14ky-37
太田 賢吾(川越工)遊撃 186/72 右/左 |
「ピリッとしないけれど」 大型故にプレーにピリッとしたキレはないけれども、守備でも打撃でも、それなりにスケールは感じさせる大型ショート。全くその存在を知らなかったが、ドラフト後夏の埼玉予選の模様を2試合ほど確認することができた。 (守備・走塁面) 一塁までの塁間は、左打席からでも4.5秒台であり、必死で走っても恐らく4.3秒ぐらいではないのだろうか。少なくても足を売りにするタイプではなく、プロに混ぜても走力はかなり見劣りそう。 大型の割に、一歩目の反応の良さは感じます。細かい動きやスピード感は感じられませんが、捕球するまでは割合丁寧ですし、地肩も基準以上で安定感はあります。プロでショートを務まるかは微妙ですが、セカンドあたりならば面白いかもしれません。2試合観戦した中では、それほど打球が飛ばなかったので判断材料が少ないのものの、中の上レベルのディフェンス力はありそう。 (打撃内容) 大型ですが、長打で魅了するというよりはミート力が勝った打者なのかなという気は致します。それでも二塁打・三塁打とか、そういった当たりが多そうな中距離ヒッター。 <構え> ☆☆☆ 両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップの高さは平均的。腰の据わり・全体のバランスは並ぐらいですが、両目で前を見据える姿勢は悪くありません。全身をあまり揺らがないので、少し構え全体が固く見えます。 <仕掛け> 平均的な仕掛け 投手の重心が沈みきった時に始動する、「平均的な仕掛け」を採用。ある程度の長打力と対応力を、バランスよく兼ね備えた中距離打者やポイントゲッターが多く使います。 <足の運び> ☆☆☆☆ 始動~着地までの「間」はそれなりですが、何より地面をなぞるように回しこむでの、目線が上下動しないところが良いところ。ベース側にインステップして踏み込むように、外角を強く意識しています。その分内角の捌きが窮屈になり、スイング軌道も相まって、内角の捌きは上手くないように見えます。それでも踏み込んだ足元はブレないので、外角や低めの球にも喰らいつけます。 <リストワーク> ☆☆ 打撃の準備である「トップ」の形を作るのが遅く、速い球に立ち遅れ気味。バットの振り出しは少し遠回りであり、内角は素直にバットが出てきません。それでもバットの先端であるヘッドは下がらないので、ドアスイングではありませんが。 <軸> ☆☆☆ 足の上げ下げが小さいので、目線は大きく動きません。体の開きも我慢出来ていますが、インステップで踏み込み過ぎて、軸足の置き場所が適正ではなく、綺麗な軸回転で打てていないのは気になります。 (打撃のまとめ) 大型打者ゆえの脆さはあまり感じず、ボールを捉える感覚は悪くありません。ヘッドスピードもそれなりですが、スイング全体にキレを感じないのが気になります。 (最後に) これだけの体格の割には、ショートの守備・打球への反応は良い方でしょう。また大型ですが、脆さをあまり感じないのは良いところ。しかしプレーすべてにおいて、キレ・スピード感がないところがどうでるでしょうか。 本会議での指名ですが、ハムは育成枠を使わないので、他球団ならば育成枠レベルの評価だったと考えます。大型なのがスケール・上積みが期待できるというのならば、そう感じさせる選手。しかし私には、最後までピンと来るものはありませんでした。またプロの野球に順応するのには、かなり時間がかかるのではないのでしょうか。個人的には、指名リストに載せるほどのインパクトは感じませんでした。 (2014年夏・埼玉大会) |