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小島 和哉(早稲田大4年)投手の最終寸評へ







小島 和哉(早稲田大4年)投手の春季寸評へ







小島 和哉(早稲田大3年)投手 176/80 左/左 (浦和学院出身) 
 




                       「あまりピンと来ない」





 浦和学院時代から、世代屈指のサウスポーと言われてきた 小島 和哉 。しかしプロ志望届けは提出せずに、早稲田大学に進学。ここまで、3年間で積み上げてきた勝ち星は14勝。しかしその投球は、淡々と投げ込むだけで心に響いてくるものではなかった。

 2018年度になってのオープン戦では、小島の気合の入りようが違うと訊いた。観戦に訪れたスカウト達の前で、これまでと違った気迫溢れる投球を披露したのだという。そしてスカウトの中からは、上位指名候補 の声もささやかれた。

(投球内容)

 私はまだ、最終学年の小島の投球を確認していない。そのため、3年秋の投球を観てレポートを作成してみたい。この時期にレポートを作成しておけば、何処か変化したのかもシーズンになれば浮き彫りになるだろう。

ストレート 130キロ台後半~140キロ台前半 
☆☆☆ 3.0

 普段の球速は、140キロ前後と驚くものはない。ピュッと打者の手元でボールがキレるので、打者は差し込まれやすい。ただしキレ型投手ゆえに、甘く入ると長打を浴びやすい。この投手の優れているのは、両サイドにボール散らし投げミスが少ないところにあるのではないのだろうか。


変化球 スライダー・チェンジアップ・ツーシームなど 
☆☆☆★ 3.5

 横滑りするスライダーを中心に、チェンジアップや右打者の外角に小さく逃げるツーシームなどがある。球種自体はもっと多彩だと思うが、武器になるというほどの絶対的な球は見当たらない。コースに速球と変化球を散らし、相手の打ちミスを待つのがこの投手のピッチングスタイル。左腕だが、それほど三振を多く奪う選手ではありません。

その他

 非常に左腕らしく、見分けの難しい牽制を投げます。また走者を刺そうと、鋭く投げてきます。クィックは、1.15~1.20秒ぐらいと平均的。フィールディングも上手く、野球センスに優れた選手だといえます。

(投球のまとめ)

 ゲームメイクできる投球術と、名門で揉まれてきた精神力の強さも併せ持ちます。今までは、何か自分が培ってきた技量だけで、淡々と投げ込んでくる印象が強かったところ。特に悪いわけでももないけれど、投球にメリハリがなく面白味に欠ける投球だった。その辺が気持ちを全面に出しガンガンゆくところを魅せているというのですから、最終学年にどんな投球を魅せてくれるのか非常に楽しみです。


(投球フォーム)

今度は、技術的な観戦から、プロで通用するものがあるのか考えてみましょう。

<広がる可能性> 
☆☆☆★ 3.5

 お尻は三塁側に落とせているので、身体を捻り出すスペースは確保できています。そのため捻り出して投げる、カーブで緩急をつけたりフォークのような縦の変化球の修得にも無理はありません。

 ただし「着地」までの粘りは並で、身体を捻り出す時間は平均レベル。そのため多彩な変化球は投げられるものの、キレや曲がりの大きな変化球の修得が難しく、武器になるほどの球が身につけられないでここまで来た気がします。


<ボールの支配> 
☆☆☆☆★ 4.5

 グラブは最後まで内に抱えられており、両サイドの投げ分けはつけやすい。足の甲でも地面押し付けられており、力を入れて投げてもボールは上吊り難い。「球持ち」もよく前で放せているので、細かいコントロールまでつけそう。

 しかし実際には、イニング数の半分程度の割合で四死球を出すことが多い(基準は1/3以下)。1年春のシーズンこそ良かったが、以後のシーズンは意外にアバウトな投球が続いけていることは覚えておきたいポイント。動作的には素晴らしいはずなのだが、どうしてなのだろうか?


<故障のリスク> 
☆☆☆☆ 4.0

 お尻は落とせているので、カーブやフォークといった球種を投げても窮屈さは感じないはず。また投球においては、ほとんどこういった球種は見られない。そういった意味では、肘を痛める可能性は低いのではないのだろうか?

 腕の送り出しにも無理はなく、肩への負担も少なそう。けして力投派でもないので、披露を溜め難いと考えられる。


<実戦的な術> 
☆☆☆ 3.0

 「着地」までの粘りは並ぐらいだが、身体の「開き」は抑えられている。そのためコントロールをミスしなければ、痛打は浴びにくい。

 振り下ろした腕は身体に絡んでおり、速球と変化球の見極めはつき難い。ボールにも適度に体重を乗せてからリリースはできており、打者の手元まで生きた球が投げられている。


(フォームのまとめ)

 フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」でいえば、「着地」までの粘りを除けば高いレベルでまとまっている。故障のリスクも少ないし、制球を司る動作にも優れている。問題は動作が優れている割に、四死球が多いこと。また今後、武器になるような球を修得できるかではないのだろうか。

(最後に)

 彼に物足りなかったのは、投球の力感と気持ちを出したプレーだということ。その点が改善されているとなれば、上位指名の話が出てきても不思議ではないだろう。本当に変わっているのかどうか? この目で確認して評価してみたい。


(2017年秋 早慶戦)









 小島 和哉(浦和学院・2年)投手 175/73 左/左
 




                      「高校球界屈指のサウスポー」





 2年春のセンバツで、チームを全国制覇に導いた 小島 和哉 。しかし続く夏の甲子園では、まさかの大乱調で緒戦で姿を消すことになる。あの 小島 も、やっぱり高校生なのだなということを強く実感。そしてまさか3年春のセンバツに出場できないとまでは、彼の完成度・チームの力からも予想も出来なかった。しかし紛れも無く彼が下級生で示したパフォーマンスは、全国でも屈指のサウスポーであることは間違いない。ここでは改めて、彼の投球を検証してみたい。


