14kp-42
柿木 映二 (柳川)投手 186/76 右/左 |
「集中力が無さそう・・・」 彼を実際見たことがなく、映像としてもなかったので、動画で探してみた。すると、この夏の大会の模様が。しかし彼の打たれたあとの所作などを見ていると、なにか集中力に欠ける印象を持ったのは私だけだろうか? (投球内容) 撮影された動画をみると角度がついていて、バックネット裏から見る感じとは違う。そのため、正確にこの選手の投球を評価することが出来なかった。手足の長い投手体型で、サイドに近いスリークオーターから投げ込んで来る。 ストレート 常時135キロ前後~MAX143キロ この動画を見る限り、普段は135キロ前後で最速で140キロぐらいかなという印象を受けた。ちなみに彼のMAXは、143キロだという。しかしボール自体に、それほど球威や勢いは感じない。特に、変化球を多く投げている。 変化球 縦横のスライダー・チェンジアップ 高低がわかりづらい映像だったので、何を投げているかはよくわからない。どうも普通のスライダーと、低めに切れ込むスライダーがあるようだ。他にチェンジアップだかシンカー系のボールを投げてくる。 その他 牽制はそれなりに鋭いのですが、クィックは、1.2~1.3秒ぐらいと遅いのが気になります。背番号9をつけており、この夏はリリーフで起用されていた。その投球も、けして洗練されているという感じではありません。 (投球のまとめ) 恵まれた投手体型はしていますが、体付き、ピッチング内容を観ても、これから本格的に肉付けするという感じで、未成熟な選手という印象を受けます。あくまでも、今後の可能性に期待しての指名だというのがよくわかりました。 (投球フォーム) 素晴らしいのは、肩の可動域が非常に柔らかいのと、腕の振りのしなやかさにあります。 <広がる可能性> ☆☆☆ 引き上げた足を高い位置でピンと伸ばせており、お尻は一塁側に落とせています。そういった意味では、カーブで緩急をつけたり、フォークのような縦に鋭くボールを投げるのに無理はありません。 しかし腕を下げたフォームなので、実際には縦の変化球には適さないでしょう。「着地」までの粘りはそれほどでもなく、体を捻り出す時間は十分ではありません。そのため現状は、変化球にそれほど特徴がないのではないのでしょうか。 <ボールの支配> ☆☆☆ グラブしっかり内に抱えられていないので、両サイドの投げ分けは不安定。足の甲で地面を捉えているのでボールが低めに集まりそうですが、実際には真ん中~高めに多く集まっています。その一つの理由として考えられるのが、結構腕が外旋して、外からブンと振る腕の振りになりコントロールがつきにくいこと。また「球離れ」が早く、指先の感覚が悪いからではないのでしょうか。 <故障のリスク> ☆☆☆☆ お尻は落とせるフォームですので、肘への負担は少ないはず。腕の角度にも無理はなく、肩を痛める心配はありません。それほど力投派でもないので、体への負担は少なそう。そういった意味では、故障の可能性は低そうです。 <実戦的な術> ☆☆☆ 「着地」までの粘りは感じないのですが、肩の可動域が柔らかく、腕が遅れて出てくる感覚に陥るかもしれません。 まだ筋力が足りないのか、腕の振りが弱く身体に絡んできません。ボールへの体重の乗りも悪く、打者の手元まで生きた球がいっていないところが気になります。 (フォームのまとめ) 恵まれた体格、柔らかい身のこなしに非凡なものは感じます。その身体に芯が出来てきたら、面白いのではないかという指名ではないのでしょうか。 投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」の観点でいえば、「開き」の遅さは特筆ものですが、あとの部分では粘りがたりません。この辺を改善できるのかが、今後の大いなる課題。 更にコントロールを司る動作に関しては、グラブの抱えと「球持ち」や腕の振りに乱す要素があります。故障のリスクは低いフォームなので、その点では評価できます。 (最後に) ちょっと投球を見ただけでは、正直何が良いのか全然わかりませんでした。しかしこのボールが遅れて出てくるような感覚の肩の可動域の広さと腕のしなりには、素材として面白味を感じるのはわかる気がします。 問題は、技術的にも課題が多く、筋力を付けても実戦的な部分でどうなのか?という疑問は残ります。現状は、球威・球速・コントロール・投球術と課題満載で、プロにかかる選手には見えませんでした。果たしてそういった選手をあえて指名したわけですが、どういった結果になるのか気になるところです。 (2014年夏 福岡大会) |