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岡田 雅利(24歳・大阪ガス)捕手 172/78 右/右 






                  「ようやくチャンスが巡ってきた」





大阪桐蔭史上でも、恐らく歴代NO.1の強肩捕手は、この 岡田 雅利 だろう。すでに高校時代から、下位指名ならプロに充分指名された選手だったと思う。しかし大阪ガスに進むも、そこにはベテラン捕手がどっかり座っていた。そのため試合に出ても、捕手ではなくDHだったりと、他のポジションでの出場になりアピールにならない。ようやくそのベテラン捕手が引退したことで、岡田にもアピールの機会が訪れた。

(ディフェンス面)

 「恐れずに俺を信じて投げ込んで来い!」そんな叱咤激励タイプの捕手です。ミットを示しグラブを下げないので、ワンバウンド処理などには立ち遅れません。低めのボールに対しボールを被せるように出すことがあるので、その辺が正直気になります。しかし天性の反射神経の持ち主で、そういった欠点を最小限にとどめています。ボールへの押し込みはそれほどではありませんが、グラブは全くブレません。

 都市対抗でも再三飛び出した走者を刺したように、圧倒的なスローイングが自慢。塁間1.8秒台で投げ込めえるスローイング・地肩の強さは、アマでも屈指のものがあります。プロに混ぜても、球界トップクラスの捕殺率を誇るようになると思います。

 もう一つ特徴をあげれば、フットワークが軽く、すぐにベースカバーに走るなど動き回れる選手だということ。その辺は、野手としても塁間4.05秒前後(左打者換算で3.80秒前後)で走り抜けるだけの、高い身体能力も兼ね備えられています。捕手としても、すでにファームでレギュラーを任されるぐらいのレベルにはあり、比較的早い段階から、一軍も意識できる存在になるのではないのでしょうか。インテリジェンスを感じるタイプではありませんし、それほど気遣いができるというよりは、高い身体能力と強気なプレースタイルでガンガン引っ張ってゆくタイプかと。

(打撃内容)

 この選手の好いところは、捕手ながら打力もかなり高いということ。チームでも長くDHで起用されていたり、守らなくても打撃だけで存在感を示せてきただけの力があります。

 高校時代は引っ張って巻き込む打球が多かったのですが、今は広角に打ち返すことができるようになり、打撃の幅が広がりました。

(打撃フォーム)

<構え> ☆☆☆☆

 前足を軽く引いて、グリップの高さは平均的。腰はそれほど据わっていないが、背筋はしっかり伸ばしています。全体のバランスとしては並ぐらいですが、両目で前を見据える姿勢も悪くありません。構えとしては、理に適っているのではないのでしょうか。

<仕掛け> 平均的な仕掛け

 投手の重心が下がりきったあたりで始動する「平均的な仕掛け」を採用。ある程度の対応力と長打力をバランスよく兼ね備えた打ち方で、勝負強さを売りにする中距離ヒッターが多く採用する打ち方。

<足の運び> ☆☆☆☆

 足をしっかり引き上げてきますし、ある程度「間」は取れているので、速球でも変化球でもそれなりに対応できると考えられます。ベース側に軽くインステップするように、以前よりも外角に意識を置いたスイングに。

 踏み込んだ足元も、なんとかブレずに我慢出来ています。これにより外角や低めの球にもついて行けるようになり、打球もセンターから右方向へも可能になりました。以前は、引っ張って巻き込むだけのタイプだったのに比べると、幅ができました。

<リストワーク> ☆☆☆

 バットを引くのが遅れがちで、打撃の準備である「トップ」を作るのが遅れるのが気になります。こうなると、速い球に立ち遅れる心配があります。

 バットの振り出しも、少し身体から遠回りにまわるスイングなのでロスを感じます。それでもバットの先端であるヘッドは下げないので、ドアスイングにはなりません。スイングの弧は大きめで、最後までシッカリ振り切れます。

 物凄く対応力が高いスイングには見えませんが、甘い球が来たら思っきり引っ張ったく感じで、スイングに弱々しさは全くありません。高校時代同様、強打者の片鱗は今も残っています。

<軸> ☆☆☆

 足を上げ下ろしするので、目線は結構動きます。体の開きは我慢でき、軸足も大きくは崩れません。

(打撃のまとめ)

 それほど確実性が高いスイングではありませんが、甘い球が来たらガンガン振って来ます。捕手としてもそうですが、プレーに思いっきりの良さ・積極性を感じます。

 小柄ではありますが、体つきもガッチリしており、プロの球に対しても力負けはしないでしょう。トップを作るのが遅れない限りは、スピードへの対応も問題なさそうです。野手としてコンバートすると言うほどの圧倒的な打力は感じませんが、捕手に必要な打力は完全に満たしていると評価します。

