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岡 将吾(24歳・JFE西日本)遊撃寸評へ
岡 将吾(駒沢大)遊撃 177/79 右/左 (西日本短大附出身) |
(どんな選手?) 駒大の主将としてチームを引っ張る選手であり、スカウトからチェックが入る程の好選手。ただイマイチプロを意識すると、図抜けた武器がないところが、決めてに欠ける選手です。そんな選手の最後の秋を見てみました。 (守備・走塁面) 一塁までの塁間は、基準レベルの4.2秒前後。確かに実際試合を見ていても、ある程度動ける選手ではありますが、プロレベルで足を売りにするほどの絶対的なものは感じられません。 遊撃手としても、日大戦ではダイビングキャッチで好捕するなど、気迫のあるプレーを魅せてくれました。東都の試合前練習でも何度も見ましたが、まあ中の上レベルの遊撃手といった感じで、プロでもニ遊間候補としてチームでも期待されるでしょうが、一年間遊撃を任せるには物足りないといった感じ。二塁あたりの方が、この選手は向いているのではないのでしょうか。 (打撃内容) 膝の伸縮が柔らかく、体勢を崩してでも低めの球に当てて行く柔らかさがあります。しかし4年間の通算打率は、.220厘程度、春も.225厘とイマイチ殻が破れておりません。その原因を探るべくフォーム分析をしてみたいと思います。 (打撃フォーム) <構え> 左打者らしく、前足を引いて打席に立ちます。グリップをの高さは平均的、腰の据わり具合、両目で前を見据える姿勢などもよく、バランスの取れた好い構えだと評価できます。特にリラックスできているところが、とても好感が持てます。 <仕掛け> 早めの仕掛け 投手の重心が下がる時に始動する「早めの仕掛け」を採用するアベレージヒッター。 <足の運び> 足を早めに地面から静かに浮かし、ベース側にインステップして踏み込んできます。足を上げてから降ろす「間」が取れているので、いろいろな球に対応できるタイプ。ベース側にインステップして踏み込むので、外の球は強く叩けます。ただ左の好打者は、最初の一歩目を早く走り出したいので、その多くはアウトステップを採用します。特に右打者の内角クロスに食い込んで来る球筋が窮屈になるので、左打者のインステップ打者は、あまり打率が残りません。彼も率を意識するのであれば、足を真っ直ぐ踏み出す形の方が好いのではないかと思います。 また踏み込んだ足元は、インパクトの際にブレません。打ち損じの少ないタイプかと考えられます。ただ藤岡(東洋大)との対戦では、外角を攻められて対応できませんでした。ですから、絶対的に外角の捌きが上手いのかとおもいきや、けしてそうでもないようです。 <リストワーク> 早めに打撃の準備であるトップの位置にグリップを持ってきて、速い球に備えます。バットも上から最短距離に当てるダウンスイング気味に振り抜かれるタイプで、バットのヘッドも下がらず綺麗に振りぬけています。これだけロスのないスイングができるのに、率が低いのは何故なのか?返って天性の膝の柔らかさがあるばかりに、ボールになるような難しい球にも手を出してしまっているように見えます。早めに動き出す打者にありがちなのですが、ボールの見極めに課題を残します。 <軸> 足の上げ下げが静かなので、目線の動きが小さいのは好いです。体の開きも我慢できておりますし、軸足にも安定感を感じます。 (最後に) この選手の場合、技術的な問題よりも、ボールの見極めだったり、インステップの弊害だったりと、そういった部分での課題を感じます。持っている打撃センス・技術は素晴らしいので、ちょっとしたキッカケで、何か打撃のコツは掴めそうな気は致します。 ただアベレージヒッターにしては、守備・走力で、あと一歩図抜けたものがありません。そういった意味では、社会人などに進み、物足りなさの解消を務めるべきではないのでしょうか。 (2011年 秋季リーグ) 落ち際のカーブを上手く合わせるテクニックには見るべきものがある。特に三塁方向に流す打撃には素晴らしいものがあり、強く流せるのがこの選手の良さ。 ただ遊撃手としては、正直あまり印象が残らない選手だし、足を痛めていたのか?一塁までの走力を完全に緩めてしまうなど、打撃以外の部分が気になるところ。投手としても登板していたが、120キロ台ぐらいで、それほど地肩が強いようには思えなかった。 打撃の非凡さは、中々のもの。今後も上のレベルで野球を続けて行ける素材だろう。ぜひ何処かの球場で出会いたいものだ。ただ今度は、守備・走塁でも、アピール出来るものを魅せて欲しい。 (2007年・夏) |