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源田 壮亮(西武)遊撃手のルーキー回顧へ







源田 壮亮(23歳・トヨタ自動車)遊撃 179/72 右/左 (愛知学院大出身) 
 




                        「守備・走塁は一軍級」





 社会人一年目は、打力の弱さを露呈してレギュラーになれず。しかし2年目の今年は、9番・遊撃手として都市対抗にもスタメン出場を果たす。改めて都市対抗のプレーをみて、守備・走塁は充分に一軍で通用すると実感。愛知学院大時代、志望届けを提出していれば上位指名されていただろう片鱗を魅せてくれた。


(ここに注目!)

 スピード感あふれる 走・守 に、ぜひ注目して頂きたい。今年プロ志望届けを提出すれば、指名は間違いないだろう。

走塁面: 
☆☆☆☆ 4.0

 一塁までの塁間は、4.0~3.75秒で常に走り抜ける。都市対抗緒戦に計測した打球でも、3.80秒を記録するなど一塁到達のスピードはプロでもトップクラス。大学選手権の時は、出塁するとすかさず盗塁を仕掛けるなど盗塁も決められる選手だった。しかし都市対抗予選の5試合で0盗塁と、社会人に入り盗塁が目立たなくなったところは気になる材料。昨年の公式戦61試合でも4盗塁となっており、チームの方針もあるかもしれないが盗塁をあまり仕掛けなくなっているのかもしれない。

守備面:
☆☆☆☆★ 4.5

 打球への一歩目の反応が鋭く、非常にスピード感があるのが特徴。地肩が強いというよりも、スナップの強さが際立つタイプ。それでも深いところからの送球も乱れないし、プレー自体に雑なところがない。プロレベルでも充分、ニ遊間で勝負して行ける選手ではないのだろうか。守備・走塁に関しては、今すぐにでも一軍で違和感なく入って行けるだろう。


(打撃内容)

 大学時代から、打撃がプロとなると弱いという感じがしていました。それでももっと大学時代はインパクトが強く、パンチ力があったように見えたのですが、今はコツコツ当てる感じの打者になっているように見えます。打撃は、社会人でも9番打者というひ弱さがあります。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

前足を軽く引いて、グリップは高めに添えてます。腰の据わり具合・両目で前を見据える姿勢・全体のバランスとそれなり。大学時代は、ス クエアスタンスで両足を揃えていたので、若干そこだけ変わっている。

<仕掛け> 平均的

 投手の重心が下がりきった時に動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。ある程度の対応力と長打力をバランスよく兼ね備えた、中距離打者やポイントゲッターに多く観られる仕掛け。大学時代は早めに動き出すなどアベレージ傾向が強かったのですが、少し長打を意識するようなタイミングの取り方になっている。しかしむしろ大学時代の方が中距離タイプで、今の方がアベレージ傾向が強いように感じられるのだが。

<足の運び> 
☆☆☆☆ 4.0

 足を地面からそれほどあげず、回しこんで軽くベースから離れた方向に踏み出すアウトステップ。始動~着地までの時間はそこそこで、速球でも変化球でもそれなりに対応。軽くアウトステップするように、内角にやや意識があるのか、一塁までの走りだしを意識しているのかもしれない。大学時代は、もう少し始動が早く動作に余裕があり、真っ直ぐ踏み出して内角でも外角でも幅広く対応するスタイルだった。

 それでも踏み出した足のつま先は開かず、インパクトの際にブレないで対応できている。そのため外角に対しアウトステップでも高めの球ならば充分対応できるし、低めの球にも開きを我慢して食いついてゆくことができる。


<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」の形が遅れがちで、あまりキッチリ作れていない。大学時代は、「トップ」を早めに決めることができ、打撃に入ることができていた。スイング軌道も、上からロスなくインパクトまで振り抜けている。ボールを捉える時も、バットの先端であるヘッドが下がらずに。広い面でボールを捉えることができている。これにより、打ち損じは少なくなる。


<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げが小さいので、目線の上下動は少なめ。身体の開きも我慢でき、軸足にも粘りが感じられる。大学時代よりも、上下動の動きが減り、球筋を錯覚を起こすことなく追うことができている。

(打撃のまとめ)

 気になったのは、若干始動が遅くなったことで動作に余裕がなくなったこと。また「トップ」をしっかり作れなくなっているのが気になった。この辺は、無意識なのか意識的にそうしたのかはわからない。良くなったのは、上下の動きが小さくなり目線のブレが減ったことではないのだろうか。

 もっと大学時代は強くしっかり振れていた気がするが、今は自信がないのか?合わせるような弱々しいスイングになり、打撃に関しては魅力が薄れている。元々少し時間がかかると思っていた打撃が、更に悪くなっているように感じられ、そのへんは心配な材料。特にスイング鋭いとか、当てるのが非凡というタイプではないだけに、打撃に関してはプロでも苦労しそう。



(最後に)