(最後に)

 ようやく捕手としてのチャンスが巡ってきたと言うのもありますが、攻守に確かな成長を遂げたことを西武のスカウトは見逃さなかったように思います。攻守のバランスも取れており、ドラフト6位の捕手としては、非常に面白い選手が獲得出来たのではないのでしょうか。

 正捕手でバリバリといったほどのスケールは感じませんが、チームの貴重な戦力として、長く生き残って行けると思います。一年目からどんな活躍を見せてくれるのか、期待して見守ってみたいと思います。

蔵の評価:☆☆

(2013年 都市対抗)


 








岡田 雅利(21歳・大阪ガス)DH 170/72 右/右 (大阪桐蔭出身)

(どんな選手?)

 本職は、素晴らしい地肩を誇る捕手です。小柄だけに動きも俊敏で、動けるタイプの高い運動神経が魅力です。ただ社会人レベルでは、信頼される立場にまでは至っていないようで、打力を活かして6番・DHでの出場でした。緒戦のNTT北信越硬式野球クラブ戦では、2安打を放ち、確かな打力もあることを証明いたしました。また右打者ながら、塁間4.05秒前後(左打者換算で3.75秒前後)に相当する、抜群の脚力も併せ持ちます。

(打撃内容)

 大阪桐蔭時代からそうなのですが、この選手はセンターからレフト方向に巻き込むスイングが持ち味の選手です。前足を軽く引いて、軽く足下でチョンと小さくしてからステップする選手で、少々この動きからも打てるポイントは限られており、また速い球に立ち後れないのか気になります。

 それでもしっかりインステップして踏み込んで来る選手で、それでいて打球を右方向には飛ばさないプルヒッター。その理由は、カベを長くキープ出来ないスイングにあると思うのですが、高卒2年目の選手としては非常にヘッドスピードが鋭いのが印象的です。

(今後は)

 小野と言う社会人を代表する名捕手がいるので、中々捕手として大事なところを任せられるのは難しいかもしれません。ただ、この小野を超えて行かないと、プロ入りも難しいのかなと思います。

 現状、打撃は粗いのですが、目立つものはあります。この打力ならば、捕手としてのディフェンス力があるところを示せれば、充分目をつぶれるレベルにあります。まずは、チーム内の大先輩のカベを乗り越え、プロを入りを目指して欲しい貴重な若手野手の1人です。

(2009年・都市対抗)







岡田 雅利(大阪・大阪桐蔭)捕手 171/72 右/右





               「やっぱりモノが違った・・・・」





 2007年度の選抜大会では、全国的にも素晴らしい捕手達が集まっていた。そんな中で、やっぱり高卒即プロの素材だなあと思わせてくれたのは、170センチソコソコの、この捕手であった。

(ディフェンス面)

 中田翔が注目を浴びる中、その女房役である岡田は、しっかり自分の仕事を果たしていた。昨年観た時よりも、身体が一回りも二回りも大きくガッチリしてきた。この選手は、小柄なセンス型の捕手にありがちな、フットワークを全面に活かした運動神経まるだしタイプの捕手ではなく、ドシッと地に足の着いた構えが出来る捕手である。

 そのため余計にミットを動かすことなく、投手としては的を絞りやすい捕手だろう。それでいて、やはりこの選手の運動神経は違う。ワンバウンド処理や打球への瞬時の反応は素晴らしい。当然グラブ捌きも、他の捕手とはひと味違った上手さがある。

 元々高校生としては、ビックリするような強肩の持ち主だったのだが、更に捕ってからの素早さ・制球力にも磨きがかかり、塁間1.8秒台をコンスタントにマークする、大学・社会人捕手達と混ぜてもトップランクのスローイングを誇っている。

 当然素材としては、申し分ない。ただしいて云えば、リード面・投手への配慮などの面で、まだまだ物足りなさを感じるのも事実。この辺の技術以外の想像力・視野の広さなどが磨かれて来ると、この選手は素晴らしい捕手になれるのではないのだろうか。ことディフェンス面に関しては、◎を付けたい素材。

ボタン一つでスタジアムへ!

