのか、今後も見守ってゆきたいと思います。残念ながら指名リストに名前を残すほどのインパクトを、私は受けることはありませんでした。 (2014年 夏) |