 守備・走塁は健在で、今すぐにでも一軍の試合でやって行けるだけの能力がある。しかし打撃に関しては、大学時代以上に弱々しくなっており、プロでは苦労するのでは? それでも打撃に課題がある 京田 陽太(日大)あたりが上位指名候補ならば、この源田がそう低く評価されることはないだろう。

 この2年間の成長は特に感じられないが、プロでもショート守れる人材であることを考えると3,4位ぐらいでは指名があっても不思議ではない。社会人入りで陰は薄くなっているが、評価を大きく下げる必要はなさそうだ。



蔵の評価:
☆☆(中位指名級)


(2016年 都市対抗)










源田 壮亮(愛知学院大4年)遊撃 180/75 右/左 (大分商業出身) 
 




                 「木村昇吾(広島)より上なのでは」





 愛知学院大の先輩で、横浜~広島で活躍している、木村 昇吾 の大学時代と比べても、この 源田 壮亮 の方が上なのではないかと思える。何より木村よりも足という明確な武器があるのと、大学時代の木村と比べても、守備でも遜色ない。木村自身打撃は当時それほどでもなかったことを考えると、総合力では 源田 の方が上ではないかと思うのだ。それにまして源田には、ハッキリとガッツを表に出すタイプ。見ているものに、熱いものが伝わって来る。

 今春の成績は、12試合 0本 8打点 打率.370厘 と好成績でMVPを獲得。その勢いで大学選手権でも存在感を示し、ハーレム世界大会の代表選考会・平塚合宿のメンバーにも臨時招集された。おしくも日本代表は逃したが、明確に彼の存在感を示せたシーズンだったと言えよう。

(守備・走塁面)

 一塁までの塁間は、コンスタントに4.0~3.75秒ぐらいを刻んで来る、これはプロでもトップクラスの脚力。春のリーグ戦では7つの盗塁を決め、大学選手権でも出塁するとすかさず盗塁。ただ速いだけでなく、確実に走れるという脚力を持っているのは大きな強味。プロでも間違いなく、足を売りにすることができよう。

 遊撃手としても、打球への反応鋭く、一歩目が速い。非常にプレースピード感があり、強肩というよりもスナップの強さが際立つ。それでいて雑な部分もなく、プロでも間違いなくニ遊間を担える素材であり、守備・走力が売りにできる。





(打撃内容)

 守備・走塁に比べると、プロを想定すると若干打撃が弱い気はします。それでも技術的にはシッカリしていますし、けしてひ弱さもありません。ボールを強く叩けますし、スタンドインのパンチ力を秘め、ドラフトにかかるだけの基準は満たしています。

<構え> 
☆☆☆☆

 スクエアスタンスで、グリップを高めに添えます。腰の据わり具合・全体のバランス・両目で前を見据える姿勢など、大きな欠点がありません。

<仕掛け> 早めの仕掛け

 投手の重心が下るときに動き出す、典型的なアベレージヒッター。ボールを点ではなく線で捉えるタイプで、幅広く対応できます。

<足の運び> 
☆☆☆☆

 始動~着地までの「間」が充分あり、速球でも変化球でもスピードの変化に対応しやすいはず。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも打ち返すことを意識。踏み込んだ足元もブレないので、外角の厳しい球や低めの球にもついて行けます。緩急・コースに対し万能に対応できる打ち方で、幅の広い打撃が持ち味。

<リストワーク> 
☆☆☆☆

 打撃の準備であるトップの形も早く作れているので、速い球に立ち遅れることはないでしょう。振り出しも上からミートポイントまでロスなくボールを捉えることができ、ボールをとらえたあともヘッドが下がることなく綺麗に振り抜けてボールをアシストします。フェアゾーンに、高い確率で落とせる打ち方だと言えます。

<軸> 
☆☆☆☆

 足の上げ下げは平均的で、上下の目線の動きは並。しかし踏み込んだ足元は我慢でき、開きを抑えられます。軸足にも粘りがあり、体勢を崩されてもボールを上手く拾うことができます。自分の型を大事にするというよりは、型を崩してでも打ち返すことができる柔軟タイプだと言えるでしょう。

(打撃のまとめ)

 ハイレベルな相手だと、まだ対応に少し弱い面を感じます。それでもボールを捉える感性・スイングの技術・打球の強さなども兼ね備えており、今すぐでもファームレベルの試合ならば違和感なく入って行けるでしょう。

 あとはプロの世界で何を感じ掴みとるのか、彼の野球人としての欲とセンスが求められます。


(最後に)

 守備・走塁に関しては、すでにプロの領域に。打撃は、1,2年かかるかもしれませんが、ガッツもある選手なので、いずれ一軍戦力に加わって来る逞しさが感じられます。A級の素材ではないですが、持ち前のガッツと努力で、高いレベルまで這い上がって行ける選手ではないかと評価します。

 今年の大学・社会人のニ遊間候補の中では、個人的にイチオシ。上位指名とかそういう選手では無いのですが、中位~下位あたりならば納得の指名ではないのでしょうか。ニ遊間を補強したいチームには、お薦めしたいナイスガイです。


蔵の評価:
☆☆


(2014年 大学選手権&平塚合宿)