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井貝 星良(東海理化)の個別寸評へ







井貝 星良(岐阜・県岐阜商)捕手 170/70 右/左 
 
(どんな選手?)

 小柄ながら、旧チームから4番を務める打力と、高い身体能力を兼ね備えます。昨夏は三塁手でしたが、現在は捕手として活躍。甘い球を逃さない「鋭さ」があり、かつセーフティバントで揺さぶることもできる、強弱を付けたプレースタイルも魅力です。

(守備・走塁面)

 三塁手としては、正直よくわかりませんでした。別の試合を観て、詳細を詰められればと思います。ただ捕手としては、正確なスローイングと強肩ぶりにも定評がある選手です。

 ただセーフティバントを試みた時の一塁到達タイムは、3.8秒強。セーフティバントなど、最初から走り出して打っているような場合は、本来のタイムよりも0.3秒ぐらいはプラスすると、おおまかな走力は計測できる。そう考えると4.1秒ぐらいであり、中の上レベルの脚力は兼ね備えていることがわかる。

 少なくても身体能力は、上のレベルに混ぜても通用するだけのポテンシャルはありそうです。ただそれが、売りにできるほどなのか?と言われると、その辺が大きな見極めの対象となりそう。

(打撃内容)

 物凄くボールを捉えるセンスに優れるとか、小柄でも飛ばすことには非凡さがあると言ったタイプではありません。甘い球を逃さない「鋭さ」が自慢で、時にはセーフティバントで揺さぶるなど、視野の広いプレーができます。

 ほぼスクエアスタンスで、グリップの高さは平均的。腰の据わり・全体のバランス・両目での前の見据え方も悪くなく、適度な揺らぎも見られ、力みのない好い構えだと思います。

 仕掛けは、平均的な仕掛けを採用するなど、中距離・ポイントゲッタータイプ。足を引き上げてから、まわし込みゆっくり踏み込めるところからも、幅広いポイントを持つタイプです。左打者らしくアウトステップして踏み込むのですが、踏み込んだ足のつま先をきっちり閉じつつ、インパクトの際にもブレないのが好いです。

 打撃の準備段階である「トップ」を作るのは並ぐらいなのですが、その際にグリップを引き込んで打ちに行くタイプなので、その辺が一定レベル以上の投手に対峙した時に、どうなのかな?と言う疑問は残ります。

 それでもバットのヘッドを立てながら、大きなロスなく最後までしっかり振り抜きます。昨夏の時点では、それほどヘッドスピード・打球の鋭さに光るものはありませんでした。ただボールを捉えるセンスは悪くないので、むしろ強打者と言うよりも好打者タイプかなと感じます。

 足を上げ下げする割に、頭の動きが小さく目線のブレが少なそうなのが好感です。開きも我慢できますし、軸足にも粘りを感じます。技術的には、非常に完成度の高いタイプではないのでしょうか。

(今後に向けて)

 捕手としてのプレーは確認できていないのですが、ドラフト候補と言うよりは、その洗練されたプレースタイルからも、トップクラスのアマチュアで活躍して行けるタイプの選手ではないかと期待します。

 野球への意識・集中力も高そうですし、大いにこの夏の活躍も期待できそうなタイプです。ぜひ捕手としてのプレーを、確認してみたい選手でした。

(2009年・夏)