(投球内容)

ワインドアップから、実にゆったりしたモーションで入ってきます。

ストレート 常時135~MAX143キロ

 2年夏の時点では、常時135~140キロの間ぐらいと、球速表示に驚くようなものはありませんでした。しかしゆったりしたモーションから鋭く腕を振って来るので、打者としてはピュッと差し込まれる感覚に陥るはず。そのボールは、球速表示よりも、5キロは速く感じられると言います。

 また彼のボールの良さは、ベース板を通過する時でも力が落ちない力強さがあるところ。ただ、キレが良いだけではありません。そのボールを、実に両サイドきっちりと投げ分けるコントロールこそ、彼の最大の持ち味だと言えるでしょう。

変化球 スライダー・スクリュー・カーブ・フォークなど

 球種は実に多彩ですが、その多くは115キロ前後のスライダーと120キロ強のスクリューボールが中心で組み立てられています。また110キロ前後のカーブや縦に落ちるフォークのような球種もあるように思います。

 変化球に、絶対的なキレは感じませんが、低めにしっかりコントロールすることで、上手くボールを活かすことが出来ています。少し気になるのは、変化球を投げる時に腕が緩み、速球との見極めが出来てしまうのではないかという部分。この点を修正しないと、上のレベルでは厳しいように思います。


その他

 牽制も非常に鋭く、クィックは1.15~1.20秒前後でも走者に付け入る隙を与えません。またフィールディングも上手く、野球センス・運動神経の高さだけでなく、投球以外の部分まで神経を通わす意識の高さを感じます。


(投球のまとめ)

 2年夏の時点では、ドラフト候補という凄みは感じませんでした。しかし「間」も意識して投球出来ており、単に洗練されているだけでなく、頭を使って投げているのもよくわかります。

 いわゆる試合を作れる投手であり、典型的な先発タイプ。この一冬の間に、ボールに凄みが出てくるようだと、一気に上位候補として注目されるでしょう。現状は、名門大学などで野球を続けて行くタイプに見えます。

(投球フォーム)

極めて完成度の高い投手に見えるのですが、技術的な部分ではどうでしょうか?

<広がる可能性> 
☆☆☆

 引き上げた足を空中でしっかり伸ばさないので、お尻が充分に三塁側落ち切らないのが残念。そういった意味では、あまりカーブでしっかり緩急を、フォークのような縦の変化には適しません。ただしあと少ししっかり伸ばせば、お尻を一塁側に落とせるフォームだけに、惜しい気は致します。

 「着地」までの粘りは平均的で、身体を捻り出す時間は並。そのため、いろいろな変化球は投げられる器用さはありますが、絶対的なキレ・曲がりを手に入れられていないのも、このせいかもしれません。もう少し「着地」までの粘りが出てくると、変化球のキレも変わってくるかもしれません。


<ボールの支配> 
☆☆☆☆

 グラブは最後まで内に抱えられており、両サイドの投げ分けは安定。足の甲でも地面を押し付けられており、ボールも上吊りません。「球持ち」もよく指先の感覚にも優れているようにみえるのですが、あと一歩ボールを押し込めるようになると、更に球筋が低めに集まるのではないかと思います。しかし高校生の左腕で、これだけボールをしっかりコントロールできる投手は稀。

<故障のリスク> 
☆☆☆☆

 お尻の落としに若干の甘さはあるものの、カーブやフォークといった身体を捻り出す球種を多投げするわけではないので、悲観しなくても大丈夫でしょう。

 振り下ろす腕の角度にも無理はありませんので、肩への負担も小さいはず。それほど力投派でもないので、故障の可能性は低いのではないかと考えます。


<実戦的な術> 
☆☆☆

 「着地」までの粘りは平均的で、それほど合わせにくいわけではありません。また体の「開き」も平均的で、その点でも際立つものはありません。むしろゆっくり始動して、ピュッと腕や上体を振ることでギャップを生み出すことが、タイミングの狂いを誘うのでしょう。

 振り下ろした腕は身体に絡むようにストレートの時は良いのですが、変化球の時に腕の振りが弱くなる時があるのが気になります。ボールへの体重の乗せも発展途上であり、下半身の使い方にも改善の余地がありそう。


(フォームのまとめ)

 投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」という観点では、実は大きな欠点はありません。しかしながらそれほど際立つ部分もなく、まだ発展途上の投手であることがわかりました。

 腕の振りは悪くないのですが、変化球との違いが顕著。それでも故障のし難いフォームであり、その点では推せる材料でしょうか。



(最後に)

 すでに投手としては、ある程度完成されている印象が強いです。それだけに中背の体格も相まって、どのぐらいの伸び代が残されているのかは疑問が残ります。しかしながら動作の観点からすると、まだまだ発展途上の部分が多く、良くなる可能性が多く残されていることもわかります。その辺を本人が意識的に突き詰めて行ければ、夏までにワンランク・ツーランクとスケールアップすることは充分可能でしょう。

ぜひ春季大会では、実際に埼玉まで確認に行きたい投手。そこで変わった印象がなければ、ドラフト候補というよりは大学タイプの投手と判断して良いのではないのでしょうか。しかしピッチングのできるコントロールの良い貴重な左腕だけに、バランスさえ損なわずにパワーアップしていれば、一躍上位指名に浮上してきそうです。期待半分、不安半分で、春の訪れを今は待ちたいところ。



(2013年夏・甲子園)










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