14ky-19


 
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木村 聡司(広島)内野手のルーキー回顧へ







 木村 聡司(常葉学園橘・3年)投手 179/70 右/右





                      「完全に野手の素材」





 投手としても140キロ近い球速を連発をする、14年度の静岡代表する好投手。しかしその将来性は、断然野手としての才能ではないのだろうか。1年夏には遊撃手として甲子園に出場し、鋭い打球を放ち存在感を示した。あれから2年、最後の夏を迎えようとしている。


(守備・走塁面)

 投手としても、フィールディングの良さ・最初の一歩目の早さが目立ちます。特に送りバントの時に、素早くマウンドを駆け下り、再三セカンドでアウトにします。遊撃手としてはやや危なっかしいところはあったので、上のレベルでは厳しいかもしれません。しかしそれ以外のポジションならば、強肩であるのも間違いないでしょうから、充分他のポジションをこなせる能力はありそう。

 一塁までの塁間は、右打席から4.7秒台(左打者換算でも4.5秒前後)と極めて遅いのは気になります。しかし塁に出ればすかさず盗塁を決めるなど、そのタイム以上の走力は間違いなさそう。投手ながら一番打者を務めるように、積極的に脚でかきまわすタイプだと考えられます。上のレベルで通用するほどの走力があるのかは微妙ですが、動く選手であるのは間違いなさそう。

 細かな守備・走塁の能力は掴みきれませんが、もう少し過去の試合の模様なども見直して詳細をつめたいと思います。いずれにしても他のポジションへの融通性や走力は、それなりに高いと考えて良いのではないのでしょうか。


(打撃内容)

 とにかくバットを、思っきり振ってきます。強引なまでの上半身の振りに、下半身が支えきれずバランスを崩すことがしばしば。そうかといってボールを捉える能力もあるなど、ポテンシャルの高さを感じます。

<構え> 
☆☆☆

 前足を引いた右オープンスタンスで、グリップの高さは平均的。腰は座らず全体のバランスとしてはイマイチで、両目で前を見据える姿勢は並ぐらいでしょうか。少し癖のある、独特の構えだと言えるでしょう。

<仕掛け> 早めの仕掛け

 投手の重心が下がりはじめるときに始動する、「早めの仕掛け」を採用。バットをブンブン振ってくるタイプではありますが、アベレージ打者の傾向が強いことがわかります。打球は強烈ですが、それほど上に上がるタイプではないのでしょう。

<足の運び> 
☆☆☆

 始動~着地までの「間」は充分あるので、速球でも変化球でもいろいろなスピードの変化には対応しやすいはず。ほぼ真っ直ぐ踏み出すので、内角も外角も同じように対処したいタイプ。しかし踏み込んだ足元がインパクトの際にブレて早く地面から離れるので、基本的にセンターからレフト方向へ巻き込む打撃を得意とします。

引っ張り切れないような外角の厳しい球や、低めへの対応が課題としてあげられます。

<リストワーク> 
☆☆☆

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、特に問題はありません。しかし振り出すときにバットの先端であるヘッドが下がって出てくるので、バットが遠回りに波打つ傾向が強く綺麗に振り抜けません。ヘッドスピードは強烈ですが、ロスの多いスイングだと言えるでしょう。

<軸> 
☆☆☆

 足を大きく上げ下ろしするので、目線の上下の動きはそれなりに。体の開きも我慢できない欠点はありますが、その割に軸足は大きくは崩れません。

(打撃のまとめ)

 バットをフルスイングで振ってくるので、物凄く荒っぽいのかと思うと、意外にそうだとも言い切れない部分も。これだけのフルスイングでありながらボールを捉えるセンスに優れ、打球の速さは際立ちます。バットを振れるという意味では、全国でもトップクラスだと言えるでしょう。


(最後に)

 東海地区の選手らしく、思いっきりの良い強打者ぶりは光ります。守備・走塁のレベルをもう少し詳細に掴みたい部分があるのと、外角への厳しい攻めに対する対処をもう少し確認したいところ。

 静岡では、桒原 樹(常葉菊川)に次ぐぐらいの打者の素材であり、できれば夏もチェックを入れてみたい選手でした。あまりチマチマしたアマ野球には適さないタイプですが、プロへ行けるほど圧倒的なものがあるのかは微妙なところ。その能力を、ぜひ見極めてみたいと思います。


蔵の評価:
追跡級


(2014年 春季静岡大会)



 








木村 聡司(常葉橘・3年)投手レポート(無料)