(打撃タイプ)

対応: 比較的ボールを観て来るタイプ

狙い球:速球でも変化球でも、内角でも外角でも打ちに来るタイプ

打球: センターに、右に左へと幅広い

 スイングを観ていると、この選手は巻き込む打撃を得意としている。そのため右方向へも打球は飛ぶが、しっかりとした打球はレフト方向に多い。そのため打てる球は、結構限られているのではないのだろうか。

 ただ小柄だからといって非力さはなくヘッドスピードはそれなりに鋭い。むしろ上のレベルを意識すると、対応力に課題があると言えよう。それでも秋の成績.486厘で、並の高校生相手ならば、充分に、打ち砕く打力は持っている。ダテに大阪桐蔭の核弾頭を努めているわけではないだろう。

 一番を努めるように、塁間を4.3秒ソコソコ(左打者ならば4.0秒ぐらい)と、上のレベルでも俊足レベル。ただ盗塁の数は少なく、走塁センスが高い選手ではないようだ。一発巻き込めば本塁打と云うパンチ力も秘められている。

(打撃フォーム)

 いつものように、「迷スカウトの足跡!
2007年度4月9日更新分に、彼の打撃フォーム連続写真が掲載されているので、そちらも参考にしながら読み進めて欲しい。

待っている 逸材達が! 

<構え> 
☆☆☆

 写真1を観ると、前足を軽く引いているが、ほぼスクエアスタンスと考えてよいだろう。グリップの高さは平均的で、バットを立てて構えている。腰の据わり・全体のバランスは並ぐらい、両目でしっかり前を見据えられているのは好い。


<仕掛け> 
早め~平均的な仕掛け

 投手の引き上げた足が下がり始めた時に始動し始め、本格的な始動は底に到達したあたりで始動している。仕掛けが速ければ、それだけアベレージ打者の傾向が強く、彼はアベレージ打者と中距離打者の中間あたりに位置するタイプの打者と云うのが本質だろう。

 それ故に狙い球を絞らず、いろいろな球に手を出すスタイルになっていると考えられる。ただ技術的に、いろいろな球を捌けるタイプではないので、もう少し得意球をねらい打つスタイルに、将来的にはかえっていった方が良さそうだ。

<下半身> 
☆☆

 足を軽く引き上げ、真っ直ぐ踏み出すスタイル。真っ直ぐ踏み出すと云うことは、内角でも外角の球でも打ってやろうという彼の意志が感じられる。踏み込み自体は強いのだが、ステップ自体は狭めなので、どうしても腰の回転を活かした巻き込む打撃を得意とするようになる。その分今のスイングだと、アウトコースへの対応に苦労するものと予想される。

 もう一つ気になるのは、アウトコースの球を捌く時でも、足元がブレると云うよりは早く地面を離してしまう傾向がある。内角の球を巻き込む際にはこれでよいのだが、カベを長くキープ出来ないので外の球に対処する時に我慢仕切れないで手打ちになる可能性が高い。選抜では、中田翔にも同じ傾向が見られた。

<上半身> 
☆☆☆

 トップ自体は、まあきっちり取れている。グリップを奥に引き込むことはなく、トップ~インパクトまでのロスは殆どない。スイング軌道もヘッドが下がることなく、レベルスイングが出来ている。フォロースルー自体もしっかり取れているが、それほどグリップが引きあがって来るタイプではないので、やはり長距離タイプではない。ヘッドスピードもそれなりで、速球に力負けしたり、振り遅れるようなタイプではない。

<軸> 
☆☆☆

 頭の位置はそれなり。身体の開きも平均的で、けして早すぎるということはない。ただ軸足が写真5では前に崩れ、あまり好い形では打てていない。





(最後に)

 ディフェンス面に関しては、体格のことも含めて悲観することは全くないだろう。個人的には、捕手的な性格の選手か、リードの想像力・発想力があるかなど、内面を中心に、これからは観て行きたい選手。

 打撃に関しては、弱いと云うことはなく、アウトコースの捌きに課題があるスイングなので、上のレベルでは率が上がってこないかなと心配になる部分はあるし、相当苦労はするかなと考える。ただ打撃能力自体は、ディフェンス力の備わった捕手としては高い方なので、そこまで現時点で追求するのは酷なのかなと思ってしまう。

 上位指名でバリバリに欲しいタイプではないが、下位指名ならば、ぜひチームに加えてみたいと思わせる選手ではないのだろうか。更に夏までの進化を目指し、上位指名を意識出来る選手に育って欲しい!

(2007年 4月11日更新)

蔵の評価:
☆☆







 この選手も生で観たことがあるのだが、その肩の素晴らしさには目を見張るものがある。小柄だが、フットワーク機敏で、打球への反応・グラブ捌き・スローイング共に一級品のものがある。すでにその強肩と捕手センスで、プロ側からも高い評価をされている選手。

 一塁までの塁間も4.3秒ソコソコと言うことで、これを左打者に換算すると4.0秒ぐらいのタイムに相当するなど走力もあり、かなり身体能力も高そうだ。あとは打撃の部分の印象がないので、その辺がどうなのか?選抜ではぜひ注目してみたい!

(2006年 夏)